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5月9日(土) 視聴リスト (2008年 4月〜5月) [この記事]

定額給付金は全額 wikimedia foundation に送ってしまうという、国内景気に一切寄与しない使い道を選んだひとでなしです。しばらくやっていなかった視聴リストの報告を再開してみます。

というわけで、現在視聴中の作品は週46本です。数えてみると結構多いですね。PT1 導入に伴って、BS の録画の手間が大きく減った影響が大きいなと感じています。

無理なく見れるのはせいぜい週30個前後なので、もちっと絞り込まなきゃならんなと痛感しますね。


5月10日(日) B-CAS 関連検討状況 [この記事]

B-CAS カードの小型化版関連の報道に対するネット上での反応を見ると、どうも現在のデジコン委での検討状況を正しく理解している人が少ないように思えます。この辺は私の手抜き (なるべく生に近い発言録+意識誘導のための感想だけ) な傍聴レポートの所為という面もあると反省はしているのですが、一応、前回 (第51回) までの検討内容を踏まえて、状況を整理した説明を試みてみます。

まず「B-CAS を廃止する」などということは欠片も議題に上がっていません。また「コピー制御を無くす」という方向への意見も、第49回・第51回の消費者団体代表委員からの匂わせるような形での発言以外は出ておらず、正面から主張されたことはありません。(私が傍聴を始めた第30回以降では)

今回報道された小型化 B-CAS カードは、前回 (第51回) の中で小笠原課長から「B-CAS カード小型化・事前実装化についても引き続き選択肢として検討していくが、これに関しては民間で検討すればよいのではないかという議論になっている」と発言された内容が、実際に実現されたものです。B-CAS カードの端子以外の部分を、携帯の SIM カード同様に切り離せるようにして小型化しようというもので、今年の3月の ARIB での規格化 (STD-B25 ver. 5.1 [URI]) を経て、B-CAS 社から小型版カードの提供スケジュールが提示されたというのが今回の報道になります。

B-CAS カード小型化によって、B-CAS カードの為に物理的にカードスロットのスペースを確保できない受信機が実現できないという批判は解消できるのですが、独占禁止法違反・放送法違反との批判に関しては解消できないまま残ります。これを解決する為にデジコン委およびその下部組織である技術検討ワーキンググループで話し合われているのが「仕様を開示する方式」と呼ばれている、ソフトウェア方式です。

現在の B-CAS カードでは、ECM/EMM の復号方法に関して B-CAS 社と放送局以外には仕様の開示が行われていませんが、その仕様を (コピー制御ルールを守るという契約を結んだ) メーカにも公開しようというのがソフトウェア (仕様を開示する) 方式になります。

ECM/EMM の仕様を開示する場合については、その仕様が外部の人に漏れてしまった場合に有料放送がタダ見されてしまうという事態が懸念されています。このため、ソフトウェア方式では既存の B-CAS カード方式とはアルゴリズム等を変更して、無料放送専用とすることで有料放送への影響がなくなるようにと考えられています。

また、B-CAS 社以外に選択肢がないことで独占禁止法違反と批判されることを回避するためにも、ソフトウェア方式に関しては B-CAS 社とは別の法人をライセンス管理主体とすることがほぼ既定の方針として検討されています。こうすることで、表向きは別々の法人が競争しているという状況になるため独禁法違反との批判に関しても、また放送法違反との批判に関しても問題が解消されます。

ここまで固まっていながら、まだ「合意に達していない」というのは何かというと、実際の技術方式を STD-B25 の第三部のまま使うのか、第三部のまま使うとしても、ECM/EMM の暗号アルゴリズムをどれに決めるのか、ライセンス管理法人をどういった形にするのか、B-CAS 社は「一私企業が」と批判されていたけれど株式会社という形にしないのだとすると誰がその運営費用を負担するのか、その辺の話が放送局と受信機メーカの間で固まっていません。なので「合意に達していない」となっている訳です。

さて、ソフトウェア方式として既存の B-CAS 方式とは異なるアルゴリズムを採用した場合にこれまでに発売されてきた受信機がどうなるかですが、一応、既存の受信機が使えなくなることは避ける形で検討されており、TR-B14/15 に従っている受信機には問題がおきないはずです。TR-B14/15 では、異なる技術方式の ECM を同時に送ることを想定した規格になっているので、それに従って作られている受信機では問題はおきません。ただし、仕様に完全に適合できていない問題の出る受信機がある程度の数既に出荷されてしまっていた場合は、ソフトウェア方式の導入は断念されるだろうと予想しています。

以上が前回 (第51回) までのデジコン委での議論の要約になります。まあなんと言いますか、B-CAS は無くならないし、天下り先も増えそうだし、コピー制御は残るし、B-CAS への不満は (消費者団体代表が主張した内容だけとは言え) 解消に向かうしと、もう素ン晴ラしく理想的な解決方法に向けて爆走してる訳です。なのになぜデジコン委の参加者の方々はあんなに不満そうなのでしょうね。ふっしっぎ、ふっしっぎ。


5月12日(火) どこで道を間違ったのか [この記事]

さて、B-CAS に代表されるデジタル放送のコピー制御に関係した検討は、前回 [URI] 書いたような状況となっている訳なのですが、なぜこのような議論になっているかということを説明するために、昨年の 10 月 [URI] に書いた内容を再掲してみます。

一応、この辺りの議論の流れを確認しておくと、次のような形になります。

  1. クリエイターがリスペクトされ、適切な対価の還元を受ける為に、無料地上デジタル放送で高付加価値な放送コンテンツを提供し続ける為に、一定のコピー制御が必要である
  2. コピー制御を守らせるためには、何らかの強制手段 (エンフォースメント) が必要である
  3. 現在、この強制手段としては、B-CAS カードシステムという、技術と契約のエンフォースメントが採用されている
  4. これに批判があるので、見直して、改善方法を検討しよう

これがデジコン委員会のコンセンサスであり、第五次答申であり、第六次答申に向けての議論の出発点であるわけです。

この状態で、B-CAS カードおよび B-CAS システムを批判することは B-CAS 以外の強制手段を検討しようという (「(北朝鮮のように)受信機規制しよう」とか「(批判部分を変更した)新 B-CAS を作ろう」とかの) 方向へ後押しする効果しかありません。実際、デジコン委員会での議論の流れも、その方向に向かっています。

ある程度の洞察力と前提知識があれば現在の状況は容易に予想できることではあったのですが、残念なことに消費者の批判は B-CAS という目につきやすいシンボルに対してのものに終始して、B-CAS という存在が必要とされている前提部分、問題の本質を穿つ批判はそれに埋もれてしまいました。それが現在の状態をもたらしたのではないかと考えています。

今回の教訓は「コピー制御が必要である」という部分を否定することができない限り、コピー制御はなくならないし、コピー制御の実現手段を批判した所で別の実現方法を作ろうという努力がされるだけということが確認できたということになります。

このような状況ではありますが、私は別に落胆をしたり悲憤慷慨する必要はないと考えています。人々が守る価値を認めてない規制が実効性を持つわけなどないのですから、今回の教訓を踏まえて「無料広告放送には (アナログ放送時代と同様に) コピー制御は必要ない」ということを訴え続けていけば良いだけだと考えています。

◇◆◇

さて、今度の中間答申では「(批判部分を変更した) 新 B-CAS を作ろう」の方向での意見取りまとめがなされそうな様子なのですが、おそらくそれと並行して、ソフトウェア方式の実効性を高めるために制度面での検討を、受信機規制の検討を第七次答申に向けて進めていくという方針が示されるだろうと予想しています。

昨年二月の、第32回のデジコン委では三菱総研の中村オブザーバからアメリカでのブロードキャストフラグに関して、「『FCC にはブロードキャストフラグ指令を出す権限がない』という判決があって実現できていないが、オバマ大統領 (当時候補) は『FCC にその権限を与えるための改訂通信法を成立させる』と発言したと報道されている」との説明がなされています。[公式議事録]

実際にはオバマ政権が成立しても世界情勢が斯様な状況なので通信法どころではないというのが現状なのだろうと、また、アメリカのコンテンツ産業全体として DRM に対する過剰な期待を失いつつあるようなので、アメリカでブロードキャストフラグが復活する可能性は低いだろうと考えています。

しかし、日本は無料広告放送に対してコピー制御を実施している世界で唯一の国です。たとえアメリカでのブロードキャストフラグと言う先例がなくとも、すぐそばの北朝鮮という国での受信機規制 (海外の放送が選局できないように部品が取り付けられていて、それを外して海外放送を受信すると逮捕される) という例があるのですから、それを先例として受信機規制を導入することも十分にあり得ます。

なにしろ北朝鮮は地上の楽園と讃えられている国ですから真理省としてはそれに近づけたくてたまらないでしょう。"Big Brother is Watching YOU." という訳ですね。

◇◆◇

既に書いたように、日本は無料広告放送に対してコピー制御を実施している世界で唯一の国な訳ですが、コピー制御が導入されたそもそものきっかけを振り返ってみると、それは音楽番組が録画された D-VHS テープがネットオークションに出品されていたという件でした。

さて、ネットオークションと聞いて思い浮かぶのは CIPP (インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会 [URI]) が先ごろまとめた「平成20年度インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会報告書」[URI] です。この報告書の中では、次のような総括がなされています。

本年度の特徴は、オークション事業者の自主パトロールによる削除数が激減した一方、効果検証による侵害品出品率が低く抑えられたままであり、これが権利者の体感とも一致する点にある。この間、オークションサイトの総出品数が伸びていることを勘案すれば、「侵害品出品行為自体を減らすことに成功した」ということができる。これまでも様々な施策により、出品はされても落札前に削除することにより、取引・流通を止めてきたが、これら施策によって侵害品出品者との根競べに勝ち、出品行為そのものを減少させた意義は大きい。

ポイントは、コピー制御が導入されてもオークション事業者のパトロールや、権利者の監視は必要になっているという点と、権利者の監視が厳しい物ほど、侵害品出品を減らすことができているという点だと考えています。

さて、不正流通を試みる人に対して直接エンフォースメントを行うのと、不正流通など考えもしていないごく一般の人を全て犯罪者予備軍と捉えて広くコピー制御を課し不便さを強制するのと、果たしてどちらがより効果的な施策だったのでしょうか。コピー制御導入を主導し現在もなおその維持に汲々としている放送事業者は、そしてコピー制御導入を許容しその後始末に今も苦しめられている総務省はどこで道を間違えてしまったのでしょう。


5月20日(水) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第52回) [この記事]

13 日に開催された第 52 回の傍聴レポートです。今回の議題は取引市場 WG 関連で、平成21年度補正予算案で認められたコンテンツ関連の出費の内容についての説明がメインでした。18 日の時点で資料等はデジコン委ページ [URI] に上がっているので、必要に応じて参照してください。

今回の議事は次の流れで進みました。

定型文部分の開会の挨拶と資料確認部分は飛ばして、いつものように説明部分から追っていきます。小笠原課長からの補正予算案関連の説明は次のような内容でした。

以上が事務局からの説明内容でした。次に行われたのは、堀委員(ホリプロ / 音事協)からの資料2として配布されていた「映像コンテンツ権利処理機構」に設立に関しての説明で、その説明内容は次のようなものでした。

堀委員からの説明は以上でした。以上二つの説明を受けて、以後は村井主査から各委員を指名して順次発言が行われていきました。

最初に指名されたのは椎名委員 (CPRA) で、その発言内容は次のようなものでした。

椎名委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは石井委員 (NHK) で、その発言内容は次のようなものでした。

石井委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは元橋オブザーバ (NHK) で、その発言内容は次のようなものでした。

元橋オブザーバからの意見は以上でした。次に指名されたのは福田委員 (テレビ朝日 / 民放連 地上デジタル放送特別委デジタルテレビ放送専門部会長) で、その発言内容は次のようなものでした。

福田委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは佐藤委員 (フジテレビ) で、その発言内容は次のようなものでした。

佐藤委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは寺島オブザーバ (テレコムスタッフ / ATP) で、その発言内容は次のようなものでした。

寺島オブザーバからの意見は以上でした。次に指名されたのは浅野委員 (IBM / 情報通信審議会委員) で、その発言内容は次のようなものでした。

浅野委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは河村委員 (主婦連) で、その発言内容は次のようなものでした。

河村委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは中村主査代理 (慶応大学 / 取引市場 WG 主査) で、その発言内容は次のようなものでした。

中村主査代理からの意見は以上でした。以上で村井主査からの指名は一巡し、当初予定の終了時間もせまりつつあったのですが、椎名委員が発言を求め、次のような内容の意見を述べました。

以上が椎名委員からの補足意見でした。ここで追加発言を求める人もなくなり、村井主査から次のような内容のまとめが行われました。

以上が村井主査からのまとめでした。最後に、事務局の小笠原課長から次回以降のスケジュールについて、コンテンツ保護とエンフォースメントに関しての議論を予定して、5 月の最終週で日程調整中との、また取引市場の骨子については6月に入ってから日程調整をしたいとの連絡があり、今回の会合は終了しました。

◆◇◆

今回はあまりアレな発言が多くなかったので、さほど感想はありません。強いて言えば寺島オブザーバの意見が少し自己利益誘導で露骨が過ぎるかなと感じたぐらいでしょうか。基本的には制作会社に同情しているのですが、それも程度問題であまり繰り返されるとちと違うような気がしてきてしまいます。


5月21日(木) tsselect ver. 0.1.7 [この記事]

tsselect を ver. 0.1.7 に更新しました。ダウンロードは [URI] から可能です。更新内容はバグ修正のみで、その内容は以下のものです。

バグレポートを送ってくれた方に感謝します。また、今回から readme.txt に再配布やソースコードの利用に関しての条件を追加しました。

尚、旧バージョンが必要な場合は [0.1.6] や [0.1.5] から取得してください。バージョン番号を付与していないアーカイブはその時点での最新版となっています。


5月22日(金) swf.vfp ver. 0.1.3 [この記事]

swf.vfp を ver. 0.1.3 に更新しました。ダウンロードは [URI] から可能です。更新内容はバグ修正のみで、その内容は以下のものです。

あまり更新するつもりはなかったのですが、直せる範囲の不具合報告があったので、修正してみました。


5月24日(日) NHK 技研公開 2009 [この記事]

最終日に眺めてきました。とりあえず、UHDTV (7680x4320) でのリアルタイム伝送実験は [URI] は解像度こそ素晴らしいものの、現状ではリアルタイムエンコーダの制約と思われる動きの制限が大きそう (一応ズームイン/アウトを見せていたものの、非常に遅かった) なのが、どうなのかなと思うところ。オフラインエンコードされたデータ (他の 2ch) はそこそこ動きのあるデータだったので、ビットレート的には 100 Mbps あれば何とかなるのかもしれないけれど。

後はストリームのエンコード形式がもうちっとどうにかならんかなと。フレームインタリーブでストリームを 2 つに分けて、さらに画面内を分割というのは受信機アプリケーションの実装負荷が高いんじゃないのかなと。まー CABAC 復号を間に合わすために仕方なくという面が大きいのだろうけれども。

地下でやっていた 103 インチ PDP (3840x2160) [URI] を見る限りでは本当に 8K4K が必要なのかな (4K2K で十分なのじゃないのか) と思ったりもする訳だけれども、金の余ってる所が物量に物を言わせた研究を進めるのは正義という訳で実用性など無視して是非突っ走っていただきたい。

103 インチの展示の説明をしていた方に聞いたかぎりでは、200 インチクラスでは流石に住宅に入らないだろうという認識ではいるらしいのだけど、UHDTV で目標としてる水平視角 100〜120 度を実現するには 100 インチクラスだと 1.3〜0.9m 前後の距離で見る想定になるわけで。うーん、パナソニック電工が壁面部材として 200 インチ級 PDP パネルを作ったりしない限り 8K4K が必要になる日は遠いような。

後は見逃す訳にはいかない「ネットワークを利用した放送サービスのための暗号・認証技術」の展示 [URI] も説明を聴いてきました。基本的には現行デジタル放送への適用は考えていなくて、あくまでもネットワークサービスを想定とのこと。MULTI2 のような共通鍵方式ではなく公開鍵 (非対称鍵) 方式をストリーム暗号に採用して、署名等を行うことで正規の放送局かの認証をおこなったり、視聴者側で一時鍵を作成できるようにして他の受信機でも購入サービスを視聴できるようにしようといったことを検討しているとのこと。

「現在の放送では B-CAS に CAS だけではなくて、コピー制御のエンフォースメントの役割まで負わされてるけれど、このシステムでもエンフォースメントを視野に入れてたりするのだろうか」と質問してみたところ「今のところエンフォースメントまでは考えていないけれど、実際に使われるまでにはそういったことも考えておく必要があるだろう」とのこと。

他に面白いなと思った展示は風カメラ [URI] とか 音声自動認識 [URI] とか。インテグラル立体テレビ [URI] は去年よりも解像度が上がっているものの、実用化するにはまだまだ道のりが通そうだなと。


5月29日(金) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第53回) [この記事]

26 日に開催された第53回の傍聴レポートです。できれば一日遅れぐらいで出したかったのですが、なかなか難しいものですね。

今回の議題は前回の予告どおりコンテンツ保護のエンフォースメント関連で、ソフトウェア方式の検討状況の進捗についての報告と、それを受けての意見交換 (大幅な脱線を含みつつ) という内容でした。議事自体は次の形で進みました。

定型文部分の開会挨拶と資料確認は飛ばしますが、最初の「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割 第六次中間答申」[URI] に関する説明については少し紹介しておきます。

この答申は昨年 (第五次中間答申) まではこのデジコン委の答申とセットで提出されていたのですが、そろそろアナログ停波も二年後に迫ってきたということで、地上デジタルの利活用の答申は前倒しして出すようにしたとの説明がなされました。なぜこのような説明が行われたかですが、情報通信審議会席上で、高橋委員から「片方だけ出てくるってどういうこと」という質問が出たらしく、他の委員の方の混乱を避ける意味で「デジコン委の答申は例年通り 7 月の提出を予定している」との説明がこの席上でなされました。

さて、村井主査の技術検討 WG での検討経緯説明から詳細に追いかけていくことにします。村井主査からの説明は次のような内容のものでした。

以上が村井主査からの経緯説明の内容でした。続いて、小笠原課長から配布資料を参照しながらの、詳細説明が行われました。説明の内容は次のようなものでした。

小笠原課長からの説明は以上でした。以上の説明を受けて、村井主査から次のような内容の補足説明と意見の要請が行われました。

村井主査からの解説は以上でした。この後、村井主査から指名する形での意見交換が行われていきました。最初に指名されたのは河村委員 (主婦連) で、その発言内容は次のようなものでした。

河村委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは椎名委員 (CPRA) で、その発言内容は次のようなものでした。

椎名委員からの意見は以上でした。次に指名されたのは堀委員 (音事協 / ホリプロ) で、その発言内容は次のようなものでした。

堀委員からの発言は以上でした。次に指名されたのは藤沢委員 (NHK) で、その発言内容は次のようなものでした。

藤沢委員からの発言は以上でした。次に指名されたのは関委員 (Dpa / フジテレビ) でその発言内容は次のようなものでした。

以上が関委員からの発言でした。次に指名されたのは田胡委員 (JEITA / 日立製作所) で、その発言内容は次のようなものでした。

田胡委員からの発言は以上でした。ここで村井主査からの指名は一巡して、以降は希望者の発言になりました。最初に発言を希望したのは岩浪オブザーバ (インフォシティ) で、その発言内容は次のようなものでした。

岩浪オブザーバからの発言は以上でした。次に発言を希望したのは浅野委員 (IBM) で、その発言内容は次のようなものでした。

浅野委員からの発言は以上でした。次に発言を希望したのは三尾委員 (弁護士) で、その発言内容は次のようなものでした。

三尾委員からの発言は以上でした。次に、岩浪オブザーバが再び発言を求め、次のような内容の補足をしました。

岩浪オブザーバからの追加発言は以上でした。これに対して、田胡委員が次のような内容の回答をしました。

田胡委員からの回答は以上で、岩浪オブザーバは何かまだ言いたそうにしていたのですが、ここで村井主査から次のような内容の補足説明が行われました。

村井主査からの補足説明は以上でした。次に発言を希望したのは福田委員 (民放連 / テレビ朝日) で、その発言内容は次のようなものでした。

福田委員からの発言は以上でした。ここで、今まで出た意見を踏まえて、村井主査からの回答と言うか、次のような形で、技術検討 WG での議論の紹介がされました。

村井主査からの補足説明は以上でした。次に発言を希望したのは華頂委員 (日本映画製作者連盟) で、その発言内容は次のようなものでした。

この質問に対しては、三尾委員から次のような回答がありました。

以上の回答の後で、引き続き華頂委員から次のような内容の発言がありました。

華頂委員からの発言は以上でした。次に発言を希望したのは河村委員で、その発言の内容は次のようなものでした。

河村委員からの発言は以上でした。次に発言を希望したのは堀委員・田胡委員・椎名委員・元橋委員で、最初に発言順が回ってきたのは田胡委員でした。田胡委員の発言内容は次のようなものでした。

田胡委員からの発言は以上でした。次に発言順が回ってきたのは堀委員で、その発言内容は次のようなものでした。

堀委員からの発言は以上でした。次に発言順が回って来たのは椎名委員で、その発言内容は次のようなものでした。

椎名委員の発言は以上でした。次に発言順が回ってきたのは元橋オブザーバ (NHK) で、その発言内容は次のようなものでした。

元橋オブザーバからの発言は以上でした。次に発言順が回ってきたのは岩浪オブザーバで、その発言内容は次のようなものでした。

岩浪オブザーバからの発言は以上でした。ここまでの発言を受けて、村井主査から次のような内容の補足が行われました。

以上が村井主査からの補足でした。この発言の後、終了の時間が近づいているがどうしても発言しておきたい内容のある方はいるだろうかという問いかけがされて、それを押してまで発言を求める人がいなかったので、意見交換はここまでとなりました。

引き続いて村井主査から、次のような内容のまとめが行われました。

以上で村井主査からのまとめは終了しました。この後、事務局の小笠原課長から次回以降のスケジュールについて、6月に取引市場とエンフォースメントについてそれぞれ一回ずつ開催したいと考えているとの案内があって、今回の会合は終了しました。

◆◇◆

今回は感想を言いたくなる発言が多かったのですが、とりあえず今日の所は一番指摘しておきたい堀委員の発言についてだけ感想を書くことにします。

脱法行為と指摘されている Winny および YouTube 等へのアップロード行為に関してですが、それは現在の法制度でも、一つのアクションさえあれば明確な違法行為になり、実行者が逮捕・起訴されることがあります。

まず Winny/Share 等の P2P ファイル交換ソフトウェアに関して言えば 2003 年 11 月 の逮捕 [URI] を皮切りに、2008 年 3 月 [URI] 2008 年 4 月 [URI] と着実に起訴例が積み上げられています。

また、YouTube/ニコニコ動画等の動画サイトに関しても今月に送検例が出ています。[URI]

現在の法制度では、著作権法にて公衆送信権というものが著作権者に認められており、告訴・逮捕・送検・起訴・裁判という手順を踏めば最長 10 年の懲役刑か最大一千万の罰金刑を科すことが (懲役刑と罰金刑の併科も) 可能です。(著作権法 第23条/第119条)

ただし、著作権法侵害は親告罪なので、権利者の告訴がなければこれらのエンフォースメントは行われません。(著作権法 第123条)

上にあげた例は全て、権利者が (順番の前後はあるにせよ) 告訴しているからこそ、逮捕等が行われている訳です。

脱法状態が問題であるならば、新たな制度の導入を求める必要も技術的保護を求める必要もなく、ただ、告訴さえすればその脱法状態を違法状態にすることができます。また、犯人を知ってから6か月以上が経過した場合は、告訴自体ができなくなってしまう (刑事訴訟法 第235条) ので、その場合は脱法行為は完全な合法行為になります。

こうした状況でなすべきことは、まず、告訴なり被害届なりの提出 (欲を言えば、その前に警告の送信等の手順が踏まれることが望ましいですが、相手が判らない以上は仕方がないので) なのではないかと考えます。それをしているにも関わらず捜査が行われないとか、警察に無視されるとか、そうしたことがあるならば議論は次の段階に進むのでしょうが、今の段階で新たな制度の導入や技術保護の強化を訴えたところで、広範な支持を得ることはできないのではないかと他人事ながら心配しています。

◆◇◆

えー文系の理論いうなら、せめて自分たちの商売の基盤である著作権法ぐらい理解しておこうよと、そうしたことを期待するのは間違っているのしょうか。


5月30日(土) コピー制御に関しての争点 [この記事]

デジコン委で発言を聞いていると、つくづく彼らが何も判っていないような気がしてきて堪らなくなります。個別意見への感想ももう少し書いておきたいところではあるのですが、デジタル放送のコピー制御に関して少し状況を整理しておいた方がよいのかもという気になったので、まずはそちらからやっておきます。

放送番組の合法利用と違法利用

上の図は、現在の放送番組の取り扱いに関して、放送事業者や権利者と視聴者がそれぞれどのように考えているかをまとめてみたものです。

まず、放送中の番組をそのまま視聴することが違法だとは、流石に放送事業者も主張しないだろうと考えています。また、放送事業者や権利者側が違法であり、取り締まられるべきだと考えているネットへの無許諾アップロードに関しても、多くの視聴者は利便性が犠牲になったり、コスト負担を求められたりしない限り、違法だということに同意するはずです。

双方の見解に相違があるのは、家庭内での録画であったり、遠隔録画とネット経由での視聴に関してです。

まず、家庭内での録画に関しては、完全に禁止されるべきだと考えているのは映画制作者連盟の華頂委員ぐらいで、放送事業者や他の権利者代表委員は一定の制御下であれば問題ないと考えているようです。そして、遠隔録画とネット経由視聴に関しては「まねきTV」「録画ネット」「親子TV」に対して放送事業者が訴訟を起こしたことに見られるように、放送事業者は違法であると考えていたようですが、これに関しては知財高裁において「まねきTV」「親子TV」のような行為の主体がユーザであるものは合法との、「録画ネット」のような集中管理があり、行為の主体が事業者であると解されたものは違法との判決が下されています。

さて、デジタル放送のコピー制御は合法であり、アナログ放送時代では自由に可能だった家庭内での録画に対して制限を行うものな訳ですが、これが必要だとされている理由に関して、次のような説明がされています。

しかし、私はこの説明に同意できません。それは次の点が納得できないからです。

先ほど私は、無許諾アップロードが違法であることは、利便性の低下やコスト負担を求められない限り視聴者も同意すると書きました。広く薄くコピー制御をかけて、すべてのユーザを巻き添えにするという対策は、違法行為をしていない視聴者に対してコストと利便性の低下を押し付けることですから、そもそも不満が出るのが当然なのです。

デジコン委の第53回で堀委員から発表された数字をそのまま使わせてもらうと、日本国内の世帯数が約5000万、PC 普及率が今年三月末で約86%、そのうちのWinnyインストール率が10%で、さらにアップロードまで行っているのが5%。全て掛け合わせると約22万。その22万の為に、残りの1億2593万人に不便さとコストを押し付けようというのが地デジのコピー制御なのです。

ネットへのアップロードがいけないということは理解するが、家庭内での複製まで制限されることには納得できないというのが、Friio のような無反応機を視聴者が受け入れる下地になっている訳です。

ダビング10で制限が緩和されたのだから、10枚もコピーできるのだからそれで十分ではないかと、家庭内で10枚以上コピーする必要があるのか、それは強弁が過ぎるのではないかと放送事業者は考えているようです。

それでは、sony の X Video Station を使っている人や NEC の AX300 を使っている人が、同じような使い方のできる録画機が、コピー制御対応の市販品の中に存在するのでしょうか。また PC に詳しいユーザは、一度 DVD レコーダ等で録画したデータを PC に移動してそこでポータブルデバイス向けに変換を行ってフォーマットの違いを吸収するという運用で、メーカ側で不足しているサポートを補っていました。しかしコピー制御によってそうした運用もできなくなってしまいました。

ユーザが最終的に移したい先にデータを移すことができないならば、それは複製回数が 0 のまま、なにも状況が改善されていないのと同じなのです。ユーザにとっては、メディアやデバイスが大事なのではなくて、データにアクセスできることが大事で、メディアやデバイスにデータが縛り付けられることが耐えられないのです。そうした自然な要求に対して応えられない制限を強制しようとするならば、膨大なコストを投じる覚悟を決めて、また実際に膨大なコストを投じ続けない限り、それを維持することはできないでしょう。

違法行為を行っている人を特定して、その人対して警告を送るなり処罰を下すなりする、そういった形で有れば、他のユーザに不利益はなかった訳ですから、これほどの反発を招くこともなかったでしょう。実際22万を制御することと、残りの1億2593万を制御することのどちらが楽か、普通に考えれば容易に判断ができるはずなのですが、数十社程度の受信機メーカを制御して DRM を導入すれば全てを制御下に置けると考えたのが彼らの間違いだったのだと思います。

こういうことを書くと、違法行為を行っている人を特定するのにどれだけの金がかかると思っているのだと、ネットを監視する人を張り付けておく余裕などないという意見が出るかもしれません。しかし、日経エレクトロニクス 2009年 6月 1日号の「迷走する B-CAS 見直し」によれば、民放各社が B-CAS システムを維持する為に支払っている額は、トータルで年間 60 億に達するとのことです。その 1/10 の 6 億もあれば、ネット監視の為に専任者を 50 人張り付けることもできて、そちらの方が実効性も高かったのではないでしょうか。

実際、一罰百戒という言葉があるように、違法行為を行っている人が処罰を受ける以上に教育効果や抑止効果の高いものは無いと思っているのですが、そちらへ十分な力が注がれることがなく、斜め上の方向への努力が続けられていることが残念でなりません。


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