日々の戯言
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6月2日(火) デジコン委 (第53回) 感想あれこれ [この記事]
間に一度、直接は関係しないネタが入りましたが、デジコン委の感想を片づけていきます。傍聴レポートを参照する場合は [URI] からどうぞ。
今回、各委員の発言を聞きながら、つくづく「ストックホルムシンドローム」とかの単語が頭の中をめぐって已みませんでした。元はそれなりに頭が良かった人達だろうに、あんなところで長年無駄な議論を続けたばかりに「コピー制御は正義」を疑うことができなくなってしまったのでしょうね。哀れだと思います。
何よりも致命的なのが「不知彼不知己」なあたりです。傍聴レポートを載せた際に触れた堀委員の著作権法に関する無理解を露わにしてる発言とか、田胡委員の「CPRMは破られていない」発言とか。それぞれの専門分野であるはずのところに関して知識の無さを露わにしてる部分が特にイタイと思います。
例えばアメリカは 75 年も前に「高貴な実験」(合衆国憲法修正第18条およびボルステッド法) で約 14 年間を無駄にした結果、国民の大半が守る必要性を認めていない規制は無意味ばかりか有害だという教訓を得ています。日本でもそれを実感して納得するまでに同程度の時間がかかるとすると、後 8 年は待たなければいけないのかもしれません。歴史に学ぶことで、無駄にする時間を減らす程度の知恵をデジコン委の委員の方々には持っていてほしかったのですが、そうした広い視野を持つことを期待するのは、彼らを買いかぶりすぎていたのかもしれません。
◇◆◇
個別意見の感想に入ります。とりあえず河村委員から。これは今回の発言に限らず、これまでの発言を通しての感想という面も含みます。
時々はいいことを言う人なんですけどね。これで陰謀論ビリーバーすれすれの発言をしなければ、もっと発言に説得力が出てくるのに、つくづく惜しいなぁと思っています。
あと、まだ地デジ化していない人に、コピー制御の使いづらさを実感として理解してほしいというのも無理な話ではあるのですが、B-CAS だけが問題であると主張するのは、消費者団体代表としての仕事を半分ぐらいしか果たしてないんじゃないかなと思います。
というのは、消費者側から見た時に、実際に消費者が不満に感じていることをきちんと委員会の場で主張できていないからというのが一点と、もうひとつ、消費者の実際の不満が委員会の場できちんと議論されない結果、消費者が審議会から出てきた中間答申とかをまったく尊重しようという気になれないからという二点でです。消費者団体の代表としても、検討委員会の委員としても、二重に不誠実な態度なんじゃなかろーかなと思います。
基本的にはきちんと仕事をこなそうと努力はしている方だとの評価はしているのですが、消費者の不満をきちんとすくいあげて代弁できていないところが残念です。まあ「コピー制御が必要である」という第四次中間答申の結論に参加してた委員として、正面からコピー制御を否定しにくいという事情はあるのでしょうけども。
◇◆◇
次に、藤沢委員の発言の、特に「取りまとめの特徴として、出来る限りユーザの利便性を損なわないように」という部分に関して。
有料放送 (WOWOW / NHK衛星視聴契約) を契約済みで、ほぼ 100% 録画視聴のみ、メディアへの書き出しはせずに、レコーダから PC へ LAN 経由で転送&視聴という使い方の、非常にかたよったユーザではありますが、そうしたユーザの一つの実感として書きます。アナログ放送と比較しての利便性はコピーワンスに起因して -100 に低下しました。ダビング10 でも利便性の向上は 0 ですので、-100 のままです。ソフト CAS 等で B-CAS がなくなったとしても、利便性の向上は 0 で -100 のままです。
この利便性低下は、コピー制御によって、レコーダで録画してから PC へ LAN で転送という手段を断ち切られてしまっているためです。唯一、無反応器を使った録画サーバの自作によってのみ、利便性はアナログ放送と同等の水準にまで回復しました。より公平に言うならば、それに加えて EIT を参照した時間変更追従によって +10 程度、利便性は向上しています。
こうした実感からすると「できるかぎりユーザの利便性を損なわないように」というのは信じてもいないお題目を唱えているようにしか聞こえてこないと、指摘させてもらいます。
◇◆◇
で、三尾委員の発言に関してです。「地デジが始まる前の段階で設備・制度が整っていないと……」という発言を聞きながら、ひょっとしたら彼女だけ、地デジが放送開始されていない時空に暮らしているのだろうかと、ありえない疑念を抱いてしまいましたが、これは私が考え過ぎているだけか、彼女が言葉の選択をすこし間違えただけだと思いたいです。(完全に現状認識を間違えて議論に参加しているという可能性は恐ろしすぎます)
この辺のズレた発言に関しては、直近一年間の議事録を受け取っていない (どうやら議事録は公開されてない訳ではなく、そもそも議事録ができてないので委員にすら配布されていないらしい) 辺りにも原因があるのだろうなと同情はしているのですが、アナログ時代は合法であった無料広告放送の家庭内録画を積極的に妨害して不便にすべきと主張するのはどうなのかなと。
まあ、ストレートに「ネット配信を推進するために、無料広告放送の利便性を下げたままにしよう、利便性を向上しようというユーザ側努力を打ち砕いていこう」と主張されたのだと解釈することにしておきます。そういう立場もあっていいだろうとは思うのですが、いつ実現されるかも判らない全番組視聴可能なオンデマンドサービスの為に、既に存在している全局録画サーバを諦めろと言われると、私の答えは「否」になります。
会議終了後に隣の座席に座っていた河村委員と話し込んでおられたようで、第一特別会議室から退出する際に、三尾委員が「(そうしなければ) 私的複製自体が無くなってしまう」と熱心に訴えているのが聞こえてきたりもしていたのですが……技術で制約されて私的複製ができないのと、法で制約されて私的複製ができないのと、消費者の実態として何か違いがあるのか疑問です。ウンコ味のカレーとカレー味のウンコで、ウンコ味のカレーの方が素晴らしいと力説される方を眺めた気分になって、かなりアレな気分でした。
◇◆◇
最後に元橋オブザーバの発言に関して。ロジックが破綻してない発言をされる方なのと、自己の所属している組織の利益一辺倒な主張ではなく、相手の主張をくみ取ってその上で発言をしようとされている方なので、個人的にはかなり高く評価しています。同程度に高く評価してるのは中村主査代理と、利害の対立する方ではありますが椎名委員ぐらいでしょうか。
が、今回の発言はあまりいただけませんでした。これは私がダビング10を一切評価してないという影響も大きいのだと思うのですが「ダビング10に賛同した以上、そこから外れるものにいかなる制限が加えられようと、甘んじるべき」という主張は、将来の議論に禍根を残しそうな気がします。
これまでの河村委員の発言を見る限りでは、一足飛びに理想の状態を目指すのではなく、すこしずつ、他の利害関係者も妥協できる範囲内で、地デジを少しでも良いものにしていこうというスタンスで議論に参加していると私は解釈しています。
ダビング10に関しても、不十分ではあるが、現段階での途中経過として、将来的に見直しの可能性があるものとして賛同するという意見だったと理解していますし、その趣旨は中間答申にも明文化された形で盛り込まれているはずです。
で、そうした方に対して「ダビング10に賛成した以上、それ以上緩和しようとするな」と言ってしまうのは評価できません。直接そうは言っていないにしても、実質的にそういうことですから。
この後、ソフト CAS を盛り込んだ第六次中間答申出す際に、そんなものは理想の状態じゃないといって消費者団体代表委員が全員そろって反対を始めたら (まあそんなことはしないでしょうけど) ……放送局の設備改修をせずに済んでかえって嬉しかったりするんですかね?
村井主査の最後のフォローは、そうした可能性を避けるためも含まれているのだろうと、私はそう解釈してます。
6月18日(木) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第54回) [この記事]
火曜日 (16日) に開催された、第54回の傍聴レポートです。今回は何とか 2 日遅れまでで公開できました。今回は取引市場関連の中間答申骨子案の説明という内容で、議事自体は次の流れで進みました。
- 村井主査 (慶応義塾大学) からの開会の挨拶
- 小笠原課長 (総務省 コンテンツ振興課) からの配布資料確認 & 骨子案説明 & 関連補正予算案の執行方針説明
- 以上を受けての意見交換
- 意見交換を受けての村井主査からのまとめ
- 小笠原課長からの、次回以降のスケジュール説明
- 村井主査からの閉会の挨拶
いつものように、定型文部分の開会の挨拶と配布資料確認部分は省略して議事を追っていきます。小笠原課長からの骨子案&補正予算執行方針の説明は次のような内容でした。
- まず資料1の3ページを見てほしい
- 今回の中間答申とりまとめにあたって、その骨格を示している
- まず、検討の目的は変わっていない
- コンテンツが我が国の経済を牽引する戦略産業で、特に放送コンテンツは映像コンテンツの太宗を占めている
- 従って、その創作の強化、その円滑な取引の促進、それに基づく市場の拡大が必要である
- そのためには、何をどうしたら良いかということを検討して頂いているという次第である
- それから、前回の答申までということに関して
- 前回の答申では、まず、放送コンテンツの市場拡大・取引促進について民間主導によって様々な試行錯誤と創意工夫を積み重ねていき、それによって取引促進を進めるということで、いくつか具体的な御提言を頂いていた
- 前回の答申において、民間主導での取り組みと、それから制度での措置と、両面からの具体的な検証をやって頂いた結果、民間主導による様々な取り組みを見守り、その必要に応じて今後の取り組みを考えていくということになっていた
- 今回の答申は、その後一年間議論を頂いて、民間主導の取り組みがどのように進んでいるかということについて検証をすると
- 民間主導での取り組みが進んでいることと並行しながらも、制作面・流通面、様々な環境変化がこの一年間、特に去年の10月以降に発生している
- そういったことについて、評価検討を加えて、そういった議論を踏まえて、目標の実現に向けて当面何を先にやっていけば良いかということを提言させて頂く
- ブレークダウンして、では何を現状として検証したかということについて、下のローマ数字のIに書いてあるように、それぞれの主体の方々の取り組みについて、それぞれの動きを検証させて頂いた
- 放送事業者・番組製作会社・権利者団体、そして、そういった取り組みについて様々な提言をされた関連団体、そしてまた、こういった主体を取り巻く制作環境の変化を現状ということで検証させて頂いたということが、ローマ数字のIに書いてある
- 次に、そういった主体の取り組みについて、まずは放送コンテンツに関る権利処理の円滑化と言う観点から見た時に、どう評価するか
- それから放送コンテンツの制作について、前回の答申でもいくつか課題として指摘を受けていたが、現在の主体の取り組みはどのように進んでいるか
- そういったことを記載していった後に、では提言として、平成21年度の第一次補正予算案ということを踏まえて、今後何をやるべきか、それを提言として取りまとめる案となっている
- それぞれ、現状の検証から説明していくので、5ページを開いてほしい
- 時間が限られているので、基本的には上の箱の中を紹介していく形にしたいと思う
- まず、放送事業者の方々について
- 二次利用・取引促進と言うことで見ると、放送コンテンツのネット配信ということで動きがあった
- 従来、ゴールデンタイム等、プレミアム価値が高いコンテンツが流れていないのではないかという指摘があったと思う
- いくつかの局で、ゴールデンタイム時期の番組を配信すると言う積極的な取り組みが開始されている
- また、見逃し視聴サービスとして、NHK オンデマンドが2008年12月から開始されている
- それから海外展開についても「国際ドラマフェスティバル」という言葉が入っているように、積極的に海外展開への取り組みが進められているのは、記載の通りである
- それから 7 ページを見て頂きたい
- 放送事業者と共同で番組制作に取り組まれている方々が二次利用の促進について、どのように取り組まれているかについて
- まず、AMD でのマルチユーストライアル、これは下に応募作品数等を書いてあるように、去年は52作品、今年は少し応募時期が遅れているものの、6月に入って 17 作品の応募と、それぞれマルチユーストライアルについて積極的に取り組んで頂いている
- 昨年、平成19年度のものについては、実際放送までこぎつけつつある、あるいはこぎつけたものが、7 ページの表にあるようにいくつか実績として出てきている
- 引き続き 8 ページを見て頂きたい
- 番組に関する情報を一つところに集積して、取引を希望する人達に公開していこうという取り組みも、番組制作者の方々の間では積極的に進められている
- まず左に書いてあるように、クリエイターズ・プラスという会社で取り組まれている例として、EIZO創庫という名の番組に関する情報データベースを作成されている
- また昨年、平年度予算で取引市場の為のデータベース構築についても、制作会社の方々と権利者団体の方々に協力を頂いて、実証実験でモデルの構築に制作会社の積極的な協力を頂いた
- 次に 9 ページを見て頂きたい
- 4 月に報道されていて、6 月に設立が予定されていて、業務開始は来年 4 月からと伺っているが、映像コンテンツについて実演家の団体の方々が協力されて映像コンテンツ権利処理機構という権利処理窓口の一本化と不明権利者の探索の為の組織の設立が公表された
- 今までは、それぞれの団体毎にやっていたものを、手続きとして一本化して許諾申請の簡素化を図る
- また今般の文化庁さんの努力で成立した改正著作権法での不明権利者の探索の位置づけを活用して、不明権利者によって放送コンテンツが使われ難いという手続き上のネックを解消していく
- そうした取り組みをやっていくということで、懸案であった映像コンテンツの権利処理円滑化に向けて大きく一歩を踏み出す動きが出てきたということである
- それから音楽の分野においても、著作権情報集中処理機構という団体が本年度設立され、趣旨として下に書いてある通り、複数あった著作権の管理団体がこれも窓口として一本化し統一されたデータベースを作り、音楽の許諾処理の手続きについて集約化、集中管理・円滑化を図る取り組みが進められている
- 以上、放送事業者、番組制作者、それから権利者団体といった、プレイヤーの取り組みをご紹介してきた
- そういったことを踏まえて有識者の方々から、色々な提言が出されている
- 10 ページに、それぞれこの場に来て頂いた団体の主張を並べている
- いわゆるコンテンツ流通をさらに促進する観点から、以上のような民間での取り組みでは不十分であり、やはり制度で補うべきところがあるのではないかという提言が行われている
- 左側にデジタル・コンテンツ利用促進協議会からの、この委員会に来て頂いた時の主張を集約している
- 一番根っことなっているのは、やはり、デジタル・ネットワーク化に対応した世界最先端のコンテンツ大国を実現するという観点からは、対象となる、デジタルコンテンツに係る権利の集中を、制度によって行う必要があるのではないか、そうした提言・主張が出されている
- ただし、この青の所にある通り、制作者の許諾をいかな意味においても制度によって強制するべきではないと、そういった主張も一方ではあった
- 今申し上げたような、放送事業者・制作者・権利者団体、そういったことの取り組みについて、制度面での提言と言うことが複数の団体から行われており、この場でも2・3度議論頂いた
- 次に、11 ページを見て頂きたい
- ここまではコンテンツ流通に係る様々なポジションの方々が、どんな活動をしてきたかということ申し上げてきた訳だが
- 流通の根っことなる制作の現場において、昨年の10月以降、、かなり大きな環境変化が起きている
- ここでも何度か指摘があったたとおり、放送コンテンツの制作にあたっては放送事業者ももちろんながら、かなりの部分で外部の制作会社の方との協力が多いということを、この場で何度も指摘して頂いている
- この制作会社の規模は、3000万以下とここに書いてあるように、やはりかなり中・小規模の方が多いという事実がある
- 昨年来の制作環境の変化に応じて、例えば一番の掻き入れ時である11月12月というところを取っても、右側の棒グラフを見て頂くと、やはり一割ぐらい2007年・2008年を比べると落ちている
- この傾向が留まるということが、今の所は先が見えていないと伺っている
- また、アニメということで一部を取り出して見ても、テレビの発注が減っているというところが傾向として見られる訳で全般的に制作費削減という傾向が続いていて、特に年末・年始の掻き入れ時についてもその傾向が顕著に見えてきた
- 前々から広告費の減少ということが言われてきた通り、制作に投じられる資金の減少が、制作力を非常に弱体化させている、それが昨年とは違って顕著になってきたのだと思う
- 12 ページ以下、それぞれの立場の取り組みに対してどのように意見交換が行われてきたのかということについて、簡単に説明する
- 以上のようなコンテンツ流通に関する取り組みについて、さらに制度を入れて促進する必要があるのではということについて
- 今紹介したように、スピード感ということを考えれば、制度によって円滑化をさらに促進する為の権利の集約化を行うべきだという指摘があった
- しかし、やはり本質は、制度云々ではなく、コンテンツホルダーに権利を集中してネット流通が振興するということではない
- 本質的・内在的にネットの収益の悪さが問題であって、そこを解決する努力なしに、如何に権利の集中をやったとしても、十分な効果を上げることはないのではないか
- 権利を弄るということは、実演家にとって露出コントロールという根源的な権利を触るということであって、かえってインセンティブを低下させるということになるという意見があった
- 一方で、権利処理円滑化の具体策でどういうことをやっていけば良いのか、やはり権利者団体、あるいは権利処理に関わる方々が取引市場の形成に向けてどうすれば良いのか、新しい構想を打ち出すべき時期に来ているのではないかという指摘もあった
- それに対して、そういう対応を受けてということだけでは無いと思うが、映像コンテンツ権利処理機構という、権利処理の窓口の一本化ということに向けた組織の設立がこの場でも説明された
- 次に 13 ページ
- 制作取引についてもいくつか、いわゆる AMD さんのトライアルということについて、いくつか意見を頂いている
- トライアルについても、積極的な評価、また若干問題点を指摘する評価もあるところで
- 例えば番組制作者にとって、新しいコンテンツとクリエイター、ゼネラルプロデューサ、そういう人材育成の観点からこのトライアルが一つの機会になると
- また視聴者にとっても多様なコンテンツの視聴機会につながると
- 積極的な評価を頂いている一方で、下の方に書いたが、やはり放送枠の提供という観点から見た時に、そこの措置が不十分だったのではないか
- 極端に言えば、枠さえ一つあれば、スポンサーや出演者等、放送企画の自由度が全然違ってくるのではないか
- やはり枠について、もう少し踏み込んだ仕組みということをこのトライアルでは進めるべきだったのではないかと、そういう指摘がある
- それからデータベース、番組制作に関する色々な情報をデータベース化するということに関しては、非常に効率的・機能的で、スリムなものとして構築されているという、評価を頂いた一方で
- 今の所は権利者・制作者だけのものだけれど、将来的には放送事業者の協力を得て、このデータベースを拡張することによって、いわゆる「制度によって権利を制限すべきである」という主張に対する最大の対策となるのではないかという、指摘を頂いている
- それから 14 ページで制作取引に係る諸課題について見ると
- 今の放送コンテンツ市場について言えば、日本のエンタティメントのマーケット全体が縮小してきているという中にあって、日本の市場だけを前提としている限り、ゼロサム、限られたパイの取り合いということは変わらないのではないか
- やはり海外に出ていくということを加えて、新たな市場を確保するということが不可欠なのではないか
- 流通ということを前面に押し出して議論をしていたけれど今は根本の制作力というところが弱っていて、その強化に目を向けないと、今後コンテンツ大国にはなれないのではないか
- そういった議論があった
- 以上のような、色々なプレイヤーの方々動き、それからそれに対する提言を受けて、最後に提言と、取引市場に対する中間答申としては、こういった報告でまとめていこうということが書いてある
- 基本的にではあるが、制度か、あるいは民間による取り組みかということに関して色々な意見を交わして頂いた訳だが
- 基本的には、放送コンテンツの取引については、民間主導による試行錯誤・創意工夫の積み重ね、そうしたことによって促進されるべきである
- そうした基本姿勢は昨年同様、現実的ではないか
- ただ、民間の動きによって促進するという中にあって、昨年から色々あった状況に鑑みると、特にこういうことを重点的に促進していくべきではないかと、それが三点ほどある
- まず一点、やはり流通の基礎となる制作力の所について、経済状況の変化もあり番組制作者等々、疲弊が著しい制作、その再生ということについて、対策を講じていく必要があるのではないかということが第一点
- 次に第二点、先ほどから紹介しているように、権利者団体の間から、急速に進捗しつつあるのが、処理円滑化に向けた体制整備だと言えるかと思う
- 従来から、権利処理のコスト、権利処理の時間と言う指摘はあった訳だが、この一年の間、権利者団体の間で、その効率化に向けて具体的な体制を整備するというこれまでに無かった動きが顕在化してしている
- 従って、そうした動きをさらに一層加速推進していく観点から、できる支援をやっていく必要があるのではないかということが第二点
- それから第三に、今、最後に意見を紹介したように、やはり、日本の国内市場だけに目を向けていては、これから急速な拡大を望むことは難しい
- 従って海外を含めて、新たな市場開拓に向けて、流通チャネル等々を開拓していくということについて、積極的に支援していく必要があるのではないか
- そうした三本の方向性を基本として提言を取りまとめてはどうかということである
- 以上のような提言を、今までの皆さんの議論を踏まえて出そうとしている訳だが、かなり、この方向性について関連性が深いのが今回の補正予算の進め方ということであろうかと思うので、資料2にもとづいて、補正予算の執行方針について、簡単に説明をする
- 昨日から、コンテンツ関連の 60 億円の第一次補正予算について、昨日から調達仕様書に関する意見招請という手続きを開始させて頂いている
- 具体的に、その60億円について、ここに書いてある7本の調達仕様書というところに分割をして、可能な限り多くの方々に実証実験に参加頂けることを可能にするという観点から、今、考えられる可能な限り、仕様書を分割している
- それぞれ、目的と期待される効果が微妙に違っている訳だがが、まず塊としては、ローマ数字のI番からIV番、これが放送コンテンツの制作流通の促進を主なテーマとする内容
- ローマ数字のV番、これが先ほど説明した、民間において急速に進んでいる、権利処理円滑化促進という取り組みをさらに手伝うための実証実験
- それからVI番、どんなチャネルを開拓するにあたっても、デジタルなので先に不正流通が進んでしまうと、市場が破壊されてしまう
- 従って、不正流通を監視して如何に抑止するかということについて実証実験を進めていくのがローマ数字のVI番である
- 最後の大きなVII番だが、一応教育分野における放送コンテンツと銘打っているが、放送コンテンツの今後の大きな配信手段として期待されている IPTV に関して、例えば教育にあったコンテンツを素材として、その円滑な利活用に関する実証実験を行おうというのがVII番目
- 簡単に、それぞれ概要を説明したいと思う
- 今から説明するのは概要ということで詳細な仕様書を希望の方は、帰りがけに所定の、お名前を書いて頂ければ、何方でも入手可能
- この概要以上の詳細については、既にもう公開されているので、所定の手続きで入手して頂ければと思う
- 概要について紹介させて頂く
- まず一番最初の、地域の特性を活かした放送コンテンツの流通促進に関する実証実験について
- この目的は、あくまでも各地域、ここで言っている各地域というのは、都道府県単位という、かなり細かい単位での地域、そこの資源を活かした放送コンテンツ、それを想定している
- 県単位もあるし、場合によっては市の場合もあるかもしれない、あるいは隣接した複数の市とか県が連携されるということがあるかもしれない
- そういった単位での地域の資源を活かした放送コンテンツの制作支援が一つ
- それからもう一つが、そのコンテンツについて海外への流通を促進すること為のモデルを構築するということが二番
- ここで言う海外流通促進の時に、どんなチャネルを想定しているかということが (3) に書いてあるように、地上放送・衛星放送・ケーブルといった、そういった海外の放送局を具体的なチャネルとして想定しているというのが最初になる
- それから具体的な調達あるいは実施の方法だが、これは 3 ページを見て頂く
- 予算の形式としては調査研究を行うことで、先ほど説明したようなモデルの構築をお願いする訳だが、落札者に対しては、次のような方法で実証実験を実施して欲しいとお願いする予定である
- 上から、1・2・3と三つ書いてあるが、まず第一に海外における放送チャネルの確保ということを想定として頂きたい
- 具体的には、海外の時間枠をある程度確保して、実際に放送チャネルを通じて海外の視聴者に見て頂く、そして見て頂くだけでなく、ゴールとして反応を検証して頂く
- そういったことを第一にお願いすると冒頭に書いている
- 従って、落札者に期待される要件として、海外で実際に時間を確保することについて、ある程度実績がある、そういった方を落札者として想定している
- 当然ながら、放送チャネルを確保して、流すための放送番組、放送コンテンツということを確保していかなければいけない訳だが、それについては次のような方法での運用をお願いすることにしている
- すなわち、放送コンテンツの選定組織を整備して頂きたい
- これは地域発のコンテンツということだが、可能な限り広い地域の放送番組を確保して頂きたい
- それから地域発ということではあるが、あくまでも地域の色々な体制によってコンテンツが選ばれていくと、そうした体制を確保して頂きたいということである
- 具体的には、地域コンテンツの制作、あるいは海外展開のあり方について、どのようなコンテンツをその地域から発信していくかと、そうした適切な基準を議論していただけるような体制を、実際にどういう具体的なコンテンツを選んでいくか選定を行う必要があるので、基準にもとづいて評価する体制を実際に作って頂く
- そういう地域の評議会というものをいくつか選定して頂くということを、具体的な手法の一つとしてお願いしたいと考えている
- ただし、具体的な選定組織を作るに当たっては、やはり後に何を残すのかが補正予算として極めて重要と考えている
- 地域において、こういった地域から発信する放送コンテンツを制作し展開していくことについて、地元の支援体制として継続していく
- どのように継続し、実際に放送コンテンツの制作と海外展開を継続していくか、そういうことに対して具体的な計画をお持ちの選定組織を選んで頂きたい
- それを一つの仕事としてお願いしたいと考えている
- 次に、どういう放送コンテンツの制作主体を選んで頂きたいかということは (3) に分けて書いてある
- まず、どういった方々が制作されるものを想定しているかといえば、放送番組制作事業者、放送事業者等々、番組制作を行っている方々が対象であると明言している
- 当然ながら、海外展開といったことを想定しているので、作られる方々自体が、そういった海外への展開ということについて、その時点あるいはその後においても、ある程度継続的に取り組まれる方ということも当然要望事項として求められている
- それから配慮すべき事項のところで、いくつか優先順位をつけて書いてある
- まず、3と5の辺りで、先ほども説明した通り、平成22年度以降も、同じような趣旨の放送コンテンツを制作し、実際にそれを放送し海外に発信していく、そういったことを継続的に実施していく具体的な計画を持っていること
- それから実際成果物としてできたコンテンツ、これは一種地域の財産として取り扱って頂きたいという観点から、やはり二次利用を希望される方々、例えば、地元の自治体、あるいは経済界の関係者の方々、あるいはその海外展開を希望される、取引としてどんどん海外に広めていこうという方がいる場合は、二次利用については円滑な取引に資するという観点から、著作権と許諾について円滑に進むような取り組みを予め考えて頂きたい
- 等々、そうしたことを考えて頂けるかということを、どの放送コンテンツ制作主体を選定するかということの優先順位として展開して頂きたい
- つまり総務省が仕事をお願いする落札者の方には、今申し上げたような手順で、まずは地元の選定組織を設定し、この選定組織を通じて放送コンテンツの制作者を選んで頂きたい
- ちょっと、手続き的には煩瑣になるが、やはり地域発ということを担保するということ、それから手続きの透明性を確保するという観点、そうした観点から、こうした枠組みを考えさせて頂いた
- 以下なるべく省略して説明していくが、4 ページの放送コンテンツを活用した国際的な情報発信の在り方に関する実証実験については、今説明したI番のものと、抜本的な違いはない
- ただし、対象としているコンテンツの所について、(2) の対象の所に書いてある通り、面的に連続している地域とかあるいは特定の県とか市とか、そういった単位ではなくて、一定のテーマの元に、複数の地域の自然・文化・経済ということを取りまとめて紹介する、そうしたコンテンツを作るということである
- 例えば、地域産美術、あるいは地域の例えば、一つのテーマとしては離島とか、そういった一つのテーマの元に、複数の地域の企業とか、あるいは、複数の地域の色々な場所とか、そういったことの紹介がまとまっているコンテンツを対象とするというのが、今紹介したI番とは違うところになる
- 対象としているチャネルやその目的については、大きな違いはない
- 実施方法の所について、こちらは必ずしも地域単位ということを想定しないので、実証実験の実施方法として、各地域でコンテンツの選定を行うための評議会の設置までは求めていないというところも、少し異なっている
- それから 6 ページの、これは、想定しているチャネルが、今御説明した二つとは異なる
- 今説明した二つは、あくまでも海外の放送局、CATV・地上波・衛星等、そういった現地の放送局ということを想定していた
- その前段の二つとは違って、三番目が想定しているのは、放送コンテンツの取引としては非常に大きな役割を担っている、見本市、それを流通チャネルとして考えている
- それから 7 ページにおいて、これもチャネルは若干着目しているものが違う
- 放送局とも放送番組の見本市という観点とも全く違って、放送コンテンツの出口として、最近サイネージ・IPTV・スポットワンセグといった新たなウィンドウ、出口を開拓する模索する動きが非常に活発になっている
- やはり、パイの拡大を考える時は、海外のチャネルもさりながら、新たなウィンドウということも開拓していくべきではないか
- これも積極的に推進していくという観点から、チャネルに関してもサイネージ・IPTV・スポットワンセグといったような今の技術動向を考えて、実証実験をする
- 新たなチャネル開拓、新たなウィンドウ開拓、そういったことに着目して、一つ一つの点を確認していくということである
- 次に9ページ、以上IからIVまでは放送コンテンツの制作、それから流通の促進ということだったが、V番目は権利者団体において非常に活発に行われている権利処理の円滑化の取り組みについて、実証実験という形で手伝えるのではないかというところである
- 実証実験の項目としては、窓口の一本化とか不明権利者の探索とか、あるいは諸外国で行われている権利処理の在り方とか、そうしたことを実際にシステムを構築して実証実験をして頂いて、モデルとなりうるやりかたを追及して頂くという趣旨である
- 当然のことではあるが、そういったありうべきシステムや処理の進め方を考えるにあたって、権利者団体によって構成された、映像コンテンツ処理機構と言った方々の協力・参加といったことを出来れば求めていきたいと考えている
- それから 11 ページ
- これは放送コンテンツの不正流通ということで、箱の中に書いてある通り、不正流通の共同監視・抑止の対象とするのは、いわゆる投稿サイトの上で、権利者の同意を得ずに流通しているコンテンツで
- それを監視し、それから流通を抑止するために警告を行っていく、これは皆さんに案内の通り、かつてそれぞれ放送局が目視で色々なサイトを監視し、それで見つけた物については地道に警告のメールを送っている
- 今現在、そういったかなり地道な努力が行われている訳だが、一方で、そういったことを自動的に行うシステムもかなり多数出てきているところである
- 従って、そういった監視・警告を自動的に行うシステムについて、使う側の放送局等々から見た場合に、それがビジネス上使い得ると言う為には、どういった要件が必要なのか
- そして今、流布されているシステムについて、そうした要件から見た場合に、どういった評価になるのか
- 仮にその評価が一定の水準をクリアしたものについて、それを使って、そういった監視や警告を行う組織を仮に設けるとしたら、それの運用・管理はどういったものであるべきか
- そうしたことを検証していく実証実験をやった上で、将来的に業界として統一的な監視組織を検討して頂く場合の資料とするということである
- それから 12 ページ、これは先ほども説明したように、文科省さんと協力してやらせて頂いて、実証実験の場としては小中学校の教育機関を貸して頂いて、素材としては教育分野のコンテンツを素材とする
- 素材の選定にあたっては文科省さんの方からの意見を全面的に取り入れるということで、ただ、総務省側の実験としては、IPTV に関する技術に関して所要の実証実験を行うというところを目的としている
- 以上、こういった21年度の補正予算を活用しつつ、先ほど中間答申骨子案で最後に申し上げた、コンテンツの制作力の強化と
- 民間における権利処理の円滑化といった取り組みについて、全面的に加速・推進といったものを目指すと
- それから市場開拓について、海外、新しい技術を使ったチャネル開拓、そういった側面について精力的に色々とトライアルされている方を色々と支援していく
- そういったことを、補正予算を使いながら積極的に進めていく
- 当然ながら、継続性という意味から、平成22年度予算ということにも是非繋げていきたいと考えている
- 長くなったが、以上、取引市場に関しての中間答申の骨子案、それから関連となった平成21年度の補正予算の説明になる
小笠原課長からの説明は以上でした。この説明を受けて、村井主査からの指名という形で意見交換が始まりました。最初に指名されたのは元橋オブザーバ (NHK) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 先ほどの事務局の報告にも上げて頂いた NHK オンデマンドというものを始めて
- 始める直前とか直後ぐらいは非常にお褒めの言葉を頂戴して、よくぞ始めたという声があったのだが、一か月経ち、年があけると、色々と注文とか苦情が見えてきた
- フジテレビさんはモバイルもやっているのに何故 NHK はパソコンとテレビだけなのかと
- TBS さんが無料で始められると、何故有料なのだ、受信料を払っているのにそれを無料で見せないのかと
- 色々な批判も出ている
- 要望を受けて、当初7日間だった見逃し、キャッチアップを10日間に延長するとか色々と拡充はしていくつもりなのだが
- やはり、一番大きいのは、有料サービスということだろう
- これは、放送法の中での規制と、そう言うとこの場では怒られてしまうのだろうか
- 要請として、会計を分けて独立採算でやりなさいということが規定されているので、受信料を使えないので、有料サービスということになっている
- そういう法制度上の問題は別としても、こういう有料サービスをやることの意味合いを一つ見つけるとすると
- こういう日本で本当に期待されてきたものが、ビジネスとして持続可能なマーケットが成立するのだろうかということを検証するための、一つの試金石となる、自分達でやっていながら、そういう言い方をしていいのかどうかという思いもあるが、そうした側面もあるかなと思っている
- この場、この委員会に出ている皆にあえて説明をするのも、大変失礼かと思うが
- 放送番組を、放送を一度やったからと言って、それをインターネットで VOD 配信する時にタダでできるということは決してない
- 当然ながら、著作権関連の許諾を頂くのに、追加の色々な料金がかかるということもあるし、サーバーや、色々と配信システムを動かす為のコストもかかる
- そのコストを誰が、どういうふうに賄うのかということは、やはり問われているというか、しっかりと考えていくべきだろうなと考えている
- テレビの放送番組の場合は、受信料であったり、無料広告放送という形で、各放送局が競い合って良い番組を作り、それを家庭まで届けていくというシステム、ビジネスモデルとして継続的にそうしたものが再生産されることが確立している
- 番組の二次流通、DVD にしろインターネットの流通にしろ、それはまだこれからなのだろうなと思っている
- この委員会でダビング10の話を切っ掛けにして、二次流通のことも含めてずっと、散々議論してきて思うのは
- やはり番組についても、発展途上国の、一次産品ではないけれど、フェアトレードという考え方はすごく大事かなと思っている
- 言われる前に自分で言ってしまうが、勿論放送局と権利者との間の関係や放送局と番組制作会社との関係も、勿論フェアトレードというのは大事だというのは言うまでもない
- けれども、番組の二次流通についても、放送で一度やっているのだからタダ同然でいいだろうと、二束三文で買いたたくようなことでは無くて
- 適切な立場の人が、適正なコストを負担するという構造を作り上げると
- 勿論、消費者の委員の方が、常々発言しているように、それはもちろん周り巡って消費者の方が一定のコストを負担するということにもなると思うけれども
- やはりその場しのぎで、一次的に例えばインフラを広げる為とか、端末を普及させるための言わば商材、販促材料としてコンテンツを位置づけるのではなくて
- コンテンツ大国ということを目指すのであれば、持続的に、サステイナブルに回していけるようなシステムとして
- 必要なコストを誰がどういう風に負担していくのかという構造をきちんと作り上げていくことが大事なのだろうなと思っている
- それはダビング10の、いわゆる放送の私的録画の時も、コンテンツのリスペクトとか、制作者・権利者への適切な対価の還元とキーワードになった
- それは二次流通についても全く同じだろうと思っている
- 今回、先ほどの提言の中で、これまでずっと言われてきた流通面の整備の話だけではなく、制作・クリエイトするという所に力点を置いて
- それをエンカレッジしていこうと、拡充していこうという方向の提言がなされたことは、非常に良いことだという風に思っている
- 本当にクリエイティブなところ、コンテンツ制作に直接関わっている人、汗をかいている人にお金が回る仕組みというのはすごく大事だろうなと思う
- あえて申し上げれば、今苦しいから、そこにお金をつけて拡充するという一過性のものではなくて
- これもやはり、サステイナブルというのを一つのキーワードにして、持続可能な制作環境の拡充というか、そういうものに繋がる仕組みを作っていって頂きたいと思っている
以上が元橋オブザーバからの意見でした。続いて指名されたのは佐藤委員 (フジテレビ) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 今、元橋さんからあったように、今回の提言の中で、まず一番目に上げられている、放送コンテンツが制作力を強化されて、海外の放送枠の確保が出来て海外に向けて発信を行うということで、充実した対策となっていることは、非常に賛成すべきことかなと思う
- 第52回の委員会で、北海道テレビ放送さんと、JET-TVさんがやられた話が紹介されて
- 成功事例ということであった訳だが、あの資料の中にもあるように、取り組み自体が非常に複数年に渡る、例えば 8 年とか、中長期的な努力をしてはじめて実る流通と制作の促進策というものであった
- 今回補正予算で、かなり十分な予算が取れていると理解しているけれど、先ほど元橋さんが言われたように、単発で終わらないように、是非していただきたい
- 発想そのものの中に、非常にリアリスティックな、インキュベーション型の発想が入っているので、意味のないところに一生懸命弾を打っているというのと違い
- リアリティのある、非常に、ある意味なかなかニッチな部分も含んでいると思うけれども、リアリティのある所に一生懸命弾を投げようという実験なので
- その実験主体の選択にあたっては、中長期で腰を構えて取り組む姿勢のある実験主体を選んで頂くことが重要なのではないかと考えている
- それから、権利処理の円滑化を目的とした体制整備ということだけれども、これは何度も繰り返すようではあるが、ネット配信が進まなかった本当の理由は、やはり、ネット流通に関わる収益性の悪さだろう
- 私共フジテレビとTBSとテレビ朝日さんで、2002年の 8月にトレソーラの実験をして、これから数えると既に 7年経過している
- トレソーラのような独立主体でIP配信をやる時に、なかなか収支があわないという話になり、トレソーラが休眠会社の状態になって、その後、2005年から各社独自にIP配信のトライアルを事業的に続けている
- この間に、非常に、インフラも進歩し、ネットワーク環境も進歩し、端末環境も大幅に進歩した
- そういう意味では、2002年の段階と、7年経った 2009年の段階では、本当にステージが違うと思われるほど、技術・環境は進歩した
- しかし、各局さんとも同じだと思うのだが、依然として、ビジネスとして、ネット配信がなかなか儲かるねと言えるような状態にはなれていない
- この間、事業トライアルを行うにあっては、権利者さんに非常に色々な我儘を言わせてもらって、こんなに儲からないのにという中で
- 実験なんかはほとんどタダ同然でやらせて頂いていた実態があり、私共2005年7月から始めて、それから、いつでもどこでもテレビというのは2008年11月から始めてということで、権利者様とも色々な話をしてきたが
- こんなに儲かるのだという話が一度もまだできずにいるのが現状
- にも関わらず、暖かい目で、ネット配信のマーケット性等を見てみようということで御協力を頂いているのが実際の所
- 収益性が悪いが故に、様々に、トライアル・トライアルという言葉を何度も、何度も使いながらここまで来ている
- その中で、先ほどもから言っているように、環境が大幅に改善されていることは事実なので、ネクストステージに向かって、今まで色々な所でなされてきたディスカッションが、一本化されていく
- あるいは一本化までいかなくとも、ディスカッションしていくべきハブの部分が集中していくというのはとても良いことだと思う
- 今回の円滑化を目的とした体制整備の支援というのには、また、大きな意味を感じている
以上が佐藤委員からの意見でした。続いて指名されたのは寺島オブザーバ (ATP / テレコムスタッフ) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 元橋委員や佐藤委員からの話があり、私の方からは制作・番組制作事業者として、今回の答申に関する、ある種の意見を述べさせて頂きたいと思う
- 放送コンテンツが、コンテンツ大国を目指す我が国で、太宗を占める重要な位置づけであるということが前面にあって
- なおかつ、再三申し上げているが、我々番組制作会社が何らかの形で放送コンテンツの制作に、これは色々な見方があるだろうけれども、私共は70%、7割強関わっていると、ずっと申し上げてきた
- これはさらに広がっていくだろうと思っている
- しかし、一方で、元橋さんから前回も発言して頂いた、コンテンツへのリスペクト、そういう観点でコンテンツを売りたいということと
- 制作者・権利者団体への適正な対価の還元ということも、この検討会では盛んに話し合われてきたことだと思う
- その前提となる、私共の番組制作会社が置かれている、とりあえず今の状況と言うと
- 全く直近ではあるが、11 ページを見て頂ければ、例の10月のリーマンショックから、100年に一度と言われている状況に陥ってしまった
- ここの所、年々、放送メディアのメディア全体の中での相対的な価値が下がっている
- これ自体は他のメディアの伸びしろが広がっているという意味で、日本全体のメディア状況を考えれば悪いことではない
- しかし、例の 10 月のリーマンショックによって民間放送の無料広告が大打撃を受けている訳で、それが如実に、制作会社の売り上げ推移が前年度比で落ちてきている (ことに現れている)
- これはまだ11月、12月の段階で、ここにはまだ発表されていないが、我々 ATP では、1・2・3という形でも調査をしていて、さらに一層の減少を見ている
- 前回も少し紹介したが、このアンケートに応えた200社近い母数の中で、1・2・3月の営業利益が赤になっている会社が、もうすでにその時点で40%になっていた
- さらに、盛んに叫ばれた制作費の削減ということもあり、これももちろん、局によって違いはあるものの、これも大きな形に現れている
- 制作費の削減で、我々がアンケート調査できるのは継続番組だけで
- 去年度の3末までに作っていたものが4月、年度を越えて継続して、それが今までの制作費と比較してどれぐらい削減されているかという調査しかできないが
- 継続番組に限って言えば、10〜30% の削減を受けた番組がある
- 30% と言いうと、これは、私自身の会社で経験した番組なので、言っても構わないと思うが、例えば 1300万台ぐらいの制作費があった番組が900万台に落ちてしまったという状況にある
- これは普通ではちょっと考えられないくらい、制作基盤をこう、打撃をする状況だ
- もちろん継続番組なので、発注者である局の方と、色々な条件を話して
- じゃあ後処理にかかる費用は局さんの内部施設を使わせて頂くとか
- 例えば、取材機材として安価な小型カメラを多用するとか
- そういう対処は行われているが、非常に大きな打撃になっている
- また、調査に現れてこない、4月に立ち上がった番組で言うと、我々現場感覚で言うと、今まで 1 時間でこれだけの制作費があったのに、この 4 月以降はこれだけなのかという実感で言うと
- 25%〜30% ぐらいの制作費が回ってこなくなっているという状況がある
- そうした状況があるということをまず知っておいて頂きたいと思う
- 今我々が考えるのは、そのリスペクト、コンテンツに対するリスペクトと作ったものの正当な対価をどう我々が得るかということだと思う
- 今のこういう風な不況の中で、特に広告料で賄われている民間放送のコンテンツに関しては、前提として致し方ないだろうと言わざるを得ないだろう
- 民間放送から全部給料50%をカットして、制作費に回して頂きたいという無茶なことは言えないと思う
- ただ、去年度から行われている、マルチユースのトライアルに関して、ちょっと話をする
- あれは、従来の発注・受注というスキームを越えて、あるコンテンツに様々な資金、もちろん制作者がリスクとコストを持つけれど、様々な資金を導入して、コンテンツを作り、放送、第一次ウィンドウとして放送である程度の部分をリクープしてから、さらに展開をしていくというスキームなのだと思う
- それがこの数字にあるように、AMDさんで、それに値するであろうと評価された作品が19本あったうちに、実際に1年半ぐらい経過して、まず放送が実施されるという、それが軌道にのっているものが4プロジェクトしかないのはどうなのだろう
- 今だからこそ、どうやって広告料以外に資金を調達して、コンテンツにそれぞれの制作者も資金調達をする側も、コンテンツを愛してリスペクトしてどう価値化するかということが、我々にとって、我々の国のコンテンツ産業にとって、とても大きなことだと思う
- このことに協力して、まずは従来の編成、多くの方に見て頂くと言う編成方針とは外れても、何とかコンテンツの新しいスキームを作るということで、何とか、放送局さんから協力頂いて、枠を出して頂けないか
- まずは放送、映像界の太宗を占めるテレビで一回目のウィンドウを作って、そこで何がしかの制作資金を回収しないと、このプロジェクトはなかなか立ち行かないというのが現状なので
- 新しい視点で持って、是非、我々と一緒に、もしくは様々な資金調達をしてくださる方、コンテンツ自体である種のプロジェクトが推進していくという所に是非、乗って頂ければと思っている
- それから、新しいこの補正予算に関して
- そういう意味で言うと、これは多分、参加した制作事業者、もしくは放送局さんも含めて、このコンテンツでは制作著作が獲得できることが第一状態だと思う
- 自ら起こしたコンテンツを、様々な方と協力して、海外配信したり、様々なメディアに流して、それが恒常的に、持続可能なスキームでどうコンテンツが価値化されていくか
- そのことに予算を使わない限り、この間の会議でもあったように単にカンフル剤のバラマキ予算になってしまう
- そういう意味で言うと、是非これも含めて、そういうことで進めて頂けると思うが、何よりもまず、我々零細なプロダクションの企画を優先して採用するということで担保して頂いて
- 今、著作権法では企画・発意というものが大事にされているので、企画が制作者にある企画を優先して採用するということで、著作権が獲得できるということを担保して頂いて
- そのコンテンツを動かした対価を制作者がさらに享受できるという仕組みで是非、考えて頂きたいというのが一点
- それから実施主体について、評議会と制作者、制作事業者・放送事業者が実際にコンテンツを作ると言うこの手続きの中で、大事な予算が費消されていくような状態がないような形で
- そんなことは無いだろう、杞憂だろうと思うが、そうしたことが無いように、是非、全体として効率的なシステムを作って頂きたいと思う
- もう一つ、私はなんだか紋切り型に制作事業者が零細な、零細なと言っている
- 何故零細なのかということに関して、私どもが零細であることと、多様性は同等な話だと思っている
- 本当に小さな5・6人のディレクターを中心にしたプロダクションから、局関連の大きな会社もあるが、どちらで作ったコンテンツも同等の価値があり
- それぞれ多様性を担保するために、小さな制作事業者がそれなりの誇りと、クリエイターの矜持を持って進んでいるのであって、我々の産業界が遅れているということでは無い
- 是非、その零細の意味を、多様性を担保するという意味で、なんとかリスペクトを、そこに正当な対価が還元できるような仕組みを、是非とも我々民々で、もしくは行政の力もお借りして、作っていけたらという風に思っている
以上が寺島オブザーバからの意見でした。続いて指名されたのは椎名委員 (CPRA) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 通常の枠組み・座組みを超えて、さらには最新の情報処理技術を導入するなどして、権利処理を円滑化させようという取り組みが
- 著作者さんにおける著作権情報集中処理機構や我々の映像コンテンツ権利処理機構と、ますます、色々な分野でそういう取り組みが広がっていくのではないかと思っている
- このことを褒めて頂いているわけだが、考えてみれば権利者団体にとってみれば、権利処理の円滑化と言うのは本来の仕事であって
- そのことが評価されるのは非常に嬉しいことなのだが、そうなってきた以上、権利処理がボトルネックであるというこれまでのステロタイプな考え方はこの際、もう、やめて頂いたら良いのではないかと思っている
- 自分より弱い生贄を探して、それを血祭りに上げて、そいつのせいだと時間を無駄に過ごすということよりも
- さきほども佐藤さんが言っておられたように、何故ビジネスにならないのかということについて、総務省のこの場は勿論、知財本部等できちんと国を上げて、真摯に議論をしていくべきなのではないかと思う
- 今日紹介頂いた答申案については、そういう趣旨も入っていると思っているので、その点に関しては賛同したいと思う
- ただし、権利者の取り組みに対する支援等について言及頂いているが、これは以前にも表明した通り、あくまでも権利者自身の発意と判断で進めるものだと、そういう風に申し上げておく
- 高い品質のコンテンツを創造していく為には、コンテンツの創造に関与したものに対する対価の還元が、無かったらば在りえないのだと
- この極めて当たり前のことが通らないような、憂慮すべき状況が、相変わらず通信事業者の方々や、機器メーカの方々に見られるのは非常に残念でならない
- コンテンツへのリスクを、コンテンツ制作へのリスク、それをどういうふうに分散していくのかということの実験でもあったトライアルに、今もって通信事業者の方々の協力が得られていない状況があり
- また一方、そうした通信事業者の方々が、ネット権を標榜する団体に参加して、その主張に与しているという状況があり
- さらに、コンテンツへの大量投資に踏み切った通信事業者という話も聞かない
- 私的録画補償金についても、一部のメーカが現行法を公然と無視して、支払いを拒むという暴挙に出て、あろうことかそれを追認するかのようなペーパーまで出してしまう役所がある
- そんな状況になっている
- 役所の志が低くて、国民が被害をこうむるということは今やニュースで散々やっている
- 我々だけが被害者だと泣き言を言うつもりはないけれども、そういう状況下にあって、こういう審議会のような場の責任が重大になってきているのではないかと思う
- コンテンツの品質を守る為には、コンテンツから利益を得る関係者がこぞってコストを負担していく必要があるという主張を、この会議の中でもずっとさせて頂いてきた
- しかし、相変わらず、そうした理想とは程遠い状況があると思う
- 今回の補正予算では、クリエイターに対する支援と言うことが打ちだされていて、それなりのボリュームもあると思うが
- こうした緊急避難的な措置を否定する訳ではないが、ここでむしろ必要になってきているのは、コンテンツの創造に関与した者に対して、恒常的に対価が戻っていくための、そうした仕組み作りなのではないかと思う
- この検討委員会では、昨年の答申にもある対価の還元に関する原則を堅持して、色々な立場はあると思うが、その色々な立場から具体策をさらに模索するということをお願いしたいと思う
以上が椎名委員からの意見でした。続いて指名されたのは堀委員 (音事協 / ホリプロ) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 手短に申し上げる
- そもそも三年ほど前から、デジタルコンテンツという言葉自体が無いのだと申し上げていて
- あくまでもデジタルというのは処理の方法であって、大事なのは、コンテンツの本質は生なのだと
- 生きている人間が考えて、生きている人間が演じて、生きている人間が作っているのだと、
- こういうことを前提として、また申し上げる
- そもそも、こうしたものが流通の促進という大雑把なタイトルであっていいのか
- それを進めればクリエイターとかコンテンツホルダーとか、ユーザが皆ハッピーだという理屈が、未だに理解できない
- 当初国が上げたテーマというのはコンテンツ大国にするのだと
- 知財立国にするのだと
- これはもう今後成長する産業と言うのが非常に限られてきている中で、これを国益にしようということでスタートしたのではなかったのか
- このビジョンの中に、この世界でも屈指だと思うイマジネーション大国である日本で
- 官民一体となって、世界で国益を増大させる経済活動の話をしましょうということではなかったのかと思う
- その壮大なビジョンだったはずのものが、いつの間にかダビング10やら、私的録画補償金の廃止やら、果ては権利者の権利なんて切り下げてネット流通を促進させてしまえというネット法だとか、局地的なテーマの話だけがでてくる
- それも地上波のテレビ放送に限った話を、別々の会議で、同じことを別々の人たちがやっていると
- これこそ国費の無駄であって、やっていることは皆同じだと、出ている人も皆同じだと
- 何時までこんなことをやっていなければいけないのか
- これは経済の話をするためのビジョンではないのか
- そういう風にやってきて、ここ数年で IT の先駆者と言われる人はほとんど居なくなってしまった
- 日本のIT産業で利益を上げているのは、ゲームと、場所を貸して誰かに発信させているか、誰かに物を売ってもらってその利益をプラスしている、そういうIT産業が、日本、国内だけで生き残っている
- GoogleにしてもYouTubeにしてもこれはアメリカの会社で、結果、なんのビジネスモデルも日本では描けなかった
- さらに、今度はフェアユースだと、日本になじみのない、裁判で物事をはっきりスジを付けようという文化がない日本で
- フェアユースというのを導入しようと言うのは、またまた考え方だけアメリカから導入してこようとしている
- 実際の商慣習と全く違うことを、何となく訳知り顔で、一人歩きする言葉を
- 話している方は、皆、この二十年、連続ドラマを毎週見ないし、アニメなんかも見たことがないし、ゲームを一日中やったこともない人が話をしていて
- その人が知財本部の委員として、またネット権の推進派として発言をしている
- まったく無駄の、無駄の、無駄の上塗りという風に日々思っている
- 流通すれば皆がハッピーだというのだったら、そのビジネスモデルを見せてくれということは、ここでも何度も申し上げてきた
- しかし結果として、違法な画像配信だけがハッピーになった
- それを投稿する一般人と、それを違法だと判っていて見る人がハッピーになって最終的にはアメリカの企業だけがハッピーになった
- これがIT革命の現実なのだと言う風に思う
- 動画配信と言うのは非常に、サーバも負荷がかかるし、環境にも負荷がかかるという、このことを野ざらしにしておいて
- 動画を安く調達して、沢山の人に撒けば、日本はそれで知財立国だというのであれば、それはもう絵に描いた餅以外の何物でもないと思う
- 日本のユーザが今まで享受してきた、多様で、良質で、自由で、ずば抜けて国際的にも面白いと言われている地上波の無料番組が支えてきた広告モデルというのもこの不況で揺らいできている
- 作れる環境が縮小すれば、そこに仕事を求めて集まる人も減る
- 量も質も必ず落ちる
- これは経済の原則で、ローカル局はもっとひどい
- 何故、東京の人たちだけで話しているのか不思議でならない
- そんな状態で、国内の体力すら落ちているのに、今更国際競争力と言われてもそんな余裕はどこにも今はない
- それでもなお、国内市場で食い合いをする為に、コンテンツを安価に手に入れて流通させればいいとか
- 権利者の権利を切り下げてしまえというのであれば、もう、どうぞやって頂きたい
- それでハッピーになるのだというところを見せて頂きたい
- 我々は面白いソフトを供給して、それで食っていかなえればいけない
- ただ拍手をもらって喜んでいる訳ではないと、これははっきりと、申し上げておく
- 特に日本の場合には、人口が自然減する、それだけでも国内市場が縮小していくということが判っている
- 国内がそうした状況では国内で利益率を上げるか、外に出てマーケットを拡げるかしか生き残る道はない
- これは音楽ソフトも映像ソフトも、演劇も、どの部分も縮小している
- エンターティメントに関わるものとして、これははっきり申し上げておくが、どこの分野も良いものはない
- それを直視して、日本のコンテンツをどうやって守って、育てて、大局的な視野で国益のことを考えるかということをやって頂きたい
- アニメの殿堂を作りたいのだったら、ニューヨークの五番街の真ん中に作ればいいじゃないか
- ジャパニメーションセンターをアメリカに作れば良いじゃないか
- そのぐらいの発想が無いと、もうコンテンツそのものの製造権すら消滅してしまうと言う風に、あえて申し上げておく
- また国際競争力を得るには、あまりにも日本人は世界史を知らなさすぎるし、習慣や宗教や禁忌の件については知らなさすぎる
- これもドメスティックでガラパゴスでやってきた弊害が今出ている
- そうした所も勉強しなおして、国際的に、最初から世界向けに作るコンテンツというものを作らないと
- 今の地上放送だけの論理でやっていても、間違いなく国際的には取り残されるということだけ申し上げておく
以上が堀委員からの意見でした。続いて指名されたのは河村委員 (主婦連) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 最後の堀委員の話、大部分の所において、本当にその通りだと思って聞かせて頂いた
- そういう大きな、大きな未来に向かっての日本のコンテンツの、世界にビジネスとして打ってでようという話をしている一方で
- 何か必ず、何か消費者が一つ一つ、機器はお金を出して買い、DVD のコンテンツもお金を出して買い、無料広告放送は、もちろん周りまわって企業が出している制作費を消費者が負担しと
- 大多数のサイレントマジョリティの人々が真面目に受けている
- もちろん産業が不況であるとか、もちろんそうしたことは他の分野にもある訳だが
- そうなっている時に、一人一人の消費者が何か少しずつ負担をすることによって、今仰ったような大きな問題が解決するとは、到底思えないのに
- かならずそこにその話が出てくることが、私には本当に理解することができない
- 何故かとても大きな素晴らしい話をしているはずなのに、例えば違法配信、確かに問題だとは思いますが、消費者に大変なコスト負担と、不便な思い、利便性の低さを押し付けられている
- 押し付けられているのは、ここで皆さんで痛みを分け合ったダビング10な訳だが、そのダビング10をかけられている、地デジの放送が違法配信されている訳ではないということは、皆さん判ってらっしゃるのではないかなと思う
- だから何かその、いつかも申し上げたが、大変な思いをして制限をかけられたり、機器の不便性やコストの負担をしているのだけど、それでどのような被害の回避ができているのか
- 被害の回避はもっと他の方法でもできるかもしれないし、その大きな話の中で、それはそんなに関わっていないのではないか
- 一人一人の消費者の微々たる負担に対して、すごくこう、そのビジネスモデルの中に話が入ってくるのが
- いつもそうだが、どうしても納得することができない
- 元橋さんがフェアトレードと仰ったように、まさにフェアトレードの話だと思ってずっと聞いていた
- フェアトレード、要するに制作者の方と放送局の方の間、出演者の方と実演家の方の間の関係に、一番フェアトレードの原点があると思う
- それで何かコンテンツが高くなるのであれば、例えば無料広告放送モデルであれば、それは誰かと交渉する必要があるかもしれないし
- どこかで、それを二次利用で売る時に価格に反映されるかもしれない
- でもそれが売れるかどうかというのは市場の関係になると思う
- そこの所に何か消費者が……
- 消費者としては、直接物を買うことによって参加していきたいと思うし、何か、別のところで対価の還元の当事者として上げられるのは納得することができない
- 判り難かったかもしれないが、申し訳ない
以上が河村委員からの意見でした。ここで村井主査からの指名は終了し、ここからは希望順での発言になりました。最初に発言を希望したのは岩浪オブザーバ (AMD / インフォシティ) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 本日はデジタルメディア協会、AMD の理事の立場で話をさせて頂きたいと思う
- この資料 2 のコンテンツ関連施策の進め方について
- 勿論資料 1 から含めて、特にその、新しい市場に向けてというそれはもう大賛成で
- 海外に対して飛躍する部分を支援しようというところはもう大賛成なのだけれども
- AMD には放送事業者もいるし、映画・ゲーム、それから出版、それからネット専業とか、モバイルコンテンツ専業の事業者なんかも集まっていて、全て、いわゆるコンテンツ関連の会社の団体で
- テーマとして、それぞれの本業はあるにせよ、デジタルメディア協会というぐらいであって、デジタルの分野でよりコンテンツ事業を発展させようという取り組みをしている
- そういった観点でいうと、これは映像であれ小説とかコミックであれ、全般的にそうなのだが、コンテンツがデジタル化することの意義は、従来のアナログの時とは違って、特定の機器や経路に異存しないで
- 俗に言うところのマルチユースというのが出来るというところが一番大きな可能性だと思ってやっている
- もちろん、これは新しくそうした分野で成立した市場も国内でいくつか、もちろんあったりもするのだが
- 一方、例えば総務省というか日本全体としてその取り組んできた、そのまさに村井先生の御努力で実現したその e-Japan とかによって
- 国内9000万契約上のインターネット、いわゆる固定インターネットや、8千数百万のモバイルインターネットという環境の進展していることに比較すると
- まだまだ何か、新しいビジネスができていないという風に皆認識している
- 同じコンテンツを作ったら、色々な経路で機器に向けて売りたいよというようなことを
- これはその伝送路と機器ばかりではなくて、例えばパッケージメディアの中においても、CD/DVD/Blu-Rayじゃなくて、フラッシュメモリとか
- いずれにしても新しいメディアに向けて、マルチユースをしたいという希望は、多くの事業者に共通していて
- それはもちろん、海外に持っていっても良いのだが
- 折角日本のユーザは、高度なデジタルあるいはネットの利用環境を持っているのに
- 持っている割に、まだ新規のマーケットができていないというところがあるので
- ちょっとその辺りも少し加えて頂けないかなというのも本音なのだ
- 海外に行くのは大賛成で、ただそういった国内において、様々な機器に向けてのマルチユースと言うところを、もう少し出して頂きたい
以上が岩浪オブザーバからの意見でした。次に発言を希望したのは浅野委員 (IBM) で、その発言は次のような内容のものでした。
- 今、各委員の話を聞いていて、まさにその通りだなという風に思っていた
- 特に中間答申の概要に基づいてですね、民間主導で色々と進めていく上で、政府としてはその民間主導の取り組みに対して後押しをしていくと、支援していくという形から書かれている
- その中で、今回補正予算という形で後押しをしていくと、そういう構造は判るし、最初は本当に気持ち良く聞いていた
- 例えば HHK の元橋さんは、ここにおいても「一過性ではなく持続可能な」と
- あるいは佐藤さんからは「単発で終わらない」といったコメントがあった
- まさにその通りだという風に思っている
- 椎名さんも「恒常的な対価の還元の仕組みを作ることが必要だ」と
- あるいは堀さんもそういう観点から見た時に、「今後の少子高齢化の中において、要するに始めからグローバルということで海外に出ていくことも考えなければいけないのだ」と「流通促進としても、もう少し成長して、視点を変えていくべきじゃないか」というような話を聞いて
- その通りだなと思っていたのだが
- この補正予算と言うのは税金を使うものなのだ
- 税金を使う上においては、ここはオープンでやっているから、当然、今聞いている方の中にもメディアの人たちが結構居るだろう
- そこにおいて、税金の使い道ということに対しては当然ながらそこにおいては意義があり、しかも税金を使うということによっての大義名分が立つのだということが無ければいけない
- その中では、ちょっと寺島さんの話は不安になってくる
- 前回と今回に関しても、ものすごく、苦しい、苦しいと
- その苦しさは判るのだけれども、それを強調すると、何かそこに対する救済という形で補正予算を使っていくというイメージに囚われて
- それがまたメディアでどのように扱われるのだろうと心配になる
- 今こういう補正予算をつかって、特に地方が疲弊しているという中において、折角、番組制作者に対してどのようにそこに対しての再生力を付けていくかということに対して
- それが一過性ではなく、かつそれは無駄遣いだとかバラ撒きだという批判をされないような形においてどうなのかということに対して
- 大義名分をちゃんと言って行く時に、あまり「苦しい、苦しい」ということに対しての救済だというイメージを与えないような形の物が必要なのじゃないか
- そういうものがやはり、税金の使い道に対する、建前上における、大義名分が必要なのじゃないかと、そういう風に思う
以上が浅野委員からの意見でした。次に発言を希望したのは襟川委員 (AMD / 光栄) で、その発言は次のような内容のものでした。
- ゲームメーカをやっていたり、あと AMD の理事長をやらせて頂いてる襟川と申します
- クリエイティブ、私もモノを作っている訳だが
- 今はその世の中に、あまりにも、素人さんが投稿している、意図して作ったものではなくて面白いモノが、すごくある
- そういう風なモノとの競争で、国際的に同時に、同じ時間に、同じモノが、面白いモノが見られる
- プロとして企業家としてはですね、なんだかんだ言って、それに打ち勝っていかなければいけない
- 国際的に見ても、日本人のクリエイティビティというのはものすごい劣っていて
- 私が新卒の面接をやっても、皆、大学に入ってからプログラムを習っているということで、もう考えられない
- カナダだろうが、韓国だろうが中国だろうが、小学校・中学校・高校からプログラミングを習っている
- それでも、そうしたド素人を使いながら利益を出すのには、クリエイターのモノ作りには、お金をかけない訳で、命を削るような作業がある訳で
- それは個性であって、こういう風な枠組みを作れば作るほど、クリエイティブなものは中々出来づらいのではないか
- 折角税金を使って知財立国として立てというのであれば、それは全部が巧く行かないのだから
- やはり目利きが何人かいて、そして若い人や或いは、年配の方とか、金額をバカンと与えて
- もう本当に大額の中で徹底的にモノ作りをさせることを単年度じゃなくて、何回もやらないと、才能は発掘できない
- 本当に、ゲームが良いといっても、インターネットはお金にならなくて、私共パッケージソフトで仕事をしたらば利益率がもう50% 〜 70%で
- ところがその何十倍もお金をかけて、二十億も二十億以上もかけてネットワークゲームを作っても、回収するまでに6年もかかったり5年もかかったりしていく
- それでも、そういう中で勝負していかないと世界に勝てない訳だから
- 誰がそれを作るのかといえば、クリエイティブ
- グローバルになればなるほど、海外というのはナショナリズムが台頭していくので、国際的に通用するものなのかなんなのか
- 先ほど堀さんが仰ったように、やはり世の中、世界基準で物事を考えて作るのか
- あるいは日本国内で作っても良い、それで世界に配信すれば
- やはり、クリエイターが本気で命をかけて物を制作して、それが受け入れられるように国が支援して頂きたい
- 非常に難しいことで、国は、税金で賄う訳だから枠をかけがちだが
- 何か、そうした仕組みができれば、もっと良いクリエイターが育って来るのではないかなと考える
以上が襟川委員からの意見でした。次に発言を希望したのは寺島オブザーバで、その発言は次のような内容のものでした。
- 今の襟川委員の話と私もまったく同じなのだが
- 苦しい苦しいといったことで、救済策に聞こえてしまうということは
- 今でも、全体に補正予算自体が地域振興も含めて、色々あるわけで
- 今、ある種クリエイターの立場を代表してお話した訳だが
- 今、直接には制作費に予算が投入されるというスキームになっているが
- それを浅野さんが評価されたような、今後新しいスキームがこの予算で構築できて、それが持続可能になっていくかということ
- そういう風な、ある種将来性を見据えた場と言うのは、この不況の中でなかなかできないのだ
- 特にその我々プロダクションの若手育成という余裕が、今の状況ではほとんどない
- 先ほど、本当に血を削って肉を削るようなクリエイターの姿が、今、襟川委員から出たが
- やはりそれは全く一緒で、どうやって場を確保し、その場で作るコンテンツが、どういう形で今後展開していくかという
- 将来に渡った目線を持った制作ができる為に、予算を使わせて欲しいと、そういう風に御理解を頂ければと思う
以上が寺島オブザーバからの補足発言でした。ここで、村井主査から「時間が押してしまったが……」という発言があり、それを押してまで発言を希望する方は居なかったので、意見交換はここで終了となり、村井主査からのまとめに移りました。
- 今日議論して頂いた、この骨子案については、中間答申にまとめるということで、もう一回、意見交換の機会を設けさせて頂きたいと思う
- まずは今日頂いた意見を集約して、事務局の方にはそのことをどういう風に捉えられるかというということをちょっと検討して頂いて
- それに基づいて、また周知というか、中間答申の内容案ということで皆さんに謀る準備をして頂きたいなと思う
- それから今日、取引市場に関してのこれまでの議論の取りまとめの骨子案ということに関して
- 大枠の流れで、いくつかの具体的な評価も発言頂いたので、その辺も含めて、最終的な、最新のものにして頂きたいと思う
- 関連する、補正予算の進め方に関しても、沢山貴重な意見を頂いたかと思うので、その進め方を考えるということも
- 是非、そのようなことで、意見を活かす・参考にするということで進めさせて頂けるのではないかと思う
- それについても、今日のお話、まだ意見を頂けていない、あるいは言い足りない点はあると思うので、事務局の方に伝えて頂ければということでお願いする
以上が村井主査からのまとめでした。この後、事務局の小笠原課長から次回は 6 月 23 日に、エンフォースメントについての骨子案の審議を予定しているとの案内があって今回の会合は終了しました。
◇◆◇
まずは全体的な感想から。地上波の無料広告モデルが最近揺らいでいるとは言え、未だにウェイトとして最大であるばかりに、そこに、もう頼れなくなるギリギリのところまでしがみ付こう、そこを細らせるようなものには加担しないようにしようという空気に支配されているのが、何とかならないのかなと思います。
出てくる意見が護送船団を組んで守ってクレクレという後ろ向きなものばかりに思えて、どーにも素直に受け止めることができずにいます。
◇◆◇
個別意見の感想ということで、堀委員の発言から。前段と後段で完全に発言内容が矛盾しているように思えて、傍聴中も、発言内容をまとめ直していても、だいぶ首を捻る羽目になりました。
海外に活路を求めることに、もっと積極的になるべきというのが主題なのだろうと解釈しているのですが、国内での競い合いを否定するような主張は、私にはそれと矛盾するように思えます。
国内での競争なくして、コンテンツの質とコスト競争力を維持することはできないだろうと私は考えているのですが、堀委員の主張は、過去地上テレビだけで十分な競争が行われていた時代の栄光の記憶にすがって、地上放送とは直接の競争にならない海外に向けて、護送船団を組んで出ていこうという意見に思えます。しかし、そんなことをしたところで、甘えることなしにネットと食い合いを続けている海外放送局の眼鏡にかなうほどのコンテンツを提供していくことができるのだろうかと不安を感じます。
国内ですら海外コンテンツに負けているモノ [URI] が、海外で本当に勝負できるのだろうかと心配でなりません。
海外で戦うつもりならば、むしろ日本での商習慣になじまないなどといってフェアユースを拒むのではなく、積極的にフェアユースを導入して、むしろ個別ケースごとに裁判でシロクロ付ける文化に馴染む努力をした方が良いのじゃないかと、そう思ってしまうのは私の考えが足りないからなのでしょうか。
◇◆◇
次に椎名委員の意見について。私はインフラ屋 (NTT/KDDI) しかいない席で、コンテンツに金を投じる通信業者がないとか、内弁慶な主張を繰り広げても仕方がないんじゃないかなと思っています。
椎名委員としては雨宮委員への恨みつらみがネット法がらみで色々とあるのだろうと同情はするものの、それを未だに主張することがどれだけ権利者の利益に繋がるのだろうと疑問を感じています。
少なくとも NTT グループは前回のマルチユーストライアルで「フォーク音楽遺産」に一定のコミットをしていたり、BeeTV で自ら (フジテレビ / avex の協力を仰いでとはいえ) コンテンツを作ろうと努力している訳で、十把一絡に「通信事業者は」との主張を続けるのは、説得力を落とすだけなんじゃないのかと感じています。
◇◆◇
以下は、椎名委員個人の発言に対してというよりも、検討委員会全体の進め方に対する意見になってしまうのかもしれませんが、サービス屋 (二次流通事業者) を呼んで、意見を聞く努力をもっとするべきなのじゃないかと思っています。
この検討委員会で最後にサービス屋が呼ばれたのは、前回の中間答申よりもさらに前の第34回という訳で、そりゃビジネスモデルを提案すべき人間が参加していないのだから、ビジネスモデルが出てくる訳がないよなと納得してしまいます。
まー実際参加していたところで、具体的なビジネスモデルの話がされるとは思ってないのですが、それでも、全く流通業者が本委員会に参加してないのと、参加してるのにモデルが提案されないのとではだいぶ世間に与える印象が異なる訳で、また「先ず結論ありきの、偏ったものであると言わざるを得ない」と「パブコメを気にする必要はない」をもう一度繰り返したいのかなと不思議に思います。
6月21日(日) 視聴リスト (2009年 6〜7 月) [この記事]
前回から、いくつか脱落した番組が増えた現状の視聴リスト。
- クッキンアイドル アイ!マイ!まいん! (NHK教育 月〜金 夕方)
二周目に入るまで楽しみながら眺めていた。そのうち追加されるだろう新規話に期待中。(A)
- 戦場のヴァルキュリア (テレ玉 月 深夜)
最近能登補正がプラスされたものの評価は変わらず。浅い軍ヲタとしては色々と許せないところが多いので。(B)
- 宇宙をかける少女 (テレ東 月 深夜)
低空飛行ではあるものの継続中。ツツジはいいキャラだったのだけど、それ以外がなぁ。(C+)
- ツバサ・クロニクル (NHK BS2 火 夕方)
うーん、あんまり趣味ではないかもしれない。まだ継続はしているものの評価は下落 (C)
- 蒼天航路 (日テレ 火 深夜)
多少評価下落。まだ脱落水準までは達していないものの、ちと微妙かも。(C+)
- はじめの一歩 (日テレ 火 深夜)
低空飛行ではあるものの継続中。(C)
- 07-GHOST (テレ玉 火 深夜)
第06話で残念ながら脱落。(D)
- 無人惑星サヴァイヴ (NHK BS-hi 水 夕方)
楽しみながら継続中。(B+)
- 亡念のザムド (東京MX 水 深夜)
とても楽しんでいる。東のエデンがなければおそらく Blu-Ray の予約を入れていたことだろう。(A+)
- ティアーズ トゥ ティアラ (テレ玉 水 深夜)
低空飛行ではあるものの継続中。(C+)
- リストランテ・パラディーゾ (フジテレビ 水 深夜)
そこそこ楽しんでいる。ついうっかり原作を買ってしまうかもしれない。(A-)
- カードキャプターさくら (NHK BS-hi 木 夕方)
楽しみながら継続中。(A+)
- 東のエデン (フジテレビ 木 深夜)
楽しみながら最後まで視聴させてもらった。そーか続きは劇場でか。ちと複雑な気分だが、そちらも楽しみに待たせてもらおう。(S)
- 無限の住人 (テレ玉 木 深夜)
色々と残念なデキではあったものの、一応最後まで継続。(C+)
- 伯爵と妖精 (テレ玉 木 深夜)
無限の住人の後番組 (アニ玉枠)。第01話をチェックして……彼らも大分痩せたものだなぁ。本放送時も途中で脱落してしまったので、今回はパスということで。(D)
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (テレ玉 木 深夜)
新規話も含めて楽しみながら見ている。(A)
- 鋼殻のレギオス (テレ玉 木 深夜)
低空飛行ではあるものの、一応継続中。(C)
- PandoraHearts (TBS 木 深夜)
第05話で脱落。(C-)
- けいおん (TBS 木 深夜)
楽しみながら視聴中。もうすぐ終わってしまうのが残念。(A)
- 黒神 (テレビ朝日 木 深夜)
微妙に趣味から外れていたものの、一応最終話まで付き合った。(B-)
- Phantom (テレ東 木 深夜)
ああ、あのバトルシーンさえなければ本当に素晴らしいのだが。一応は楽しみながら継続中。(B+)
- 今日からマ王 (NHK BS-hi 金 夕方)
多少評価下落。ヴォルフラムには萌えるのだが、ちとストーリーが頭悪すぎるのが……。(B-)
- 彩雲国物語 (NHK BS-hi 金 夕方)
楽しんでいる。OP の曲含めて大分好み。ついうっかり原作を買ってしまいそう。(A)
- クイーンズブレイド (東京MX 金 深夜)
第06話にて脱落。まぁ最初からこういう作品ではあったのだけど、方向性がちょっと個人的な嗜好から外れすぎていた。(D)
- タユタマ (テレ玉 金 深夜)
少し評価上昇。楽しみながら視聴中。(B)
- ハヤテのごとく (テレ東 金 深夜)
楽しみながら見ている。無駄に力が入っていた第12話とか最高。(B+)
- バスカッシュ (TBS 金 深夜)
微妙に評価下落。デストロイ話 (第08話) の無駄にイイ笑顔や絵に入ってる力は好きなのだけど、肝心のストーリーがこう……。全体的には平均以上なんだけど。(A-)
- 戦国 BASARA (TBS 金 深夜)
多少評価上昇。これは良い能登です。(A-)
- 極上めちゃモテ委員長 (テレ東 土 早朝)
結構スキかもしれないと思い始めた。第06話 (亜里抄先輩回) とか特に素晴らしい。(B-)
- しゅごキャラ (テレ東 土 早朝)
継続視聴中。問題なし。(B+)
- 獣の奏者エリン (NHK教育 土 夕方)
エリンのKYっぷりが素敵。楽しみながら視聴中。(B+)
- マクロスFrontier (BS11 土 深夜)
楽しみながら視聴中。(A+)
- 初恋限定 (BS11 土 深夜)
かなり楽しみながら視聴中。(A-)
- 奏光のストレイン (BS11 土 深夜)
第05話にて脱落。(D)
- 神曲奏界ポリフォニカ (テレ玉 土 深夜)
第05話にて脱落。(D)
- フレッシュプリキュア (テレ朝 日 早朝)
まったりと継続中。低空飛行ではあるもの特に問題なし。(C+)
- ジュエルペット (テレ東 日 早朝)
沢城補正の効果もあり、安定して視聴継続中。(B-)
- クロスゲーム (テレ東 日 早朝)
楽しみながら継続視聴中。(B+)
- 鋼の錬金術師 (TBS 日 夕方)
多少評価下落。なんだか見どころがないような思いがしてきた。(B-)
- こんにちはアン (BSフジ 日 夕方)
楽しみながら継続視聴中。(A-)
- 赤毛のアン (MXTV 日 夕方)
楽しみながら継続視聴中。(A-)
- グイン・サーガ (NHK BS2 日 深夜)
テンポ速いなぁ思いつつ。特に問題なく継続視聴中。(B+)
- 花咲ける青少年 (NHK BS2 日 深夜)
継続視聴中。特に評価に変動なし。(B)
- 夏のあらし (テレ東 日 深夜)
ちょい評価上昇。これなら最後まで脱落しないかも。(C)
- シャングリ・ラ (テレ玉 日 深夜)
なんだか OP 以外に見どころがないような気がしてきた。一応継続はしているものの、微妙。(C)
- アスラクライン (テレ玉 日 深夜)
低空飛行ながら安定。継続視聴中。(C+)
- 咲 -saki- (テレ東 日 深夜)
ちょい評価変更。これ自体に何かあってということではないのだけど、他とのバランスで。(B-)
という訳で、見ていた番組は大体週41本。終了した東のエデンと黒神を除いた今見ている番組だけでカウントすると39本。
まだまだ負荷が高めではあるものの、この程度なら削らずになんとかなるかもという状況。
6月25日(木) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第55回) [この記事]
火曜日 (23日) に開催された、第55回の傍聴レポートです。開催時間が多少早かったので、当日中にある程度作業を詰めることができ、もう少し公開を早めることができるかと思っていたのですが、やはり、二日遅れになってしまいました。うまくいかないものですね。デジコン委ページでの資料公開 [URI] にも負けてしまったのが、ちょっぴり悔しかったりします。
今回の議題は技術検討ワーキンググループ関連と言うことで、コピー制御ルールの、B-CASと並立する新たな強制手段の検討状況についての中間答申骨子案の説明がおこなわれました。議事自体は次の流れで進みました。
- 村井主査 (慶応義塾大学) からの開会の挨拶
- 小笠原課長 (総務省 コンテンツ振興課) からの配布資料確認 & 骨子案説明
- 中村オブザーバ (三菱総合研究所) からの、新方式導入によって期待される効果解説
- 上記を受けての意見交換
- 村井主査からのまとめ
- 小笠原課長からの次回以降のスケジュール説明
- 村井主査からの閉会の挨拶
いつものように定型文の開会挨拶と配布資料確認は省略して、小笠原課長の骨子案説明部分から議事を追っていきます。小笠原課長からの説明は、次のような内容のものでした。
- 資料1、事務局案について手短に報告する
- 今日報告するのは、前回の取引市場と併せたもう一つの柱である、地上デジタル放送等におけるコンテンツ保護のルール、そのエンフォースメントの在り方ということ、それに関する議論に絞っている
- 1 ページで、今回の検討の進め方という概要を振り返っているので、緑色の箱の中を見て頂きたい
- 言わずもがなの確認だが、今、地上デジタル放送の受信機は、技術と契約によるエンフォースメントで、各受信機がコンテンツ保護における一定のルールを順守して動作するということを担保している
- そして受信機にそういった機能・動作を担保するための具体的な手段として、B-CASカードを活用した仕組みが用いられている
- ②にあるが、こうした現在のB-CASカードを活用したエンフォースメントの仕組みについて、地上デジタルの円滑な移行という観点から、視聴者の方々等々からその仕組みを改善する必要性があるのではという指摘を頂いている
- それを受けて、前回の第五次中間答申で、具体的な改善方法としてはどんなことが考えられるかを検討するべきではないかとの提言を頂いている
- その提言を受けて、前回の中間答申以降約一年をかけ、現在のB-CASによるエンフォースメントの仕組みに加えて、視聴者の方々に新たな選択肢を提供するという方向で可能な選択肢を整理する
- そういうことで基本的な考え方、具体的な対応策、対応策を導入するにあたってのプロセスといったことを提言しようとやってきた
- 以上を細分化すると、1ページの下の部分に書いているように
- まず、現在のB-CASカードを用いたエンフォースメントの仕組みを、しっかりとその内容を定義して伝えていく
- どういった経緯で導入されたのか
- 現状どういった仕組みでやっているのか
- そういった現状の仕組みに対して、どのような指摘が行われているか
- こうしたことが、一つの大きな塊となっている
- 次に、改善の在り方として、三つほど選択肢を整理してここで議論頂いた
- それについて、どういった考え方があり、どういった意見があったかということを、ローマ数字のIIとして整理させて頂いた
- 以上を踏まえて、今後の改善の在り方、このB-CAS方式に加える新たな方式としては、どのような考え方が見えてくるのか
- そうしたことを整理しているのがローマ数字のIIIである
- それでは、順次説明していく
- まず現状ということについて、3ページを見て頂きたい
- この箱の中で、再三確認していることではあるが、導入の経緯、現状ということでは
- B-CASカードを用いた仕組みは、コンテンツ保護に関する民間の契約当事者の方々、その間の合意で導入された
- このコンテンツ保護に関する民間の契約当事者の方というのは、例えば放送事業者さんと受信機メーカさん、それと鍵の発行機関、現在はB-CAS社ということで
- そういった当事者の方々が合意して、導入されたのが現在のB-CASを用いた仕組みである
- 現在、B-CASカードが同梱されている機器としてどのようなものがあるかというと
- 累計出荷台数は5000万台以上に上っている訳だが、テレビ・レコーダ・チューナ、ケーブルテレビのセットトップボックス、それからチューナ内蔵したパソコンと
- 実に多彩な機器に同梱されている
- また、下の左側の所で、導入までの経緯ということを簡単に書いている
- まず2000年の12月、BSデジタル放送スタートと書いてある
- これに向けて、まず、有料放送ということを前提としてライセンス機関であるB-CAS社が設立された
- また、それを動かす仕組みとして、B-CASカードを用いた仕組みが用いられるようになった
- これがそもそものスタートだった
- その後、2002年から、2004年にかけて、地上/BSデジタルの無料放送でもそういった仕組みを活用しようということで
- 契約当事者の、関係者の方々の合意の下で、無料無料にも導入がされて、2004年4月からその仕組みが運用されるようになった
- ただしその後で、2005年6月以降に、情報通信審議会において、そのB-CASカードの仕組みおよび、それによって担保されているルールの在り方ということに関して議論が提起されて
- 2005年の7月以降、コンテンツ保護に関するルールの改善の在り方、そしてその担保手段の在り方ということを、縷々、議論して頂いた
- 2007年の8月に、コピーワンスからダビング10へという提案を頂いて
- 2008年の6月、関係者の方々の合意を得て、そのダビング10での運用に至ったと
- 同時に、このB-CASという現在の仕組みに関する見直しが提言されて、この一年間、議論を頂いてきたということになる
- 4ページを見て頂きたい
- これはもう詳細を省かせて頂くが
- B-CASカードを活用した仕組みという前文があるが
- 先ほど説明した、契約当事者で合意されたルールに従って、コンテンツ保護に関する信号が放送波で送信されて
- そして、その信号に反応する受信機を製造すると、それを約束した受信機メーカに対して、B-CAS社というライセンス発行機関がB-CASカードを発行する
- そうした仕組みで、今はダビング10ということで回っているルールが担保されているということになる
- また、そういった仕組みを支える技術規格、それから技術規格の運用規定については、放送事業者・受信機メーカ等々の関係者が参加されているARIBあるいはDpaという標準化機関によってオープンな形で検討されて
- 結果は公表され、何方でも入手できるということになっている
- 右下の所だが、ARIBにおいては規格会議ということで検討され、結果は一般的に公表され
- そしてその技術規格を前提とした運用規定についてはDpaの技術委員会にて検討され、公表されていくと
- そういう段取りになっていて、基本的には、こういった団体に参加していただく方はどなたでも、問題を提起し、そして議論に参画し、そして結果は一般的に公表し、誰でも入手可能となっている
- そうしたことで今はルールが決められているということになる
- 5ページ以下、今のそういったB-CASの仕組みに対して、どのような指摘が行われているかということについて
- 上の箱にある通り、今般の議論では、視聴者にとっての選択肢の多様化と、それから仕組みに求められる透明性・オープン性と、両者の観点からいくつかご指摘を頂いている
- 代表的なものをいくつか紹介させて頂くと、選択肢の多様性ということで
- 既存のB-CAS方式ということだけではなく、新規の参入促進とテレビの価格低廉化といったことを促進するという観点から
- 新たな選択肢ということを入れていくことが必要ではないかという意見が、様々な立場から寄せられている
- また、コンテンツ保護の仕組みの透明性ということについて
- やはり、これが2011年の地デジ以降、これが御存知のように全世帯、多くの視聴者の方々に影響を及ぼすという観点から
- 色々な意味で、B-CAS一社ということだけではなくて、複数でそういった仕組みを運用していくことが必要ではないか
- また、多くの視聴者の方々に関わることであることから、透明性をもったプロセスで導入検討がされるべきではないか
- そういった指摘を頂いている
- 7ページ以下、以上のような指摘を踏まえて、どのような選択肢を検討したかというと
- 今の段階では3つに整理しているが、選択肢の所にカードとソフトウェア方式と書いてあるように、改善方法としては、大きく二つの考え方が通っている
- 受信機を製造しようという方々が何を必要とするかを考えると、現在のB-CASの仕組みを前提とする場合はコンテンツ保護にかかる技術仕様は、ある程度B-CASカードに集約されている
- 従って、受信機を製造する方は、B-CASカードの発行さえ受ければ、技術仕様の開示を受けなくても製造が可能となる
- それを同じ枠組みを前提とするということで書いている
- 一方、新たな枠組みということについては、その考え方が若干異なっていて
- コンテンツ保護に係るルールに守って受信機を製造すると約束すれば、コンテンツ保護に係る技術仕様は開示することを前提とする
- そういった考え方で、新たな枠組みを前提とするという風に書いている
- ただし、いずれについても、コンテンツ保護ということである以上、暗号化鍵を発行する機関が必要で
- 現在の方式であれば、B-CASカードが使用されている為、ライセンス発行機関としてB-CAS社となっている
- そして、新たな開示を前提とする方式としても、鍵の管理・発行は必要なので、B-CAS 社と異なる機関ということになるかもしれないが、いずれにしても必要となることを前提としている
- そうした二つの考え方で顕在化する違いは、カードが出てくるか出てこないかというところで
- それが視聴者にとってどのように影響するかについてはここでも何度か説明させて頂いたので、省略させてもらう
- ただし、四つの選択肢が三つになった過程で、いわゆるソフトウェア方式で上から三つ目の所に書いてあるように
- 開示された技術仕様をソフトウェアにするか、チップという形状のものにするか
- この実装形態については、受信機製造者の商品企画の自由であるということで、そこがポイントとなってソフトウェア方式にまとめられたという事情である
- それで、それぞれについてどのような議論があったかということを8ページ以降にまとめている
- 視点としては3つほど書いてあり
- こうした選択肢全般を比較した場合にどのように見えるか
- それから個々の選択肢、特に、新たな枠組みとなるソフトウェア方式について、どのような課題があるか
- それから今後、この新たな選択肢を議論し、導入を考えて行く際、どのように進めていくべきか
- そういった三点ほどの観点から議論して頂いた
- まず、選択肢全般の比較に関わるもの、これもいくつか意見を頂いた
- 一つには、選択肢の、商品企画自由度向上、新規参入者の増大という観点からすると、ソフトウェア方式が一番良いのではないか
- 一方、時間をかけずに今できることにはどんどんトライしていくというスタンスを強調すると、ソフトウェア方式、事前実装、いずれも落とす必要はないのではないか
- 現時点では、選択肢から落とさずにいずれも検討を進めても良いのではないか
- そうした意見があったところである
- 次に、個々の選択肢に関わるもの
- これは特に、ソフトウェア方式に関わるものが多かったところだが、ソフトウェア方式について先ほど説明した通り
- コンテンツ保護にかかるルールを順守するという方には、基本的には情報の開示を制限しないことを前提とする
- 従って、受信機実装に必要な機密情報が漏洩するリスクということが出てくる訳だが
- そうしたリスクの解決手段としては、運用開始前までに、既存の制度の活用を含めた、補完的制度ということを準備することが必要ではないかという意見があった
- 一方、そういったリスクは最終的に不正流通というところに繋がっていく訳だが
- そういったことに対応する制度を考えた場合、実際に被害が出る前では抽象的な制度の議論はできるが、具体的な中身の検討はできないのではないか、そういったコメントがあった
- 次に9ページに移って頂くと
- 今後の進め方に関しては、いずれの選択肢を取るにしても、2011年の地デジ移行に向けた議論である以上、TODOリスト、誰が、何時までに、何をやるのかということを明確化する必要があるのではないか
- そういった意見があった
- 以上のようなB-CASを用いた仕組みの現状、それに関する、色々な選択肢、それに関する色々な御意見ということを踏まえて、11ページ12ページで
- それではどういう方向性で提言をするか、今までのこの場の議論でコンセンサスを頂いたものを中心に書いている
- まず、基本的な考え方ということで箱の中を書いている
- まず地上デジタル放送の円滑な移行ということを考えるならば、次のような観点から、B-CASに並ぶ新たな選択肢を付け加えることが基本的には望ましい
- それのみならず、可能な限り早期に選択肢の具体化とその導入を図る必要がある
- 留意点としては、新たな選択肢がどういう意味を持つか
- デジタル受信機の多様化ということだが、それは取りも直さず、視聴者にとっての選択肢の拡大ということを意味する
- それから、これまで再三にわたって指摘されたように、地上デジタルがほとんどの世帯、非常に多くの視聴者に影響を及ぼすもので
- 今後の進め方にあたっては手続きの透明性に配意して、新たな仕組みを導入していくことが望ましい
- そうしたことが、配意を求めていることになる
- では②として、どういう選択肢を具体的に検討していくべきかということになるが、
- 結論としては、先ほど説明した三つの選択肢、いずれもそれぞれ進めるということで変わらない
- 具体的にはB-CASカードを小型化、あるいは事前実装と言う形で改善していく
- それから、B-CASカードの仕組みとは全く異なる方式ではあるが、いわゆるソフトウェア方式といったもので、コンテンツ保護に係る技術方式を広く開示していく
- そういったやり方の全て、この三つの方式のいずれも、新たな選択肢として検討、導入することが望ましい
- これが基本的な考え方となる
- この前も紹介した通り、B-CASカード小型化という既存の仕組みを前提とした方式について
- 既に民間ベースで具体的な取り組みが開始されていて、一部スケジュールも発表されたと聞いている
- 従って、こうした民間ベースの取り組みがさらに加速・推進され
- こういったB-CASカード小型化・事前実装といった方向での選択肢の拡大が進んでいるということが非常に期待が高まっている
- しかし、B-CASカードとは基本的な仕組みを異としたソフトウェア方式について、今紹介した通り、まだ課題が残されており、さらに議論を詰めていく必要がある
- そうした観点から、委員会でこれから民々で取り組んでいくにあたって、大枠の前提ということを整理させて頂いたのが、11ページの下、技術・契約と書いてあるところになる
- この技術のところであるが、基本的な考え方としては6と7にあるように、まず、早期の仕様策定、送信機設備の改修、受信機の市場への導入が可能である簡便な方式であることと
- それから当然ではあるが、一定程度のセキュリティということは、当然に要求する
- こういう考え方の元に、1から5までが書いてある
- 基本的には、今までの受信機と可能な限り互換性を取る
- 従って、今までデジタル放送の受信機が遵守を求められてきた法令とか標準方式とか、そういったものとの整合性は当然確保すべきである
- そういったことを中心に前提条件が整理されている
- 次に契約の方だが、これも当然ながら、留意事項の②③に書いてある通り
- これは基幹放送という非常に多くの方々に影響を与えるものだから、善意で受信機を購入した視聴者の方々に影響を与えるようなオペレーションは行わない
- そういった当然の前提がある
- 契約に入ってくる放送事業者、受信機メーカがいる訳だが、当然この善意の当事者に対して、色々な義務を課す際に、例えば違反の時の措置、それが過大にならないといった配慮も当然必要だろう
- そういった考え方でまとめさせて頂いている
- ここでもうほぼ、ソフト方式といった新たな枠組みについても、民々でやるにあたっての前提条件が整理されている訳だが
- 先ほど説明した通り、具体的なTODOリストということで整理をすることが望ましいということで、12ページに、その点について、今まで概ねコンセンサスが得られた部分に限って書いてある
- まず①だが、この開示を制限しない新たな方式について、2011年7月24日の全面デジタル移行の時期までに、可能な限り早期に導入されることが望ましい
- これは異論が無く、そこの所はコンセンサスが得られている
- 大枠の進め方としては②であって、まずは技術と契約によるエンフォースメントによってどこまでの対処ができるのか
- 先ほど申し上げたように、契約外の方々に対してどういう対処ができるか、その範囲の検討を進めると
- そういったその検討を進め、まずは新方式の内容の早期明確化を図ると
- まずはそれが最初に求められる取り組みだろう
- その後、新方式の運用開始、具体的にはその方式に応じた放送が開始されて受信機が販売開始されるということをイメージしているが
- その新方式運用開始までには、適切な場で、現行法制度の実効性検証と、補完的制度の導入を含めた検討を進めると
- 大枠としてはそういった進め方であろう
- そうした進め方を細かく表にすると、下の図になる
- 具体的にはこういったプロセスが必要になるという風に関係者でスケジュールを共有して頂いて
- 導入に向けた動きを、加速・推進していくことが期待されている
- まずなによりも、具体的なこういった黄色で塗ったプロセスを進めていくにあたっては
- 今回の新方式の早期導入について、この委員会の場に参加頂いたほぼ全ての方からのコンセンサスがあるということで
- 基本的には放送事業者・受信機メーカ等々、関係者の方々が協力・共同して進めていく
- そうしたその基本方針の元に具体的なプロセスを埋めて頂く必要があるのではということである
- このライセンス発行機関、前回もこれが何を意味しているのかということを付けさせて頂いたが、13ページにそれを配布している
- 13ページのところでの詳細は避けるが、二つの方式、開示された仕様をソフトウェアで実装するにせよ、チップという形で実装するにせよ
- いずれにしてもライセンス管理機関が必要になるということで、その双方について記載をしている
- ちょっと、駆け足だったが、事務局の方としての骨子案は以上になる
以上が小笠原課長からの骨子案説明でした。続いて、中村オブザーバから資料2を参照しながら、新方式が導入された場合に、どのようなことが期待できるかという分析の説明が行われました。
- 端末・ユーザインタフェース、これらがいち早く多様に広がることで、その上でコンテンツのサービス、色々なビジネスが花咲くものと思う
- 今回の新方式によって様々な端末が花咲くことの期待を込めて、なかなか定量的な分析は難しいところではあるが
- こうしたことが考えられるのではないかということを資料にして持って来たので、見て頂きたい
- 表紙を開いて頂いて、1ページに
- 地デジ製品の多様化という意味では、実は、色々なものが融合し始めているのが、現在の状況で
- 一番左上に、AV機器、テレビを含めて、三つ脚注が出ているが
- デジタルテレビは我が国の市場では、テレビ自体が1千万台市場と言われていて、ほぼこれがデジタル化されていく状態になっている
- それからその付随として、デジタル録画機、DVD/HDDデッキ
- こちらの方は大体400万台弱ということで、2012年にはさらに増えるだろうと予測している
- それ以外に既存のアナログテレビにつないで見れるようなデジタルチューナ
- これはまだ100万台突破していないが、2012年に向けて増えていくだろう
- 以上がコアになる地デジ製品ということになる
- 多い方から行くと、下の方に伸びていって、モバイル機器、ワンセグ携帯、こちらは累計で恐縮だが、2009年三月末で5500万台、既に現時点で6000万台を超えていると思う
- それから車載用、いわゆるカーナビが、こちらは累計で265万台出ている
- 一方、携帯電話自体は、毎年の市場としては、4000万台弱、こちらはほぼ毎年変わらないだろうと予測していて、こういった市場と、それからカーナビの方は450万台出る
- これと重面を引くと、PC 系と融合したような形で、最近スマートフォンと言われる、携帯電話に無線 LAN がつき、キーボードも付いているといったようなものも出てきていて
- さらにそのスマートフォンの下に、PND と書いてあるが、これはパーソナルナビゲーションデバイスということで、自分で持ち歩くような、既に日本の携帯電話はPND化しているが、こういったものも出てきている
- それからAV機器と情報機器とパソコンの、この間には、日本でいうテレパソといわれるものが、こちらも地デジ搭載PCが現時点で50万台出ている
- パソコン自体も一番右端にあるように1500万台の市場で、テレビよりも大きな台数が出ているということになる
- 一番右下がゲーム機で、これは発売時期によって下降することがあり、新機種の発売が重なると2008年のように1000万台を超えることもあるが
- 発売がないとしぼむので、予測としては若干弱めの数字を書いている
- こうした市場で、最近ではワンセグ対応のゲーム機というのも出てきていて
- またゲーム機自体もインターネット接続が一般的になっているので、インターネットゲーム機と書いている
- こういったような市場に対して、今回の新方式が入ることによって、どんな期待があるのかということが三ページになる
- 現在の端末に出ているB-CASを巡る動向から一つ情報を読み取ってみたい
- 下の写真にある通り、一番左端がカーナビの地デジチューナで、これを増設するとカーナビで使えるということになっている
- こちらも含めて、最近地デジのシリコンチューナ化というのが本格的になり、商品企画の自由度というのが上がってきている
- 従って、B-CASカードの読み取りスロットも含めた物理的な大きさが制約となっているケースが増えてきているというのが現時点の状況だと思う
- 左端のパイオニアさんのもので、他のメーカさんもこれくらいの大きさなのだが、写真の右側の所が B-CAS カードの挿入口でかなりの部分を占めている
- こうしたことからフルセグの場合は、奥行が17センチから20センチぐらいという各社の仕様になっているが
- ワンセグでは奥行きが10センチぐらいで済む形になっている
- そのほかの PC用のUSB接続地デジチューナが、既に真ん中の図にある通り、B-CASカードを一回り大きくしただけのサイズになっている
- 一番右端が、多分これが現行一番小さいのかなと思うもので、B-CASカードの限界となるサイズを実現しており、モンスターTVということで、こちらはOEM供給されて色々なメーカさんから出されている
- この同社によると、既にB-CASカードの半分となるサイズもB-CASカードの物理的なものがなければ縮めることが可能であり
- これは現時点であって、さらにワンチップ化が進めばさらに小さくできるというようなことが言われている
- 最後に4ページで、最初に上げたような色々な広がりのある端末の中でどういった可能性があるのか、新方式で期待される商品企画というものを整理してみた
- 左側にある各品目ベースで、中央に2008年度の国内市場規模と地デジ対応数を書いている
- テレビなどはほぼ100%対応しているが、情報機器の家庭向けパソコンでは700万台中、50万台程度しか地デジ対応できていないくて、10%に満たない状態だと、そうしたことを読み取って頂ければと思う
- 一番右上の、新方式によって期待される効果として
- AV機器のテレビでは、超薄型化と壁面テレビが期待されていて、一部商品化もされているもののチューナ別となっていて、こうした商品の高付加価値化が期待されている
- 特にOLED、有機ELが本格的になると相乗効果が生まれるのではないか
- それからフルセグ対応の携帯型テレビ、浴室での利用を想定した水濡れ対策を施された耐環境テレビ、そうした商品も期待されると記載している
- その下の段では、デジタル録画機器とか地デジチューナやCATVセットトップボックスになるが、こちらはやはり多様な低価格製品の登場が期待できる
- 特に、無償配布も可能な、単機能ではあるものの数が出るようなチューナを製造する場合、HD対応も含めて、非常に期待できるところだと思う
- また他に、色々な物と複合することでの進展も望めるのではないか
- 三段目では、携帯ゲーム機からパソコンまで、1450万台から2000万台になるが、こちらでフルセグ受信機能の搭載が期待できるのではないか
- 今はワンセグが多く入っているが、表示画面の性能が上がっているので、ワンセグではソースが荒く、もう少し綺麗に見たいということもあると思う
- フルセグ対応することで、実用化に広がりが生まれるのではないか
- 特に最近ネットブックということで、5万円から、非常に薄くて小さいコンピュータが本格的に普及を始めようとしている
- このような小型の薄型機器ということで、フルセグの受信機搭載ができれば高付加価値、魅力作りになるのではないかと期待している
- 次の段でビデオカメラ、デジタルカメラ、デジタルオーディオと書いてあるが
- 主にデジタルプレイヤーと呼ばれる分野で、一部ワンセグの搭載が始まっているが、新方式が実用化されればフルセグの小型・薄型化ということでバリエーションが期待できる
- それから、その下のモバイル機器では、携帯電話や先ほど説明したPND、今でも携帯電話にはワンセグ対応ということで6000万台普及しているが
- 最新の携帯では画面がかなり綺麗になり、ワンセグでは性能をあまり発揮できない面もある
- フルセグ搭載によって魅力化できれば、こちらの方は出荷台数が4000万台と多いので広がりが期待できる
- 特に、今の携帯電話は、メインパネルがWVGAで、ここからさらに高精細となる可能性があるので、HDを含めて非常に可能性があると思う
- また、海外ではDVB-Tのスマートフォンが既にGigabyteから実用化されている
- 最後にカーナビで、こちらは500万台を超えて出ているが、最近のワンボックスカーでは後部座席でビデオを見ながらというスタイルも増えており
- リアシートエンタテイメントと呼んでいるけれども、フルセグの期待、普及ということで、視聴も増えていくのではないか
- またそこで、色々なインタラクティブ性も含めた新しいビジネスの広がりが期待できるのではないか
- またこのカーナビ等については、日本のデジタル方式は、もっとも移動に強いということで、魅力が発揮できることを期待されるのではないかと思っている
- 以上、定性的ではあるが、色々な、新方式に対する期待としては、新しいユーザインターフェースが広がるのではないかなという所を期待している
以上が中村オブザーバからの説明でした。この後で、以上の説明を受けての意見交換が行われました。まずは村井主査からの指名という形で進み、最初に指名されたのは河村委員 (主婦連) でした。河村委員からの意見は次のような内容のものでした。
- この12ページのTODOの流れを、これを見たのは二回目か三回目か、ちょっと忘れてしまったが
- 今まで色々と説明や、それぞれの立場での「前向きである」という皆さんの言葉を頂いている
- なので、もうそういうことは良いかと思うのだが
- これは地デジの停波の予定されている2011年7月に向けての選択肢を拡大することが目的だとすれば
- 早く、そういう多様なものが市場に出てこなければ意味が無い
- なので、やはりこの12ページの図にタイムスケジュールが書き込まれていくということが必要かと思う
- 何と言うか……
- 前向きなのだけれども、何かを一生懸命している途中であるということばかりなので
- 今日は、技術ワーキング関係者の方々に、メーカの方々か放送事業者の方々になるのかもしれないが
- 今何が残された課題で、何がクリアできれば日付が入るのか、私にも判るような言葉で簡潔に教えて頂きたい
- そうすれば、次に何を言うにしても、何か理解できるのではというふうに感じる
- 一日も早く、市場に出てくるようにという観点から、何が今クリアできたらそれができるのかを教えて頂ければと思う
以上が河村委員からの発言で、これを受けて、村井主査から、次のような内容の回答が行われました。
- 今の質問が、技術検討ワーキングでどのような議論をしているのかという質問だとすれば
- 一応私の方から、今の質問に対して答えておいた方が良いと思った
- 12ページの図をもう一度見て頂くと、放送開始・受信機販売開始というのが一番右にある
- それで今、これが何度もこの委員会で指摘されているように、全面移行の時期にまでに、出来る限り早く導入されることが望ましい
- これは一番上に書いてあることでもある
- これがいつできれば、今、河村委員が指摘されたような意味で役立つか、貢献できるかということは、このコンセンサスは技術ワーキングの中では出来ている
- そうすると、そこから逆算して戻ると、二つに分かれている部分、放送局側で設備を改修する
- これは全国にある沢山の放送局があるので、これを技術的に、ソフトウェアや機器を変えていくことが必要になる
- 一方では、販売が一番右側にあるので、受信機の開発・製造をメーカが下側でやらなければいけない
- こうしたことに取り掛かる為には、色々な契約等が、鍵の配布とかそうした仕組みがしっかりと全部確立して動き出さなければいけない
- それがその左側の、ライセンス管理・発行機関の設置という所になり
- その前にそれを作って置かなければいけないというのが、点線の部分で
- それはもちろん、技術方式と運用規定の策定ということが決まった時点でということになる
- この中で幾つかの知見と言うか、蓄積というのは以前説明したように、かなりの部分あるので
- 多分、一番逆算的に難しいのはこの上下に分かれている、この部分
- この部分はもう、全局の放送局設備を改修するということが、どのくらいの工程で
- 誰が取り組めるか、そういった計算をしなければいけない
- 下の方も勿論だが、下の方は多分開発は経験が蓄積されていると思う
- そこの部分を計算していくと、ここの計算に
- 大体その方式が決まっていれば計算に取り掛かる、見積もり工程に取り掛かるのだが
- しかしながらその見積もり工程等々の調整は一定の時間が掛かると
- 仰るような形で、出来るだけDATEと言うか、それぞれのロードマップをできる限り具体的に言えるように
- 各専門家の方に、今の計算を中心に取り組んで頂いているというのが内容なので
- そういう意味では、何かの例えば、そのDELAYの因子があるというよりは
- その計算の、工程の見積もりであると
- 最終調整の段階であるというのが、先ほど私が説明して頂いた内容かと思う
以上が村井主査からの回答でした。この回答を受けて、河村委員から次のような内容の追加発言がありました。
- 説明は判った
- 色々な、この上下に分かれている所が中々見積もれないということも判った
- しかし、そうだとしたら、一番左の技術方式・運用規定の策定というところに何故日付が入れられないのか
- これが、何かよく判らない
- もし、全部決まらないとしたら、全部逆算してからそこが決まるのも変な話で
- 早く始めれば、ここに日付が入れば、早く入れば入るほど結果は早いはずだから
- では何故、一番左側に日付が入らないのかというところの原因・因子を教えて頂けたらと思う
以上が河村委員からの追加発言でした。この質問に対しての回答は、村井主査から関委員 (Dpa / フジテレビ) に振られて、関委員の回答は次のような内容のものでした。
- ちょっと、後で発言順が回ってきたときに言う話も含めてしまうとすると
- まさに、今先生が説明されたように、一番大きなネックになる部分は、放送局の送信設備の改修になる
- 今回は、この前のダビング10の時のようなウルトラC (コピーワンスに留まるWOWOWのような有料放送事業者のみが局設備の改修をして、その他の局では設備改修をせずに済んだことを指す) はない
- NHK・民放を含めて、全放送事業者の送信設備を、しかも運用している毎日放送しているところで、その空きを探して改修しなければいけない
- そこの所のESTIMATIONが一番大変だろうなと思う
- それにはやはり「どんな方式ではどのような改修の工事がいる」という所が一番影響する
- 方式のイメージができなければ、ここの計算は苦しい
- 逆に言うと、この図にあるように、技術方式・運用規程の策定、これが一番最初のステップで
- これに関しては技術ワーキングでもう少し精査しなければいけないものの、それほど遅くない時期
- 例えば今年とか、来年の頭という所で、技術方式の案が、一応の案ができるのではないかと思う
以上が関委員からの回答でした。この回答に加えて、村井主査からも、次のような内容の補足が行われました。
- 質問の趣旨は、逆算が必要ということは判ったが、策定の日付が決められないのは良く判らないということだったと思う
- この技術運用方式の規定として、七色の新しい技術と思った時に、それを八色で多少時間がかかるけれども頑張るか
- それとも六色で少し早めるか、そうした調整が、私の理解ではまだある
- 従って、そうやって逆算する中で、どれぐらいスケジュールが厳しいかで、六色で諦めるか、八色まで狙うか
- それを決めていかなければいけない
- そういう意味で、この12ページで見て頂いている図全体で、まだ技術ワーキンググループでの検討が必要と
- 多分、日付が決まるときには、全部が一緒に決まるのではないかと思う
- それは、相互にそういった関係があるからで、最後の逆算の中でどれぐらいの工程がかかるかはっきりすれば
- 7.5色にするとか、6.5色にするとか、8色か6色かと、ほぼ決まっている技術の中での選択という場面が出てくるかと思う
- それが、一番左が決まらないのは何故かという答えになるのではないかと、私はそう理解している
以上が村井主査からの補足回答でした。次に村井主査から指名されたのは長田委員で、その意見は次のような内容のものでした。
- この件の検討を一度休んでしまったが、紙で出ている部分は、あまり変わっていないような気がする
- しかし、ワーキングで色々と話が詰まっているということを信じて、意見を言わせてもらう
- 先ほどこの中間答申の骨子案を、縷々説明頂いている中で色々と書きこんであったが
- 何のためにこの検討をしているのかと言えば、2011年の地デジ全面移行を円滑にするために、まだ残っている人たちにスムーズに移行してもらう、一つの方策としてこれがあるのではないかと思う
- 最近テレビのコマーシャルではシカちゃんが、60%を超えたといって広告していたりするが
- 多分、今までの6割と比べると、何事もそれから先の困難度がずっと大変なのだと思う
- 周知を100%するのも大変なことだが、行為を伴って100%にするというのは本当に大変なことで
- 以前に説明を聞いていた時には、2010年には全ての準備が完了して、2011年は、本当に最後の所を確認しながら7月を待つのが一番ベストな進み方ということだったと思う
- 先ほどの話からすると、今年の末か、2010年の頭ぐらいに、この技術方式の案が策定されるであろうということで進むのだとすれば
- この最後の販売開始は一体何時になるのだろう
- 一体何時を想定して「可能な限り早期」と書いてあるのだろうか
- 多分、私の早期と、皆の早期が大分違うのかなと思う
- もっと小型で、私のようなすごい狭い家にも合うサイズの低価格なものが何時までに出てくるということがハッキリ判ってさえいれば
- とりあえず今はアナログで見ている人も、それが出てくれば買い替えに協力しようという決意ができると思う
- 何時、どういうものが出てくるのかも全く判らないままずっと待っていて
- 最後の方にドドドと出てきたものが、なんだこちらの方が良かったじゃないかというふうになってしまう
- そうしたことを避けるためにも、できるだけ、この本当の右端が、本当の意味の早期にならなければいけないのではないかというふうに思う
- その為に、皆の協力でどういうことができるのかということを考えると
- 色々と難しい検討のことがあるのかもしれないが
- 「早期」というような、色々とイメージの違う、人の取り方によって時期が異なる言葉ではなく
- もっと具体的な日付を入れた中間答申が出されなければ、もうあと二年しかない今の時期では間に合わないのではないか
- 先ほど河村委員も言っていたが、色々と難しいにしても、その何が難しいのかということがきちんと書き込まれてオープンになってこそ、次のアイデアが色々と出てくるのではないかなと思う
以上が長田委員からの意見でした。次に指名されたのは椎名委員 (CPRA) で、その意見は、次のような内容のものでした。
- ここのところ、この問題は一回おきぐらいに必ずやっているが
- コンテンツ保護ルールが守られなければいけないのだと
- 我々ダビング10を作った張本人として、そういう経緯から大きな前提になっていると理解をしている
- その為には、技術であれ契約であれ、エンフォースメントの実効性が確保されなければいけない
- それがやはり我々権利者のスタンスである
- そういう意味において、現在のB-CASという方式は、権利者側から言えばその実効性において問題がある
- あるいはユーザの方から見ても、利便性とかそうしたところからも問題が生じている
- そうした点から見直しの作業が行われてきたはずなのだが
- 消費者の方々と全く同じ意見なのだが、ここで「具体的なプロセス」と銘打ってフローチャートが書いてあるだが、これは全く具体的ではないと思う
- 技術方式・運用規定の策定というのは、一体だれが何時までにやるのか
- ライセンス発行・管理機関の設立というのは、一体だれがどんな運営をやるのか
- 一回おきに何か意見を言えと言われるから、意見を言っているのだが
- 我々は技術の専門家ではないので、少なくとも、具体的な項目を少しでも明らかにしてくれないと、ここで検討されている内容が良いのか悪いのか
- 十分なのか、不十分なのかということを評価する材料がない
- エンフォースメントを検討する上での権利者の前提と言うことも再三申し上げているが、これは11ページに整理されている
- コンテンツ保護にかかる新たな選択肢が追加されて、視聴者にとっての選択肢が拡大することに権利者は反対してない
- 色々な問題が生じている、B-CASに代わる手続きの透明性に配慮した新たな仕組みが導入されるということについては賛成だと、再三申し上げている
- スクランブルに拘っていないということまで申し上げている
- それなのに、二年も検討をしていると今日伺ったが、二年も作業が進まないのは何故なのか
- これは一体誰がどのような思惑や理由によって作業の進展を阻んでいるのか
- もっと言えば、現状のB-CASに拘り続けるような、現状のB-CASから利益を受けているような立場の方があるのかどうか
- そうした視点も含めて、これからは報告を聞いていきたいと思っている
以上が椎名委員からの意見でした。次に指名されたのは堀委員 (音事協 / ホリプロ) で、その意見は次のような内容のものでした。
- 毎回この技術の話の時には申し上げているが、正直技術の話で盛り上がれるのはホンの数人で
- 何が盛り上がっているのかがまず理解できなくて、仕方がないから日付を決めればいいじゃないかとか
- そういうふうにしか僕らもしゃべりようが無いのだが
- 三菱総研の方の報告書を見れば、こうしたものが出せれば良いのだろうと、何となく、そうした商品が出てくるのかということが判ってくるのだと思う
- 椎名委員から今あったように、技術の方式とかそういう部分で、こうした商品が出て、売れるか売れないかは別にして、新たな選択肢が増えることは非常に喜ばしい
- しかし、受信料を取るのは大変だろうなと思うが、そこに反対する者でもない
- 如何せん技術の事は我々は門外漢で、想像でコメントすることしかできないので、これぐらいにしたいが
- 何が問題で止まっているのかという時に、実は平場では話がでないが、こうしたことでは権利者が納得する訳がないと
- 以前はそういったことで何度か言われることがあったが、そうでないということはハッキリと判っていて
- 皆がダビング10を施行しようというところで、四方一両損という話があり、それでスタートをしたと
- それは、コンテンツを保護しようという前提があって、利便性も追求しようと
- 皆でそれを共有したはずだ
- それでさらに、B-CASに代わる方式も使ったら良いということで、多分進んでいるのだろうと思ってこれからも聞いていきたいと思う
- いずれにしても、安易に複製物ができるということで、それが流通していくということを甘受していたら産業にならない訳で
- どんなに技術が、多分100点の技術は絶対あり得ないのだと思うが
- そうだとしても、色々な技術を使ってコンテンツを保護していこうということがコンテンツ立国を目指す国のありようだと思う
- 技術ワーキングの皆さん方の、こうした様々なアイデアや努力ということでは苦労が多かったのではないかと理解している
- これから先も、皆の為になるようなアイデアが出ることを期待している
以上が堀委員からの意見でした。続いて指名されたのは関委員で、その意見は次のような内容のものでした。
- まさに今、堀委員の話にあったように、100点満点の技術というのはありえない訳で
- 一番左の所の策定の所で一番大きいのはバランスの取れた方式を、言うなればそれは非常にアナログ的に
- このレベルで良いだろうかという、こんな感じで良いだろうかという具体的な策定作業の途中で、WGなり、この委員会かもしれないけれど
- そうした説明をしながら合意を頂きながら進めていくしかないのではと思っている
- 最初に先生から仰っていたように、一色も無い所から六色のものを作り上げようとは思っていなくて
- 前にも少し話をしたように、既にあるセットを利用して、今求められているこの、11ページにあるような求められているレベルの技術と運用規程の策定を行っていきたいということで
- 結構もう、実際の力仕事に近い話になってくるのではないかと思っていて、さっき「案」と言ったら、ちょっと長田委員から (その時点でも案なのかと) 言われてしまったけれど、実は、案ができればそれが規格の策定に近いかなと思っている
- 多分、方式と運用規程の策定ということと並行して、バランス的にこんな形でという話をすると、次のライセンス管理・発行機関の所に行く、製造に関する契約と運用に関する契約という一番大きな所のイメージができるのではないかと思う
- ここも実は、前にある程度検討したものがあるので、それを今回どのように適用させるかと、これも、了解を得ながら進めなければいけない所で、そういうステップで
- 技術規格の策定、運用規定の策定、それからライセンス発行・管理機関の設置というところは結構パラレルに作業が進むのではないかなと思っている
- 今この場で「じゃあ何時」と言われると、先ほどのように苦しい説明になってしまうと思うが
- 最後に、一番上に書いてあるように2011年の7月24日の全面移行の時期までに可能な限り早くと、それに関しては全く同じ意識を持っている
- ただし、具体的にPHYSICALな作業、それからPHYSICALに改修とか、受信機の設計・製造ということがどのように行われていくかというのは、もう少し検討を要するのではないかと思っている
関委員からの意見は以上でした。続いて指名されたのは藤沢委員 (NHK)で、その意見は次のような内容のものでした。
- 前回も同じ意見を言ったかもしれないが
- 私のこの方式に対する見方というか、意見を述べさせて頂きたいと思う
- 12ページの②に書いてあるように、技術・契約で足りない部分を制度で補う的な表現があるが
- むしろ私は、この方式に込められているのは、技術でやりすぎないように、そういうふうにすることで
- その結果生じる穴になるような部分を制度改正等でカバーすると
- 何故そういうふうにするかと言えば、それでメーカやユーザにとって受け入れやすく、使いやすくすることと
- 権利者にとって効果が期待できる、その両方を両立させる
- そういう意味で本当に理想的なスキームになってくるのではないかと、私自身非常に高く評価している
- こういう形に村井先生がリードしてきて頂いたということについて、本当に感謝している
- そういう方式のイメージが出来上がって、具体的にどうやっていくかという12ページのようなプロセスに関して
- ここには非常に簡単な表現しか入っていないが、きっと細かな作業があり、何時までに誰が何をやるかという各論の色々な細かい作業があって
- それを組み合わせて全体のタイムチャートという形にもって行かなければいけないのだろうと思っている
- WG内では、かなりそういう議論もされていて、そういう意味で言うと、この前もいったことが、WGでは一生懸命やっている
- 一生懸命やっているのだけど、まだ式が完全に固まっていないとか、グレーな部分があるということと
- もう一つ、手順として、これが終わってからでなければこれができないというものもあれば、これが終わる前に並行してこの作業ができるというそういう要素のものもある
- そういうことを、なかなか具体的な内容が判らない現時点で、明確にしていくのが難しいという、これが一つの理由だろうと私は思っている
- 「ではどうするのだ」という話だと思うのだが、やはり、皆さんは本当にWGが真面目にやっているのか、色々なPHASEで確認を取りたいという気持ちは良く判るので
- ある所で、大体この辺が目安だろうということをこれから示していかなければならないと思う
- ただし、その目安が、絶対的にこれが終り、これが綺麗に終わり、次がこうなっていく、そうしたものではないということは、理解して頂いた方が良いかと思う
- そういうレベルのものなので、ある程度重要なPHASEに限って、その進捗状況を確認して頂くということで、参考にして頂けるようなレベルの示し方を考えていってはどうかと思っている
藤沢委員からの意見は以上でした。続いて指名されたのは田胡委員 (JEITA / 日立製作所) で、その意見は次のような内容のものでした。
- まさに、時期でWGはもめていて、具体的なプロセスの①の「デジタル全面移行の時期までに可能な限り早期に導入されることが望ましい」というこの文章は
- 本当は製品が発売できる環境を早期に整えてもらいたいというのが実は本音で
- まさに、2011年7月を前に、一体何時頃、どうなのかということをワーキングで喧々諤々やっている
- 前回も言ったことだが、村井主査からも言って頂けたように、放送局の送信設備改修が終わり、放送開始がされない限り、受信機は発売できない
- そういうことで、多分一番大きなのは放送局の設備改修だろう
- 受信機の開発と製造に関しては、技術方式・運用規程が決まれば、概ね開発は着手できると思っている
- ただし、鍵の問題があるので、ライセンス発行・管理機関の設置と書いてある、このライセンス機関との契約が当然必要になるので、これができなければ契約ができず
- 最終的な受信機の製造にGOが出せない
- なので、技術方式の策定から、ライセンス発行・管理機関の設置までの期間を如何に縮めるかが、ワーキングでの議論のまさに一番難しいところになっている
- その為に、例えば短縮できる所は短縮できるということで、例えばライセンス発行・管理機関が「設置」となっているが、前回は確か「設立」となっていたと思う
- 「設立」では、新たに作るということで、時間的に短縮できるのであれば、例えば既存の公益法人に業務委託をしても問題ない訳で
- そうした所で納期の、期間の短縮ができるかもしれないということで、設置に直せばよいのではないかと、私の工夫で、今、ワーキングで議論をしている
- 最後は技術方式と、ライセンス発行の問題になるが、いつも頭に入れていなければいけないのは透明性の話と、それから鍵の管理のセキュリティの話、受信機開発から見た契約の実効性
- つまり、契約しても、この契約では中々難しくてものができないというのでは契約にならないので、受信機開発の実効性が伴う契約の中身、こういった三点がまさに重要ではないか
- そこがクリアにされれば、後は腹ぐくりだけの問題で、コミットメントはできないまでも、望ましい時期は、概ねこれぐらいまでには放送開始ができるだろうということで
- 放送開始が見えれば、当然そこに受信機販売を向けてスタートすることになる
- 今回は特にソフトウェアで、チップだと物理的なものの開発があるので、時間を食う時があるが
- ソフトウェアなので、多分、問題なく開発は追いつくだろうと今思っている
- 物理的に大変なのは先ほど言った、送信設備の改修
- こうしたところは現在ワーキングの議論の中で
- 多分、もう一回ぐらいワーキングをやれば、多分村井主査のことだから、腕力を用いてでも全体をまとめて
- 概ねの望ましい時期ぐらいは提示できるだろうと、大変期待している
- そういう意味で、主査におんぶにだっこで申し訳ない
- 多分次回ぐらいには美しい時期が提示されるということを期待している
田胡委員からの意見は以上でした。最後の「腕力」部分に関して、村井主査から「このホールはエコーがあり、聞きにくいので「何力」といったのかよく聞こえなかったが、聞こえないままに先に行きたい」との冗談があって、次に指名されたのは西谷オブザーバ (SONY) で、その意見は次のような内容のものでした。
- 事前に勉強を色々とさせて頂いたけれども、まずは、基本的に三菱総研さんが説明された資料にあるように
- メーカ側としても、色々な機器が、地デジが受信できる商品が増えるということは、
- メーカ、あるいはお客様にとっても、非常に利便性が高まって
- 特にソフトウェアということで仕様を貰えるのは、本当に機器に入れるのが簡単になるので
- ソニーとしてはこの方式で進めるように、色々と協力したいと思っている
- 過去の議論では実際に私はこの場にいなかったのだが
- やはり一番議論するべき点は、11ページの基本的な考え方にある「地デジ放送の円滑な移行に向けて」という所で
- この方式が、B-CASに代わる新たな方式に変えたことで、円滑に進むと言うことが
- 私はそれに賛成しているのだけれども、やはり、まだまだ長田委員が発言されたように
- 60%しか地デジが普及していなくて、あと二年しかないというところがやはり一番大きな問題だと思う
- 各家庭に、おそらく2台3台とテレビがあるので、普及したとしても、映らないアナログテレビが、地デジのテレビを1台購入しても映らないテレビが他にもあると思う
- 例えば、居間のテレビはデジタルになったけれど食事をする所がアナログのままとかのように
- やはりそういった、全てのテレビで地デジが受かるようにしないと、と思う
- 是非、私というかソニーというか、その視点からすると、色々な議論をする必要があるが、ほぼ1年後には、地デジを100%受信できるようにするという観点でこの会議を進めるのが大切だと思う
西谷オブザーバからの意見は以上でした。以上で村井主査からの指名は一巡し、ここからは希望者の発言という形になりました。最初に発言を希望したのは浅野委員 (IBM) で、その意見は次のような内容のものでした。
- 前々回に、村井主査の方からTODOリストという形でここにまとめられたものに関して私がコメントしたのは
- 目標時期に関しては、少なくとも何時までにやらなければいけないということと
- もう一つ、途中のことに対して、TODO リストというのは必ず何時までにということを入れなければいけないが
- そこで途中に入れるのが難しいのであれば、せめて、最初のところ、技術方式・運用規定の策定のところについてだけは、目標時期を入れるべきじゃないかと言った
- 今、皆さんの話を聞いている中で、この方式の所がキーだということが段々判ってきたのだが
- 六色にするか八色にするかというところでは、実際に方式の何をということを決めようとしているということなのだろうが
- ある程度不確定要素はあるにしても、何時までにという目標時期を逆に設定しておいて、六色にするか八色にするかという方式を議論の中で決めていけばよいのではないか
- そういう観点から見た時、ワーキンググループの人たちは、あまりにも慎重すぎる
- 慎重で、時期を入れたら何が何でもやらなければいけないと、トラウマのように囚われすぎているのじゃないか
- 目標時期と言うのはあくまでもそこにチャレンジしてそれに向かってやっていくということだから
- 出来なかったときは出来なかった時で考えるにしても
- 一応「こういう目標時期に向けて頑張りましょう」という時期を先に設定して
- それからその中で六色か八色かということに対して議論をやっていきながら
- その目標時期にできるだけ合わせる形でやると、こういうMINDを持ってやって貰いたいなという気がする
- そうでないと、最終目標時期まで進む中での、最初の所で、目標時期が設定されないと
- 実際には本当にできるのかという不安が、特に消費者の皆さんは、そこの所が大きな不安なのではないかと思うので
- そこがキーじゃないかと思う
浅野委員からの意見は以上でした。この浅野委員の発言の間に、高橋委員 (ジャーナリスト) が来られて、高橋委員は当初指名が予定されていたということで、村井主査から指名がされました。高橋委員からの意見は次のような内容のものでした。
- 遅れて来ることになり、失礼した
- 今、一部を聞いていながら、期日が決まらないという問題なのかなと感じている
- 私は以前からとにかく早くしてほしいということと
- 早くにしても、期日をきちんと確定して欲しいとお願いした
- 今はまだそういう段階ではないのかなという感じで、非常に暗い気持ちになっている
- 運用開始が何時であれ、地デジ移行が決まっているところなので、そこから逆算して物事を決めて頂くしかない
- そのようにして頂きたい
- 今の浅野さんの発言に関連して言うと、後で変更できることは後でも良いのではないかと言いたいと思う
- やはり基本のところをきちんとして
- そして説明責任を果たして頂いて
- スタート時期にはこうだけれども、このように改善されるというのが判れば
- 消費者側も納得できることがあって折り合っていけるのではないかなと思う
- なので、誰が、何時までに何をするかということを明らかにして頂いて、議論をさせて頂きたいと思う
高橋委員からの意見は以上でした。次に発言を希望したというか……村井主査から促されたというか、河村委員が発言をすることになりました。その意見は次のような内容のものでした。
- ちょっとあいまいな疑問の、あいまいな質問になってしまうかもしれないのだが
- やはり先ほど、そちらに並んでいる方々の言葉を聞いていて
- 例えば藤沢委員の「方式が判っていない、具体的な内容が判らない」という意見で
- 私としては、この期に及んで方式が判っていないのかなということが判った
- 方式というのは、確か、ソフトウェアという風に書かれた箱の中にあって、主査も六色なのか八色なのかと言っている
- また、12ページの②の所に、技術と契約で対処できる範囲での検討と書いてある
- その後に、適切な場で現行法制度の実効性を検証した上で、他の制度の要非を含めと書いてあって
- 非常に意地悪にというか、理屈っぽく読むと何かこれはおかしいなと思う
- もしも、対処できる範囲の検討と言う中に、例えば八色から三色に狭めるような
- そういうことが入っているのだと、例えば技術と契約でできる範囲でやりましょうねとここに書いてある中に、入っているような気がする
- その後で、補完的制度の要否とあるのは、補完的制度がいらないものを作っているはずなのに、何故要否を検討するのかと思える
- もし、私が読み方を誤解しているのならば、教えて頂きたい
- それから最初に「縛りすぎない」と言っていた、どなたか委員の言葉が、もしかしたら私と同じ意味では言っていないのかもしれないが
- 私は方式が決まらないとか、八色とか三色という中で、7ページのソフトウェア方式と書かれてある箱の中の言葉が欠けていく
- これを削ることによってできたということにならないようにお願いしたい
- 私は今日見ていて、何か②の言葉と皆さんの言葉の中に、何かその八色とか三色とかということと、ここの②が関連しているような気がして
- そこが大変気になる
- 日付も大切だが、とにかく透明であること、沢山のところが参入できること、不公平がないこと
- そういうものの為にこれだけ時間をかけてやってきたのだから
- ここに来て何か、そういう最後の滑り込みの何か、そういうことが起きないように是非お願いしたいと思う
河村委員からの意見は以上でした。ここで、発言を希望する方は居なくなり、村井主査からの説明というか、そうした発言がありました。それは次のような内容のものでした。
- 私は三色とは全然言っていなくて、6.5色とか8色とかと
- 浅野委員から言って頂いたこと、今、河村委員から言って頂いたこと
- どちらも技術ワーキングにとってはとてもENCOURAGEなことかなというふうに思う
- つまり、目標値を多少現実的にそれをACHIVEできるかどうかは別として
- その意気込みで取り組むようにということが、浅野委員の言って頂いたことだと思う
- 河村委員からも、三色みたいな話をしているのじゃないのだろうかということを言って頂いたのだと思う
- 私が七色と言ったのは、大体七色に輝ける程度の技術の蓄積は、この方式は既に持っていると
- 従って今の時点としては、7.5色にできるのか、6.5色の所できちんと実効ができるのかということは
- やはり、この最後の準備の段階の逆算、工程の見積もりに依存して決まるだろうから、決まるときには皆決まると私は思っている
- 従って、どれが決まらないから何が決まらないというような関係というよりも
- 直感的には、全体が決まっていて、それを微調整するので、どれかだけを先出しして言うのは控えようと
- それが最後まで言わないで、隠しているのではという意見が出ていることも、十分、技術ワーキングでは話しているのだが
- 基本はこうしたことだと思う
- 最後の瞬間、もう一度委員会があるのだが、その時までにできるだけのことをやろうと
- その時には最高の精度でやりたいということだと思う
- この精度というのはACCURACYのことで、どれだけ正しい数字が出せるかと
- 先ほど浅野委員からあったように、それは頑張るという気持で「何時」と言ってしまえと聞こえたのだが
- 大体は、技術ワーキンググループでもその気持ちでやっている
- それにしても、正しさが高いところ、精度が高いところで皆さんに呈示するのがいいだろうという考えで
- こういう意味で進めていて、最後の瞬間まで精度を上げる努力しているということである
- それがどこに繋がるかと言うと
- 現行の法制度の実効性は技術に対してどうなのか、例えば法的制度とかそのほかの社会的制度というのが、本来のコンテンツを守るというエンフォースメントのメカニズムの根源に立ち返った時に、何が必要なのか
- 今のここでの議論は、技術が100%ということはない、だから90%だとすれば、残りの10%を制度で埋めるという非常に抽象的なアナロジーで議論しているが
- 本来はもっと技術的にSPECIFICな、この部分はこういう可能性があるだろうという、例えば6.5色で0.5色引いたら、その部分でこうした可能性があるだろうと
- そうした具体的な内容があるべきで
- その中でこれを考えていくということで、その意味で精度が
- 本来の、コンテンツを守るという為の技術と、それを補完する仕組み、この関係を、より具体的に議論するためにも、その意味の精度が必要だろう
- そういうことで、このチャートが具体化できて、終息するようにと
- 以前、二回ぐらい報告させていただく中でこのチャートを具体化できて、順番であるとか、具体的に議論している項目が何であり、その相互依存関係が何であると、そのタイミングがどれだけ答申に入れられるかと
- 多くの皆さま方の指摘があったことを、どう反映できるかということを、できるだけ正確に伝えたいということで、最後の瞬間まで議論を続けさせて頂きたいというのが、基本的な報告の内容だと思う
- 従って、大体この二回で、理解頂けて来ているのかなと私は思っているが
- 技術検討ワーキンググループの中は、決して、高橋委員に暗い気分になって頂く必要はなくて
- 割合こう、技術ワーキンググループの雰囲気は、非常に、厳しい議論を、技術的に厳しい議論をしているけれども
- 明るい議論をしているのじゃないかと、私は思う
- 一部の方は、「何とか力」で押さえ付けられているのじゃないかと感じる方もいるかもしれないが、それはまあ冗談で
- そういう訳で、一応私は司会者で、皆さんの意見を聞いているのだけれども
- 全体の取りまとめ、親委員会との繋がり等の責任は私にあるつもりでいて
- そういった意味で一番重視しているのは、大抵、技術ワーキンググループでも、三分に一回は「いや、もう親委員会ではこういう意見が出ているのだから」という議論に立ち返っていて
- そのガイドラインで議論をさせて頂いているので、そうした意味で
- これは、特定の方の委員という話では無く、こういう意見が出ていて、それに対して応えるためには、どういう精度を上げていけばよいかという議論をしている
- そういう意味で、今日伺った話は、技術ワーキンググループの中での議論、それとENCOURAGEな形の議論の間での整合性が、非常に高くあるのではないかという風に考えている
ここで、村井主査から「ちょっとしゃべりすぎているが、他に意見のある方は」との呼びかけがされて、それに応える人はいなかったので、引き続いて村井主査から次のような内容のまとめが行われました。
- それでは議論はここまでにさせて頂く
- 今日も貴重な意見を頂いたが、今申し上げたように、技術ワーキンググループの方の議論との整合性は、きちんと取れていると思っている
- しかしながら、最後、この意見を持って、日頃努力をしている技術検討ワーキンググループの内容に沿った
- 最後のワーキンググループを開催して、答申の盛り込み方などの議論を行って、資料を修正させて頂いて
- 次回のデジコン委員会、7月2日に予定されているので、そこで報告させて頂くということで、進めさせて頂きたいと思う
- 色々と気づいた点、それから今日の資料を色々と見て頂いたと思うので、それに関して今後気づいた点等ある方は、事務局の方に伝えて頂ければと思う
村井主査からのまとめは以上でした。引き続き事務局の小笠原課長から、技術ワーキンググループは明後日(25日)の開催だと、次の委員会は7月2日の18時からと、最後の案文の承認に7月6日の11:00〜12:30を予定しているとの案内があって、今回の会合は終了しました。
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感想や、現在検討されていると思われる新しいソフトウェア方式の詳細について、多少書いておいた方が良いと思っていることもあるのですが、ちょっと今週は別件で忙しいので、来週にまわしたいと思っています。
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