さくらインターネットで借りてたサーバー (確か池袋 NOC だったはず) がデータセンタ移動の影響で 9 月頃に 1 週間程度止まりますよという連絡が届いていたので、連休でまとまった時間が確保できることでもあるし VPS への移転を真面目に進めることにした。
実際のところ VPS 最下位プランの 20G だけでもここ (戯言) とプログラム系だけならば楽勝で賄えるのだけれども、無駄に VPS 4G プラン 1 台と VPS 512M プラン 1 台の 2 台体制でセカンダリネームサーバまで含めて自前で何とかすることにしてみた。それでも旧サーバーの場合よりも月額料金が半分に減ってくれるのがありがたい。
4G 環境 (HDD 120G) をプライマリ DNS / WEB / FTP にして、512M (HDD 20G) 環境をセカンダリ DNS / MAIL という割り当てにして久しぶりの linux に戸惑いつつあれこれとインストール&設定。とりあえず BitTorrent 系ツールを除いてほぼ旧環境と同等の状態に到達。現在 marumo.ne.jp は新環境で動作してる。
今回のインストールおよび設定中に思ったよしなしごとを。
覚えてる限りではこんな感じ。2日ぐらいで済むかと思ってたけど連休が半分潰れてしまった。
今回の鯖移転に伴い、メール取得は dovecot を利用して POP3 over SSL/TLS 環境に移行したわけなのだけど、オレオレ証明書の問題が魚の小骨のように気になっていた。実際のところ正規の認証局から SSL 証明書を取得する場合どんなものなのかなと調べ始めた結果……あまりの内外価格差に絶望してついうっかり GoDaddy [URI] で Standard SSL の ワイルドカード 証明書を購入してしまった。
結果、商売をする気もないのに証明書警告なしに https アクセス [URI] まで可能になってしまった。今回の出費は年額で $199.99。カード決済時の JPY/USD 次第ではあるものの、2 万円以下で *.marumo.ne.jp の SSL 証明書が入手できることが判った。シングルドメインでも構わなければ $49.99 から入手可能らしい。
……上の https アクセスを試してもらえば判るように、Starfield Technologies, Inc が認証局となっている訳なのだが、同じ Starfield Technologies, Inc のスタンダード SSL / ワイルドカードを日本国内正規代理店の JCert から購入した場合だと……どうしてこうなるのだろう?
……そうか、ワイルドカード SSL 証明書が 57,750 円か……シングルドメインでも 10,000 円か……。何で一次窓口が日本になっただけで 2 倍〜 3 倍の値段になるのだか謎で仕方がない。
なお、最大手の Verisign に関しては日本法人ではワイルドカード SSL 証明書の提供がなかったので今回は検討対象にすらならなかった。GMO GlobalSign も一応検討したものの、シングルドメイン 3.6 万 / ワイルドカードオプション 訳 7 万という価格設定だったので脱落。代理店経由で申し込めば半額近くになるというあたりで……まともな商売ではないように思えてくる。
当然ながらワイルドカード SSL 証明書を取得したので、POP3/SSL の問題も同じ証明書を使って解決済み。whois の技術担当者メールアドレスに到達可能なメールアドレスが設定されていれば申し込みから一日かからずに証明書が入手できるので、アドレスバーを緑色にしたいとか、古い携帯でも使いたいといった事情がない限りは GoDaddy で十分なんじゃなかろーか。
昨日で終了してるイベントですが、今年の NHK 技研公開 [URI] は 85 インチ 8Kx4K 液晶の展示やインテグラル立体テレビの解像度改善等面白そうな展示が多そうだったので 27 日 (金) の午前中と 29 日 (日) の二日に分けて眺めてきたので、面白かった展示や個人的に気になって説明員の方に突っ込んだ質問をしてみたところ等を紹介してみます。
まず残念だった点から。そろそろ HEVC (H.265) 関連の展示が一つぐらい出てくるかなと期待していたのですが、CODEC 系の展示は展示番号 26 番の「超解像を利用した画像復元符号化」[URI] だけで昨年まであった H.264 でストリーム分割して圧縮系の展示すらなかったのが残念でした。展示番号 4 で掲示されていたロードマップ (下の写真 1〜3) では 2015 年を目途にフル解像コーデック (多分 HEVC を使うのだろう) の実現を目指してるらしいので H.264/AVC 系の展示はもう出てくることは無いのかなと予想してます。
目玉展示であっただろう 85 インチ 8Kx4K 液晶ですが、スペック自体は下の写真 4 の通りで、インタフェースは HDMI x 16 本だそうです。このパネルは 60p なので HDMI 16 本ですが、NHK が目指してるスーパーハイビジョンの仕様は 120p だそうですので同様に HDMI ケーブルだけで解決すると 32 本必要になるのかなぁという辺りで、家庭に入れる場合パネルサイズよりもこの辺がネックになりそうに思えます。
隣の展示番号 6 [URI] では単板式カメラの展示で写真 5 のようにカメラヘッドとコントロールユニット間を光のケーブル 1 本で繋いでるということだったので、説明員の方に「SHV のインタフェースとして光のケーブルの規格策定を進めてたりするのでしょうか」と質問したものの「とりあえずアリモノで実現してみただけで規格化とかは考えてない」との回答でした。総務省では「通信・放送の融合・連携環境における標準化政策に関する検討委員会」[URI] とか「情報通信分野における標準化政策検討委員会」[URI] で頑張ってるのに現場とは温度差があるのかなと思いました。
地下の展示で興味を引いたのは、11番「インテグラル立体テレビ」[URI]、13 番「視覚障害者向けデジタル放送受信機」[URI]、16 番「次世代CAS技術」[URI] の 3 つです。
まず、インテグラル立体テレビは一昨年と比較すると何が映ってるのか判るようになってたのが新しいところです。着実に進歩しているようなので裸眼 3D の未来の為に頑張ってほしいと思ってます。視差バリア方式はスイートスポットが限られ過ぎてて Nintendo 3DS のような手持ちデバイス以外では辛いなぁと実感してるので。
視覚障害者向けデジタル放送受信機の展示では、BML を一次元に展開して上下方向のインタフェースでナビゲーションできるようにしたり、テキストを点字に変換して提示したりといった機械を試させてもらいました。折角の機会なので説明員の方に「何故 NHK だけ『一』や『木』といったコードのある漢字もビットマップで送ってくるのでしょう」と質問してみたところ「外字は仕方がないにしてもコードがある文字はコードで送って欲しいのですけどねぇ」としみじみと苦労の伺える回答が。導入してる送出 & 制作機材の事情があるんだろうなぁと伺えはするものの「中からも声を上げて改善をはかってくださいよ」とお願いして説明にお礼を言い展示スペースを離れました。
さて、ここを見に来る方が一番気になるだろう 16 番の「次世代 CAS 技術」に移ります。現在は B-CAS カードで実現されてる仕組みをソフトウェアで実装し、さらに鍵更新に留まらず CAS のプログラム自体も放送波や通信で更新できるようにすることでセキュリティや多彩なビジネスモデルに対応できるようにしようという展示内容 (写真 6 : 29 日はデジカメを忘れて携帯電話のカメラになってしまったので画質が大分落ちてます) で、EMM の暗号方式を AES 128bit から AES 256bit に更新してみますよーというような内容のデモでした。
最初に「3 月に STD-B25 の改定が行われたけれど、この展示はそれなのか、それともその次なのか」と質問したところ「その次にあたる技術です」との回答がいただけました。
引き続き「B-CAS では WOWOW などの有料放送で、テレビを買い替えた場合カードの差し替えだけで済んだけれども、テレビの中に組み込まれるこちらの技術ではどうなるのか」と質問したところ「その場合は、ネットなどで手続きをして新しいテレビに契約情報を送ってもらいます」「B-CAS カードを抜き差ししづらい機械もあるのでインターネットも発達した事だし利便性が向上します」との苦しい説明でした。
さらに突っ込んで「セキュリティの向上を目指してとのことだが、Kw と Km に関連する強度はあがるだろうけれども、現行の Ks と MULTI2 はどーするのか? 『いわゆる不正機器』はそこを突いてるようだけど」と訊ねてみたところ、「Ks と MULTI2 は変えられない」「テレビを作り易くするために現行仕様になった」「不正機器の問題は解決しないが、対策してるという姿勢を見せることが重要」という非常にぶっちゃけた回答が。
本当は「ビデオストリームの TS パケットって先頭 64 bit がほぼ固定されてるけど、その平文を Time Memory Tradeoff 攻撃された場合どーするの?」[URI] まで質問してみたかったのだけども、説明員の方が他のお客様向けの説明を始めてしまったので質問を断念しました。
16 番の展示では、質問の回答を聞きながら WOWOW とかの有料放送事業者がこの仕組みに乗るかどうか微妙だなぁ (ユーザの利便性とか中古売却されたテレビの中の契約情報はどうなるのだろうとか) と思いつつも、第二 B-CAS (社団法人 RMP 管理機構)に引き続き、第三 B-CAS の設立まで視野に入ってるようで将来は安泰ですねと大変愉快な気持ちになりました。
と、このように NHK の技研公開は NHK の現役技術者に直接質問できたりするため、放送とか映像技術に興味のある方にはかなり楽しめる場だったりします。今年は 8Kx4K 液晶が多くのメディアで取り上げられた為か 27 日 (金) の午前中も平日でありながらかなりの混雑でしたが、日曜は台風2号の影響かさほど混んでいなかったのである程度落ち着いて見ることができました。
来年はいくらなんでも HEVC の展示があるだろうと思うので、忘れずに行くようにしたいなと考えてます。
何となく Android SDK&NDK で遊んだら楽しいかもという気になってきたので、IC カード機能も追加されてきたことだしと携帯を SH-12C に機種変更した。購入したのは 26日(木) でこれまで使っていたのは 3年半前に購入した SO905i。
以下、購入して良かった点。
以下、不満点。
携帯電話に期待してる最大の機能が音楽再生なので、1〜4 番目の問題での不満度がかなり高い。特に最初の問題は再生を一時停止してバックグラウンドに回すと、次にフォアグラウンドに戻すだけでも全曲リストに戻ってしまうのでストレスがたまる。
1〜3 番目の問題については別のプレイヤーを探すか書くかすれば解決するだろうとという期待が持てるものの、4 番目の問題は HW 起因も疑われるため、ひょっとしたら改善しないかもしれないのが悲しい。
5 番目の MicroSD アクセス時に不安定になる件については、NicoRo での動画キャッシュ作成時に端末フリーズという形で体験したり、PC 接続時に SD へのデータ書き込みに失敗したりという形で体験。端末フリーズに関しては電池パックを取り外す以外の解決策がないのも不満点。
6 番目の無線 LAN アクセスポイントの問題は、ANY 接続を拒否する (SSID のブロードキャストをしない) 設定にしている場合、最初に登録した SSID への接続はしてくれるものの、2 件目以降の SSID への接続を試みてくれないという問題。アクセスポイント側で ANY 接続を許可 (SSID をブロードキャストする) か SSID を統一するかすれば回避は可能なものの、職場と自宅で SSID が変わる場合とか PocketWi とかで SSID を変えたい場合には回避不能なので何とかしてほしいところ。
7 番目の無駄警告に関しては、仕様だと言われれば納得するものの、MicroSD の交換するたびにユーザに本来不要な「ボタンを押してダイアログを消す」という操作を強制するのはどーなのだろうと思う。
うーん 3 年後には 1280x720 の 4〜5インチ液晶が一般的になってるだろうからそれまでは 960x540 のこれで凌ぐかと思って購入した訳なのだが……ちと早まったかなぁと微妙に後悔している。まあ SDK&NDK とかで遊んでみて、それでも解決できなければ本格的に嘆くことにしよう。
ここからは余談だけど、最近一部で話題の「犯罪の国際化 <中略> 刑法等の一部を改正する法律案」が今国会で可決成立した場合、SHARP さんは刑法 第168条の二の1項一号を作成・提供したことになってしまうのかなぁというのが懸念点ですな。当該条文案は以下の通りと。
第十九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪
(不正指令電磁的記録作成等)
第百六十八条の二 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
二 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2 前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3 前項の罪の未遂は、罰する。