Marumo ISDB Splitter ver. 0.2.20a を公開しました。ダウンロードは [URI] からどうぞ。今回の更新内容は次の通りです。
暫くぶりの更新ですが、2ch DTV板 TS 関連ソフト総合スレッド Part12 の 847-855 で要望の出ていた Qonoha の区間リピート再生で問題が出ないように、シークの取り扱い方を変更してみました。
これまではシーク時に見つけた I ピクチャに合わせたタイムスタンプをシーク成功位置としてアプリケーションに返して、シーク後の再生ではサンプルのタイムスタンプが 0 以上となるようにしていたのですが、今回からシークは必ず成功したこととして、指定時間よりも前のサンプルに関しては負のタイムスタンプを付けて下流フィルタに渡すように変更しました。
どうも他のソース公開スプリッタフィルタの挙動等を見る限りでは、そちらの方が DirectShow フィルタとして一般的な挙動のようなので、シーク時の挙動をそちらに揃えてみた結果、Qonoha の区間リピート再生での問題が解消したというのが正直なところです。
一応手元では軽くテストしていますが、ひょっとしたらバグを見落としている可能性もあるので、このバージョンは人柱向けという扱いにしておきます。何か問題があったら旧バージョン [ver. 0.2.19] に戻してバグレポートを送っていただけると助かります。
12/29 追記。ver. 0.2.20 に酷過ぎるバグがあったため、アーカイブへのリンクを ver. 0.2.20a に対するものに差し替えています。ver. 0.2.20a では AX ファイルのバージョンリソースを ver. 0.2.20.1 に更新していますので、手元のバージョンが ver. 0.2.20.0 の方は再ダウンロードをお願いします。
酷過ぎるバグの内容ですが、ver. 0.2.20 はファイル全体を際限なくバッファしようとしてメモリを食いつぶしていました。32bit OS 環境ではすぐ落ちて使い物にならない状況だったと思います。
言い訳にもなりませんが、手元環境が 64bit OS で日ごろ再生しているファイルが 2〜5G 程度のものだったため気付いていませんでした。申し訳ありません。2ch DTV 板 TS関連ソフト総合スレで症状報告をしてくれた皆様、ありがとうございます。
Marumo ISDB Splitter ver. 0.2.21 を公開しました。ダウンロードは [URI] からどうぞ。今回の更新内容は次の通りです。
昨晩 (ver.0.2.20a) の修正点以外にも未発火の問題が ver. 0.2.20 には存在していたので、その修正版になります。2ch DTV 板 / TS 関連ソフト総合スレ Part12 でも報告をいただいているように、シーク後に再生が停止(プレイヤー上では現在位置が更新されていくが、一切絵が更新されず、音も出ない)してしまうことがあるというバグが入ってしまっていました。
同スレッドの 930 で報告をいただいている MPC-HC の一時停止中のシーク問題については手元ではちょと再現ができなかったのですが、症状および 0.2.20 では発生せずに 0.2.20a でのみ発生との条件から今回の修正点と同様の原因で発生していた問題ではないかと想定しています。このバージョンでも同様の症状が発症する場合は報告をいただければ再調査する予定でいます。
iShares が東証に上場している「iシェアーズ 先進国株式ETF (MSCI コクサイ) (1581)」[URI] の先週末 12/27 時点での基準価額と市場取引価格の乖離率が面白いことになっているのでその紹介記事です。資産運用・株式投機に興味がない人にとっては退屈な話になるかもしれません。
まず、問題の ETF の乖離率の過去一ヶ月間の推移を示したグラフを上に示します。この ETF は NY に上場しているティッカーシンボル TOK [URI] を JDR という仕組みを利用して東証にも上場したもので、規模の大きさや運用コストの低さなどから人気があり、実際の資産価値と市場取引価格の差異を示す乖離率の数字は概ねプラス側で推移している銘柄だったのですが……、先週木曜日 12/26 から乖離率が急上昇を始め、12/27 の終値では乖離率 9.38% と 10% に迫るほどとなっています。
次に、東証上場の同種の ETF (MSCIコクサイ指数に連動することを目標としているインデックスETF) の 12/27 東証終値での基準価額と取引価格の乖離を比較してみたグラフを上に示します。東京証券取引所に上場されている MSCIコクサイ指数との連動を目指す ETF は他に三菱UFJ投資信託の運営している「MAXIS 海外株式 (MSCIコクサイ) 上場投信 (1550)」[URI] と日興アセットマネジメントの運営している「上場MSCIコクサイ株 (1680)」[URI] の二つがありますが、それらはここまで極端な乖離率の上昇を示してはいないようです。
ここで少し解説です。投資信託というものは顧客からお金を集めて株式等の有価証券等を共同購入することで少額からの分散投資を可能にするものです。投資信託が保有する有価証券等の資産の合計を全顧客の投資した口数で割ったものを基準価額と呼び、基本的に投資信託の値段は基準価額と同じになります。
しかし ETF のように取引所に上場されている投資信託の場合、基準価額での投資信託購入は通常できず、取引所で「この値段ならば売っても良い」という人と「この値段ならば買っても良い」という人が折り合った値段で売買が行われます。こちらを取引価格と呼びます。
取引価格と基準価額の間の差を比率で表したものが乖離率で、取引価格が基準価額を上回っていれば正の数字で、取引価格が基準価額を下回っていれば負の数字で示されます。取引価格は基準価額と一致しないものとは言え、基準価額からかけ離れた値段では売りたいと思う人も買いたいと思う人も減っていくので、出来高の多い ETF であれば乖離率は±2%ぐらいに収まって、取引価格は基準価額に連動することになります。
一般の企業の株式であれば収益や売上、景気状況と色々な要因があるので一株あたり純資産と株価の比率 (PBR) だけで評価することはできないのですが、ETF であれば中身の有価証券は同一指数への連動を目指す以上大体似通った構成にならざるを得ないので基準価額と取引価格の乖離率を見て割安・割高を判断することが可能です。
つまるところ、何が言いたいかというと……
「iシェアーズ 先進国株式ETF (1581)」は現在異常なまでに割高になっている。「MAXIS 海外株式 (1550)」と比較するとその差は 7% 以上にも及ぶ。サヤ取りの好機である。
ということが言いたかったのです。「iシェアーズ先進国株式ETF」は貸借銘柄で信用売りが可能ですので、信用口座を保有している方にとってはサヤ取りの機会が転がっている訳です。
「iシェアーズ先進国株式ETF」を空売りし、信用売玉の建値に釣り合う額だけ「MAXIS 海外株式」を購入する等しておけば、この乖離率の差が将来解消された時に利益を得ることができます。
しかし、誰がこんなスンゴイ高値で買ってるのでしょうね。受け渡し日が翌年の2014年になる26日から上昇を開始していることから、NISA で新規口座開設された方々が乖離率とかマーケットインパクトを気にせず「国際分散投資・インデックス運用・低コストETF」と教え込まれて買い進んでるのかなと邪推していますが……
個人的には、MSCIコクサイ指数連動の投資信託なら ETF じゃない普通の投資信託の三井住友トラストアセットマネジメントの「外国株式インデックスe」[URI] の方が投資効率が良いのじゃないかなと思っているところだったりします。分配金の問題(特に二重課税)と乖離率さえなければ「iシェアーズ先進国株式ETF」は最強なんですけどねー。
1/5 追記。結果報告です。12/30 の終値で「iシェアーズ 先進国株式ETF (MSCI コクサイ) (1581)」の乖離率は 0.61% まで縮小してある程度スプレッドは解消されてしまいました。私もこの数日の値動きから少しばかり稼がせていただきましたが、意外に乖離が解消されるまでの期間は短いのだなというのが正直な感想です。
ただし、乖離が最終的に解消されるまではかなり派手な値動きがありまして……当日の日中チャートで確認できますが、前場で乖離率 21.68% となる 6700円を記録し 6400円で引けてから、後場に入って20分とたたない内に 5600円まで下落という姿を見ると相場って怖いなと思います。
さて、結果だけ見るとサヤ取りで儲けて良かったねという話なのですが、後から調べてみると 12/29 から 1581 の信用売りでは逆日歩 (品貸料) が発生していたらしく、12/30 に救出されなかった場合、逆日歩が原因で損失に転落ということもあり得たのかと気付いて少し慌てました。
言うまでもないことだとは思いますが、「投機は自己責任でね」を新年相場でも忘れないようにお願いします。