今回使用するデータは、4月某日に Panasonic NV-DM1 で録画した 30 分番組の MiniDV テープです。
このテープから約 12 分間。シームレスキャプチャ方式を使用して取りこみを行い、VideoMaid で二つの AVI ファイルを結合、WAV ファイルを取り出します。
この操作を DVWorks と EzEdit で各1回ずつ行い、得られた二つの WAV ファイルを PCM 比較ソフトで検証してみます。
今まで、取りこみ時に音声が短くなると書いてきましたが、まだ、どのように短くなるかを記述していなかったので、ここにその状況を示しておきます。
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キャプチャ+結合直後。ファイル終端に音声部分が存在しない | ||
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ここまで戻らなければ音声が無い |
このように、かなり大量に AUDIO データがドロップしている事がわかります。6 フレーム分、約 9600 サンプルが失われている事になります。
では、EzEdit ではどうなるでしょう。次がその結果です。
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それでも1フレーム音声が短くなってる。 |
音声は多少短くなってしまっていますが、それでも DVWorks と比較するとその量は少ないです。この時点で DVWorks を使って NV-DM1 から取りこみを行うと音が短くなるという事を確認することができました。
結果は次のようになりました。予想に反してかなり短くなったので、全てを掲載します。
ロ グ |
ファイル1を読みこんでいます ファイル1は 29192443 サンプルあります ファイル2を読みこんでいます ファイル2は 29171568 サンプルあります 無音部分をスキップします ファイル1の無音部分は 0 サンプルです ファイル2の無音部分は 0 サンプルです ファイル1 0 サンプル、ファイル2 0 サンプルに相違 ファイル1 125 サンプル、ファイル2 0 サンプルが一致 ファイル2は 125 サンプルドロップしています ファイル1 7754693 サンプル、ファイル2 7754568 サンプルに相違 ファイル1 7759497 サンプル、ファイル2 7759372 サンプルが一致 長さ 4804 サンプルのデータが化けています ファイル1 26614833 サンプル、ファイル2 26614708 サンプルに相違 ファイル1 26614833 サンプル、ファイル2 26624011 サンプルが一致 ファイル1は 9303 サンプルドロップしています 比較終了 比較サンプル: 29166889 相違個所: 4806 ドロップ総計: 9428 |
注 | ファイル1……DVWorks で取りこんだデータ |
ファイル2……EzEdit で取りこんだデータ | |
PCM Compare は Ver. 0.2.0 を使用 |
まず、0 サンプル目での相違は2つの WAV ファイルで開始点が異なるためです。なるべく無音部分を選べば良かったのですが、完全に無音の部分というのが見つからなかったためにファイル2(EzEdit で取りこみのデータ)のドロップとして報告されています。
次に「長さ 4804 サンプルのデータが化けています」と報告されていますが、これはファイル1の 7754693 〜 7759497 とファイル2の 7754568 〜 7759372 の 各 4804 サンプルが一致せず、それ以外のサンプルでは一致しているということを表しています。
最後に「ファイル1は 9303 サンプルドロップしています」と報告されています。これが「DVWorks で NV-DM1 から取りこむと音が短くなる」の正体のようです。実は、実験2 の時のように数サンプル毎に 1 サンプル落としているのかと予想していたので、この結果は意外でした。
これ程の量のデータが一度に失われているのであれば、その意識を持って聞けばドロップに気がつくはずだと考え、MediaPlayer で WAV ファイルを再生してみると、確かにノイズとなってしまっている部分が存在しました。
ある意味予想通りの結果であり、またある意味では予想以上に酷い結果が出ていますが……
……気力が尽きました。もう少し実験してみたいことはあるのですが、それは後日に回します。感想へ、どうぞ。
以上です。社外のユーザをデバッガとして活用し、開発コストを削減しようというのは、なかなか良い方法だと思いますが、その方針を取る場合もう少しサポートソフトウェアの更新頻度を上げた方が良いように思います。