仕事関係の調べ物が楽しくて、この WG 関係のアレコレは何もできないままに中間とりまとめ後の会合が始まってしまった。昼一番の会議は傍聴を入れてしまうと他の仕事を入れにくくなってしまうので聞きに行きづらいのだよなと思いつつ、有給を取って傍聴へ行ってきた。16:45 現在、自宅でテープ起こし作業中。
とりあえず、恒例の録音データを置いておく。
非公式議事録の公開が何時になるかは今日どこまで作業が進むか次第だけれども、できれば今週末までには何とかしたいなと思っている。
で中間取りまとめ後の初会合なのだけれども、今日の議題は ISP 規制とアクセスコントロール回避規制以外に権利者団体から出されていた要望についての検討ということで「スリーストライク」「リンク規制」「法定賠償制度」が議題として取り上げられた。どうやら今回と次回でこれらも取り込んで知財推進計画 2010 を策定して発表、権利者団体からの民主党支持率浮揚を目指そうというのが事務局の考えらしい。
まあ、項目を眺めるだけでも異論噴出でまとまりそうにないものが並んでいる。しかしこれまでがこれまでなので、会議開催前に資料 [URI] をざっと眺めた時にはこれらも事務局の腕力でたった二回の会合しか開かずに「導入するのが適当」とかまとめるつもりなのだろうかと怯えてしまった。
実際にはそこまで積極的な方向でのまとめでは無く「そうした要望もあるけど、まだまだ検討が必要だよね」レベルに留まりそうなので安心と言えば安心なのだけど、私が自分の読みたいように資料を誤読している可能性もあるので油断はできない。
つーか今後アクセスコントロール回避規制に関してどうする予定なのかというのが疑問だ。色々と留意事項が上がってたり、大谷委員から第 4 回に「どこが適正値なのかという根本の議論は多分ここでするべきだと思うが、皆、それについて十分に話し合えていないのでは」[URI] とまで言われてるのに、知財推進計画 2010 での「アクセスコントロール回避に対して規制を強化する」の一言だけで後は経産省と文化庁の審議会・研究会に丸投げしてしまうつもりなのだろうか。
今日の会合での土肥座長の発言、例えば「このWGでは方向性を示せれば……」等を聞くに、ひょっとして丸投げするつもりなのかなという疑念が高まっている。文化庁は比較的オープンなので傍聴可能なんだけれども、経産省は基本的に本会議以外は全部非公開なので実際の議論を様子を追えないのが困るんだよなぁ。
テープ起こしの作業が完了したので、第6回の非公式議事録を公開する。[URI]
今回はこれまで踏み込めていなかった「スリーストライク」「リンク規制」「法定賠償制度」等に関しても検討をしていますよというポーズを知財計画 2010 で示すためのアリバイ作りが主目的だったのだろうと邪推している訳なのだけれども。とりあえず今日のところの感想というか、最後の法定賠償制度に関して思ったよしなしごとを。
一応著作権法の第 114 条 3 項に次のような規定がある。
著作権者又は著作隣接権者は、故意又は過失によりその著作権又は著作隣接権を侵害した者に対し、その著作権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる。
例えば JASRAC は個人のホームページへの MIDI 貼り付けに関して、一曲年間 1200 円でライセンスをしている [URI] 訳で、JASRAC 管理曲の MIDI ファイルを個人ホームページに無許諾で貼り付けるというネット上の著作権侵害の形であれば、この規定を利用して一曲あたり 1200 円の損害賠償額があっさりと認められるだろう。
でだ、例えば定額の賠償金 10 万を実現したいのなら、わざわざ制度化をしようなどというロビー活動をしなくても、年間 10 万円で P2P に楽曲をアップロードして良い権利をライセンスすればいいのじゃないかなーと思ったりした。
面倒な政治活動をしなくて済むし、総務省がデジコン委で懸念していたネット上のコンテンツ二次利用が少ないという問題も解消できるし、違法流通のマネタイズもできるしと良いことづくめじゃないかと妄想した。
流石に 10 万の定額だと特にヒット曲とかでメリットがないし、うっかり契約して P2P 合法配信をしようとか考える人が出てこないとも限らないけれども、もう一桁上げればそれだけ払って P2P で上げようという人も出ないだろうし、損害額の認定がサクッと通るしと意外に現実味があるのじゃないかと思うのだが、それでは駄目なのだろうか。