日々の戯言
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4月4日(金) 視聴リスト (2008年 2月〜3月)
そろそろ 4 月からの新番組がはじまりつつあるけれど、とりあえず旧番組の状況を書いておく。
- 破天荒遊戯 (テレ玉 月深夜)
最終話まで付き合った。ストーリーはよー判らなかったがそこそこ楽しめていた。ついうっかり書店で原作を見かけたら買っていたかもしれない。(B+)
- BUZ GAMER (テレ玉 月深夜)
最終話まで付き合った……ことになるのかな。なんでこーゆー放送形態を取ったのかなぁ (C)
- シゴフミ (テレ玉 月深夜)
最終話まで付き合った。趣味からは外れているので、原作を買おうと思うほどではないがそこそこ楽しんでいた (B-)
- バンブーブレード (テレビ東京 月深夜)
最終話まで付き合った。それなりに楽しめたけど、もう少し違った料理の仕方もあったのではないかと思う。惜しい。(A-)
- ARIA The ORIGINATION (テレビ東京 月深夜)
最終話まで付き合った。よい空気アニメだった。楽曲ふくめてそこそこ楽しんだ。(B)
- D.Gray-man (テレビ東京 火夕方)
継続視聴中。評価に変化はなくまたーりと付き合っている。(B)
- 狼と香辛料 (テレ玉 火深夜)
最終話まで付き合った。うーんこんなものかなぁ。原作を購入しておきながら言うのはあれだけど、趣味にあう作り方でなかったので評価は微妙。(C+)
- 素敵探偵ラビリンス (テレビ東京 火深夜)
最終話まで付き合った。ストーリーはともかくとして、売りを活かす形で作ってるのは良し。(B-)
- キミキス pure rouge (テレ玉 水深夜)
最終話までかなり楽しみながら付き合った。不満なし。ただし、それほど加点もないので評価はそこそこ。(A-)
- フルメタルパニック (テレ玉 木深夜)
継続視聴中。良い作品だということは知っているので安心して楽しんでいる。(B-)
- H2O 〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜 (テレ玉 木深夜)
前後の番組の都合で一応最終話まで付き合ったけど、本来ならば脱落対象。評価は低い。(D)
- true tears (テレ玉 木深夜)
昨晩の最終話まで、とても楽しみながら付き合った。同時期の番組の中では 1 位。ええい DVD はいい、Blu-Ray はまだか。(A+)
- 逮捕しちゃうぞ フルスロットル (TBS 木深夜)
最終話まで付き合った。まーこんなもんでしょという至極波乱のない感想。(B+)
- CLANNAD (TBS 木深夜)
最終話まで付き合った。そうか、ここで切るか。OPに出てながら一期のうちは一度も登場しなかった汐に拍手。いちおー二期がはじまれば見る予定。(B+)
- 灼眼のシャナII (TBS 金深夜)
最終話までかなり楽しみながら付き合った。true tears の次ぐらいに評価。収納場所さえあれば BOX とか買うんだけどなぁ。(A)
- デルトラクエスト (テレビ東京 土早朝)
最終話まで付き合った。特記事項無し。(B+)
- しゅごキャラ! (テレビ東京 土午前)
継続視聴中。評価は安定。問題なし。(B+)
- 機動戦士ガンダムOO (TBS 土夕方)
最終話まで付き合った。あーうー。皆殺しはガンダムの伝統といってしまえばソレまでなんだけど。まー釘宮が生存してるんで二期にも付き合うことにしよう。(B+)
- PERSONA - trinity soul - (テレ玉 土深夜)
継続視聴中。信者補正でぎりぎり脱落を回避している。ホント惜しいなぁ。(C)
- ハヤテのごとく (テレビ東京 日午前)
最終話まで付き合った。このグダグダすぎる番組を脱落させないとは、釘宮補正おそるべし。(C)
- Yes! プリキュア5 GoGo! (テレビ朝日 日午前)
継続視聴中。動きがイイので付き合っていてもよさそう。この手の番組でストーリー云々するのは野暮だろうし。(B-)
- 俗・さよなら絶望先生 (テレ玉 日深夜)
楽しみながら最終話まで付き合った。よい笑いをありがとう。(A-)
- レンタルマギカ (テレ玉 日深夜)
最終話まで付き合った。放送当初は魔術設定のイタさに耐え難いものを感じていたが、耐性さえ獲得してしまえばそれまで。まーお話があんまり趣味ではなかったのでさほど高い評価にはならないのだが。(C+)
- みなみけ おかわり (テレビ東京 日深夜)
最終話まで付き合った。ちーっと評価下落。十分よい作品だったけど、最終話近辺でちと点数を落とした。(A-)
- 獣神演武 HERO TALES (テレビ東京 日深夜)
低空飛行ながら最終話まで付き合った。特記事項無し。(C+)
脱落作品は「君が主で執事が俺で」「ドラゴノーツ - レゾナンス -」「墓場鬼太郎」「AYAKASHI」「ロザリオとバンパイア」の 6 個。NAB 関連で PC の前から離れる仕事が増えたので時間を確保できず、ボーダーラインの作品からポロポロと脱落したといったところ。
4 月からの新番組では「xxxHOLiC二期」「ギアス二期」「図書館戦争」「紅」あたりに期待中。「図書館戦争」と「紅」は不安も大きいのだけど。
◇◆◇
ARIB STD-B25 の EMM 対応は、セクションパーサーをまじめに作るべきだろうというわけで、ぺちぺちと作成していたものが単体で問題なく動作するのを確認したところ。後は B-CAS カードからカードID (グループIDも含めた) 拾って、EMM をフィルタして、B-CAS カードに投げる処理を書けば完成のはず。
動作確認には e2 by スカパーの 16 日間無料視聴申し込みを使う予定。多分 EMM を放送波に載せてくれるはずなので、それを使えば実装に問題がないか判るだろう。
4月6日(日) ARIB STD-B25 仕様確認テストプログラム ver. 0.2.0
公開しました。ダウンロードは [URI] からどうぞ。当初の予定を超過してしまいましたが、EMM 対応を済ませたので公開します。変更内容は以下のとおりです。
- EMM 対応。CAT からの EMM PID 取得、EMM の解釈と、自カード ID 向けの EMM を検出した場合の B-CAS カードでの処理実行まで対応してます。
- 未契約ストリームが含まれる場合の処理負荷軽減。ECM 処理の際に未契約応答があった場合、以降はそのストリームの ECM を B-CAS カードに投げないように処理を変更しました。
- 処理状況のパーセント表示。tsselect 0.1.5 相当の進捗表示機能をテストドライバに追加しました。
以降は EMM 対応についての注意点です。EMM は B-CAS カードに対して有料放送の契約情報 (契約の有無や有効期限) を登録・更新したり、あるいは Kw (ECM の復号鍵) を登録・更新したりするために放送局が送り出す特別な放送データです。
EMM 対応によって、契約中のチャネルであれば視聴・録画中に自動で有効期限の更新が行われるようになります。カメレオン USB FX2 でチューナ側に B-CAS カードを挿して利用している場合は不要な処理 (チューナ側がその処理を行うため) ですが、外部カードリーダで利用している場合には、有料放送を視聴しつづけるために必要な処理となります。
現段階では EMM の送出頻度がどの程度なのか確言できないのですが、e2 by スカパーの 16 日間無料視聴申し込みを WEB 経由で行った後、4 時間ほど ND2 (CS 001 にチャネル設定) を受信したデータには、自カード ID 向けの EMM が 6 個含まれていました。ここ (約40分に1回送信) から推測すると、毎日 1 時間程度、CS/BS を視聴している人であれば、契約更新手続きを気にすることなく視聴を継続できるのではないかと考えます。
ただし、これはあくまでも簡易な仮対応レベルの話であって、本来であれば受信機側では B-CAS カードから通電制御情報を読み取り、その時間にチューナで CS/BS を受信できる状態として EMM を自動受信するという仕組みを実現するべきです。現状の ARIB STD-B25 仕様確認テストプログラムではそこまで対応できていませんが、少なくとも、通電制御情報を可読形式で表示する程度の機能はつけておくべきかもと考えています。
なお EMM に非対応の状態であっても、契約情報の更新に追随できないだけで放送データの復号・視聴には影響はでません。有効期限の更新がされないので、一定期間後に ECM の処理で B-CAS カードに処理を拒絶されるようになりますが、それまでは問題なく視聴が継続できます。
◇◆◇
とりあえず WOWOW 契約済み B-CAS カードに e2 by スカパー 16 日間無料視聴申し込みを追加した後では、1 枚の B-CAS カードでこーゆーことができています。[スクリーンショット]
4月9日(水) ARIB STD-B25 仕様確認テストプログラム ver. 0.2.1
メインはバグ修正の更新です。ダウンロードは [URI] からどうぞ。更新内容は以下のとおりです。
- PAT 更新時に MULTI2 解除漏れが発生していたバグを修正 (ver. 0.2.0 でのエンバグ)
- 野良 PID (PMT に記載されていないストリーム) が暗号化されている場合、ECM が TS 内でひとつだけならば、その ECM で MULTI2 の解除を行うように変更
- EMM を B-CAS カードに送るかどうか選択する -m オプションを追加 (過去に記録した TS を処理する際に、古い EMM を B-CAS カードに渡してしまうと問題が起きる可能性がある)
- 処理進捗状況の表示を ON/OFF 切り替える -v オプションを追加
- EMM 受信のための、通電制御情報を B-CAS カードから処理終了時に取得・表示する -p オプションを追加
WOWOW の通電制御情報は 1 年後の 1 週間の範囲で 2 時間というデータが記録されていたわけですが、16 日間無料視聴中の e2 側は 2007 年 8/29 〜 2008 年 5/6 の間で 2 時間受信しろとゆー内容が記録されているわけで、正直なんの役にも立たないんじゃないのと思ったりします。
ひょっとしたら、どこかで通電制御レスポンスの読み込み処理間違えてるのかと疑いたくなってしまうのですが、少なくとも WOWOW 側はまともな情報が取れているわけで……どーしたらよいのやら途方にくれてしまいます。
4月10日(木) 失意
片手鍋を駄目にしてしまった。味噌汁を温めようとコンロにかけたまま消すのを忘れて外出。帰宅時には見事な消し炭が出来上がっていましたとさ。あー無駄に CO2 を排出してしまった。くそう。火事にならずに良かったと安心すべきなんだろうけど。
◇◆◇
おいおい、いきなり非公開かよ。デジタルコンテンツの流通の促進に関する検討委員会 (第35回) [URI] の話。
よ っ ぽ ど う し ろ ぐ ら い こ と を し て る ん だ な
まったく正々堂々と国民の前で話せないようなことしかできないなんて、悲しい人たちだね。
4月15日(火) よっしゃー
ARIB「標準規格及び技術資料並びに情報提供業務のホームページでの提供について」[URI] を昼に眺めての第一声。
PDF 版無償公開のうわさを聞いてはいたけど、とうとう公開日時もきまって正式リリースもされたということで大喜び。21 日がものすごい楽しみ。
4月20日(日) tsmerge ver.0.1.0
公開。ダウンロードは [URI] から。ユニデン系 3 波チューナでの BS-15 (NHK BS-1/2/Hi) ビットエラーに対するユーザレベルでの対策例。こんな機能のソフトです。
・名称
tsmerge - Non-error TS packets selecter
・機能
複数のチューナで同一チャネルに設定して同時に録画した放送波 TS から
ビットエラーの発生しているパケットを正常なパケットで置換し、エラー
フリー TS を復元します
現時点でも TS 抜きスレッドでは BS-15 が 30 分間ビットエラーフリーで扱えているという報告は皆無な訳で、正直、ユニデンの採用したチューナモジュールの不具合を疑いたい気分だったりします。
ただ、東芝の TC90512XBG は比較的広く使われてる復調チップのはずなので、これの問題とは思えません。シャープの RF 部が BS-15 に対して弱いのかもと疑ったりしてるところです。
もちろんカメレオン USB FX2 からの電磁輻射の悪影響とか、主基板から 5V くすねている影響とかもあるのかもしれませんが、それなら一人ぐらいは BS-15 でのビットエラーフリー報告があってもいいと思うのですよね。
4月22日(火) ポチっとな
LOOX R の夏モデルで XP ダウングレード用リカバリ CD が付くとのことだったのでポチっとなと購入。今まで使ってきたノート PC は LOOX T 70HN (2004年夏モデル) で、光学ドライブと排他利用の増設バッテリを追加して利用していた。
PC 本体からのでっぱりがない形でバッテリ増設が可能なつくりが気に入っていたので、LOOX R でその手の仕組みがなくなったのは悲しいのだけど、このチャンスを逃すと XP モデルの購入が難しくなりそうなので。踏み切ることにした。
公称 10.9 時間なら、普通に使えば 4 時間程度は持つだろうから、通常用途なら AC アダプタを持ち歩かずとも大丈夫だろう。天板はノーマルのグロスブラックを選択。梨地塗装の白とかがあればそちらの方が好みなのだけど、他の選択肢もアレなものばかりなので追加料金が発生しないノーマル仕様で妥協した。
4月26日(土) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第36回)
今回は 第35回 とは違って公開に戻っていたので傍聴してきました。一日遅れですがレポートを書いておきます。今回も取引市場ワーキンググループからの報告がメインでした。
各映像制作プロダクションが進めているメタデータの DB に関する概要の報告 (近藤オブザーバ, 村本オブザーバ, 岡村オブザーバ)、制作プロダクション側からのメタデータ DB を構築するにあたってのテレビ局等への要望 (寺島オブザーバ)、CPRA からの権利情報 DB についての状況報告 (椎名委員) という形で報告が進みました。
最初に、前回の会合で設置が決まったらしいフォローアップワーキンググループについての報告が、事務局の小笠原コンテンツ振興課長から行われました。概要は次のような形です。
- 第4次中間答申 [URI] で平行して提言されている様々な事項や、共通認識について、フォローアップや周辺情報の共有をしていくことを目的としている
- 委員は配布資料 (そのうち検討委員会ページ [URI] に上がるはず) に記載のとおりで、委員の指名がある方にもオブザーバとして参加してもらう
次に、全国地域映像団体協議会 (全映協) の近藤オブザーバから、地域発の映像流通に関する報告がありました。要点は以下のとおりです。
- 全映協は全国の映像関係の各団体が、地域だけでは解決できない問題を協議するために 1997 に設立した法人で、今年で 11 年になる
- 地方局も含めて地域のコンテンツにはドラマ・エンタテイメントは少なく、地域の風景や産業等を記録したものが多い
- 日本の自然・観光・産業・生活、こういった本来の日本を記録した pure japan コンテンツを流通させることで、地域の活性化に貢献していきたいと考えている
- 既に映像素材に関しては、ネット上での流通のしくみを作り、実証実験を開始している
- これを素材のみに留めず、コンテンツ自体の流通にも広げていきたいと考えている
- 映像自体の流通に関しては P2P 技術 (SkeedCast) を利用して、配信コストを抑えつつ HD 映像もスムーズに配信できるようにしている
引き続き、既に実験を開始している映像素材の流通に関して、石川県映像事業共同組合の村本オブザーバから報告が行われました。要点は以下のとおりです。
- 地方局のローカル番組は 1〜2 割、全地方局でトータルの放送時間を考えるとキー局の 4〜5 倍になるが、これが素材も含めて死蔵されているのはもったいない
- 昨年 10 月から事業を開始し、75 社が映像提供を始めている [URI]
- とりあえず 5000 件の素材が登録されているが、まだまだ少ないと考えている
- これは各プロダクションでテープ素材から、ネット流通可能な形に変換する段階がネックになっている
- 問い合わせは (電話ベースも含めて) 多いので、プロダクションに対して周知活動をし、ネットから直接利用可能な素材が増やしていきたいと考えている
続いて、日本映像事業共同組合の岡村オブザーバから、V/Mart 事業 (映像コンテンツ取引市場事業) についての報告が行われました。要点は以下のとおりです。
- 映像コンテンツを制作プロダクションが主体的に売る手段や場があれば、制作プロダクションの自立と地位向上に寄与できるのではないかと考えている
- 映像の特性や権利情報等を J/Meta に準拠した V/Meta で付与し、データベースを運営して検索と入札等を行う形を検討している
- 取引成立後のコンテンツ本体の受け渡しは当面テープベースを想定しているが、ネットワークやストレージ技術の進化があれば、ネットワーク上での受け渡しも検討する
- 現在は V/Meta 策定への研究の準備状態で、夏ごろから実際に V/Meta 策定への作業に入りたいと考えている
次に、テレコムスタッフの寺島オブザーバから、制作プロダクションの現在の状況を踏まえた上での放送局等への要望が行われました。要点は以下のとおりです。
- 制作プロダクションに著作権の残っているコンテンツの取引市場への登録が前提になっていると理解している
- しかし、制作プロダクションに著作権の残るケースは少ない
- 今後の契約に関して見直しをお願いしたい
- 制作協力というクレジットの元で、著作権が局に帰属して、素材も局に帰属するケースが圧倒的に多いという現状を何とかしたい
- コンテンツ流通の前に、制作者の労働基盤の整備が第一の要件だと考えている
- 制作プロダクション側に発意と責任がある、完パケ納品に関しては、著作権をプロダクション側に渡して欲しい
- 今後作製するコンテンツだけでなく、過去のコンテンツに関しても死蔵されていて制作プロダクション側に権利情報等が残っているものはプロダクション側で権利情報をデータベースに登録していった方が処理が速い
- 過去の契約で窓口権が局に渡っているものも、プロダクション側に窓口権を付託して欲しい
- フジテレビとはある程度交渉が進んでいるが、他の局でも同様の取り組みを行って欲しい
- 現在の検討委員会では制度的な仕組みは検討されずに、民民での契約を前提に議論が進んでいるが、テレビ局向けの電波料が安すぎるという指摘がある
- 一度国に納められた電波料をコンテンツ制作向けの投資としてプールできるような制度ができないだろうか? そういった形での制度的検討も必要ではないだろうか
- 視聴に値する番組が少ないという指摘が多い、民間放送局の偏った編成も見直して欲しい
- ネット権に関しては、賛成できない。テレビ局や映画事業者、レコード事業者、回線事業者といった資本の整った企業にのみネット権を与え、実際の制作者の権利が制限されるのには納得できない
続いて、CPRA の椎名委員から、権利処理円滑化の為に CPRA で現在検討している権利情報データベースについての報告が行われました。以下要点です。
- 利用者は権利処理が CPRA に委任されているか、音事協なのか、個別管理されているかについて事前にチェックを依頼し、判明した委任先から許諾を得て利用を行い、使用料を支払う
- 情報共有の為に CPRA に権利処理を委任している権利者のリストを公開し、実演家名で検索することで委任状況等を表示できるようにしようと考えている
- 当面は CPRA と契約を結んでいる利用者に対するクローズドなサービスとして考えているが、将来的にはオープン化も考えている
最後に、今回の会合には欠席している中村ワーキンググループ主査からの申し送り項目について事務局側、小笠原コンテンツ振興課長から発表されました。要点は以下のとおりです。
- 取引市場データベースとしては制作プロダクション側の作製しているデータベースを軸にして、これらを連結するゲートウェイの形を目指すべき
- 公募トライアル (社団法人デジタル・メディア協会主催) という形で、制作資金を自主調達してコンテンツを作ろうとする制作者の機会を拡大し、受賞作品の放送を含めたマルチユース例から、二次利用効果の検証や、取引情報の公開範囲の検討を行っていく
以上の発表の後で、質疑応答に入りました。最初の発言は家電メーカ側からダビング 10 に関する要望事項でした。最初に発言したのは田胡委員です。内容は以下のとおりです。
- ダビング10の運用開始日が確定しないと、受信機が作れないし、バージョンアップもできない
- 運用開始日をはやく決めて欲しい
中島委員からも同様の趣旨の意見が出されました。内容は以下のとおりです。
- 今まで売った受信機、具体的には 2006 年秋以降に発売した受信機でダビング 10 に対応しようと考えている
- 放送電波でのバージョンアップ (エンジニアリングストリーム) で対応するつもりでいるが、運用開始日にダウンロードを開始するというわけにはいかない
- 電源が入っていない受信機等も考えられるので、運用開始日の 10 日前程度からバージョンアップを始める必要がある
- 実際にはダウンロードを開始する 10 日前程度から、ユーザに告知する必要がある
- ユーザのクレームはメーカだけでなく販売店に来るだろうと考えられるので、ユーザに告知を開始する前に販売店への教育も行わなければならない
- 大混乱が予想されるので、一日でもはやく運用開始日を決定してほしい
- 6 月 2 日に開始するのならば、5 月の連休明けには決定していないと、メーカーとしては対応しきれない
以上の要望を受けて、関委員から以下の回答がありました。
- 放送局側でも、有料方法でコピーワンスに残るチャネル等もあるので、周知に時間が必要なのは変わらない
- はやく決めたいのは放送局側も同じ立場
- ただし期日に関しては、放送事業者だけで決められる問題ではなく、メーカさんと放送事業者の間で一緒になって進めていくことが技術上必要と考えている
- また、進め方に関しては第4次答申そのものが、委員の合意の上で成立しているということから、委員会での説明と委員の皆さんの理解を得て進めるべきだと考えている
- そのために、その説明をする場、理解を得るための場としてフォローアップワーキンググループがあると考えている
- フォローアップワーキング、それから委員会での GO が出た段階で、メーカさんと放送事業者の間で協議して、Dpa で開始日時を決定することになると考えている
次の発言者は高橋委員で、内容は次のとおりでした。
- 中村先生はかねてから民主導とおっしゃっているが、私は時間がかかるのは望ましくないし、時間が経ってからうまくいかないということも困ると主張している立場
- 今後とも引き続き、進捗状況の報告を待ちたい。スピード感が重要だと考えている
- うまく解決しないのであれば、制度的解決もまだ選択肢から完全に消えたわけではないと考えている
次の発言者は長田委員で、内容は次のとおりです。
- 私たちの職場でも、WEB 向けの映像コンテンツを作る機会があり、その際に実際のコンテンツの10倍以上の素材から削って作品にするということを経験した
- 今回うかがった話の中でも、素材の有効活用ということは重要なので、放送局との契約が良い形で決着することを望んでいる
- ここで伺うことではないのかもしれないが、ずっと取引市場の話が続いているが制度的エンフォースメントの進み具合がどうなっているか聞かせてほしい
最後の質問に関しては、村井主査から「アジェンダには入っているのできちんと議論していくつもりでいる」との回答があり、次の発言者の河村委員に移りました。内容は以下のとおりです。
- 中村委員の資料では民民で処理すべきでルールの導入は不要ではないかとの問いかけがあるけれども、優越的な立場の乱用などのフェアではない関係があり民民で解決できないようのならば、それは制度的対策が必要なのではないか
- プライムタイムルールや fin-syn ルールの導入が必要だとまでは思わないが、フジテレビさんがペーパーで出した状態、プロダクションに著作権を与えるべき情況では当然著作権を与えているという状態を保証するような制度が必要なのではないかと考える
- 今まで寺島さんの発表等を聞いていても、ペーパーどおりではないという状況が伺えるので、それを変えるルールが無ければ前へ進むことができないのではないかと考える
次の発言者は椎名委員でした。要点は以下のとおりです。
- CRPA で検討している権利処理データベースと、制作プロダクションで検討しているデータベースが有機的に連携していく形を目指したい
- ネット権に関して、ネットでコンテンツが流れないのは、権利処理が煩雑なのではなく、放送事業者が問題なのでもなく、売り手と買い手の相場観が食い違い、取引が成立していないのが最大の要因となっている
- この検討委員会の議論を知っている方は、ネット権のような筋の悪いアイデアにはコミットしないで欲しい
次の発言者は佐藤委員でした。要点は以下のとおりです。
- データベース構築の実験について、現状の放送コンテンツ取引では相対で取引環境を作るのが主流になっているが、そもそも契約相手を認識していない環境で取引を活発化させていこうとすれば、データベースによるマーケット開発は有効だと考えている
- 今回の取引市場データベースの作り方というのは、制作会社が独自に作っているデータベースをゲートウェイとして結び付けようという形で非常に現実的な形になっていると考えている
- 河村さんのおっしゃっていることが正しいと考えていて、制作会社との間にフェアな取引環境を構築していくのは放送事業者としても重要だと認識している
次の発言者は元橋委員でした。要点は以下のとおりです。
- P2P の利用とメタデータの効率的付与と意欲的なポイントが2点伺えた
- マネージされた P2P ネットワークはコンテンツ配信に有望だと考えているので見習っていきたい
- メタデータに関して、制作時点・取材時点から権利情報や映像特性まで含めて管理していくのは大変な作業だと認識しているので、効率化に注目している
- NHKとして、寺島さんの会社で作っていただいたコンテンツで二次利用も含めてうまくいっているケースもあるので今後の議論についてはそれらも考慮してほしい
次の発言者は岸上委員でした。要点は以下のとおりです。
- 基本的に元橋委員の意見に同意で、メタデータに関して MPEG-7/SMPTE/J-META と関わってきて、技術的には使える形になってきているが、はやくそれがビジネスとして役に立つようになってほしい
- 通信事業者がまったくリスクをとらないわけではなく、NTT グループとして春から NGN を使って IPTV をはじめることができるようになっている
- コンテンツへのリスペクトした上での多様なメディアの提供ができればと考えているので、なるべくはやくブロードバンドでもコンテンツの流通か可能になるように通信事業者として努力していきたい
次の発言者は吉川オブザーバでした。要点は以下のとおりです。
- これまで市場の拡大に寄与するかどうかだけを考えて発言してきたし、海外市場が本当に有望かという視点で評価してきた
- 今回のゲートウェイ構想に関しては、相対取引を補間する形ができるならば、それは歓迎するべきことだと考えている
- 椎名さんのところで検討している許諾権をベースにしたうえでも、迅速に処理できるようなデータベースを整備するということは、非常に有効で、良い方向に進んでいるのではないかと評価している
以上で質疑応答は終了し、事務局側から連休明けのスケジュールとして 5/13 と 5/27 が提示されて、閉会しました。
◇◆◇
てっきり前回の非公開会合で制度的エンフォースメント関連の話があったのかと思ったのですけど、長田委員の発言を見る限りだと、ダビング 10 関連の話があっただけなのかもしれません。
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